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現役学部生に聞く、東大生の食事情「料理をしてみようと思う気持ちが大切!」前編―特集:学生生活を支える「食」(3)

2019.01.23

食生活特集2018

#東京生活 #東京生活 #教養学部の人 #教養学部の人 #教育学部の人 #教育学部の人

第1回第2回と、東大生に用意された食にまつわるお店や施設を紹介してきましたが、実際に東大に通う学生は毎日の食事をどうしているのか気になるところ。そこで今回から現役の東大女子に毎日の食生活についてお話を聞いてみました。まずはじめは、教育学部3年生の吉武さんと教養学部3年生の黒住さんにインタビュー。地方から親元を離れ東京に出てきた二人はどんなふうに料理に取り組み、学業、サークル活動、アルバイトと何かと忙しい学生生活と食事のバランスをとってきたのか。2回に渡ってご紹介します。

PROFILE

教育学部3年 吉武沙織さん
文科三類から教育学部へ進む。現在3年生。大阪府出身。1~2年生は三鷹寮に住み、現在は本郷キャンパスの近くで一人暮らし。高校時代にすでに「ブリ大根」が作れたという料理上級者。

教養学部3年 黒住奈生さん
文科三類から教養学部へ。現在3年生。岡山県出身。入学時まではほぼ料理経験なしで一人暮らしに突入。現在も駒場キャンパスに通学中。

 

駒場入学から現在まで
「入学直後は料理頑張りました」

―お二人とも地方から東京に移って一人暮らしをしているということですが、家を出る時、食事への心配はありましたか?

黒住 私は心配でした。それまでほとんど料理をしたことがなく、お湯を沸かすくらいのことしかしていなかったので、自分でやれるかなという不安はありましたね。母親が一人暮らしの経験があって「まあ、行けばできるよ」と押し切られて、私も「そういうものかな」と、心配を振り切って出てきた感じです。

吉武 私は、以前からわりと母親を手伝ったり、母親が仕事の日とかにちょっと作ったりしていました。大学が決まる前から「いずれ進学するから料理教えて」と料理を少しずつ教わっていたので、そんなに心配されることはなかったですし、自分でもそんなに心配はしていませんでした。

―では高校時代にはもう得意料理があったとか?

吉武 得意料理ってほどではないんですけど……ブリ大根ですかね。

―ぶ、ブリ大根!

黒住 え、すごい!

吉武 母の作るブリ大根がめっちゃ好きで、教えてもらってました。高校生の頃は将来に向けて頑張るぞっていう気持ちがあって意欲的だったんです。あとは鶏肉のミンチを使ったショウガスープも得意でした。

黒住 めっちゃおいしそう。

吉武 その2つがお気に入りで、大学に入って最初の頃はよく作ってました。でも最近は忙しくて、どんどん料理はしなくなってます。

―たしか吉武さんは1、2年生と三鷹寮に入居してたんですよね。あの個室の小さなキッチンでそんな本格的な料理を作っていたのですか?

吉武 あのすっごく狭いキッチンで作ってました(笑) 初期までですけど。

―初期っていうとどれくらいまで?

吉武 私、「FLY Program」* に参加していたので、1年間休学していたんです。それもあって三鷹寮にいたんです。渡航が8月からだったので、7月には大阪に戻りましたから4~6月ですね、その期間は三鷹寮にいて、頑張って料理していました。

―そうだったんですね。ちなみに渡航はどちらに?

吉武 8月から12月の終わりまでイギリスのロンドンに行ってました。ところがイギリスはめちゃくちゃ物価が高くて、自炊しないと生きていけなかったので、結局、ロンドンでも料理をしていました。
向こうはジャガイモがメインなので、ジャガイモで作る料理はもうほぼほぼ作ったかな。

―大学に入学してからしばらくはずっとお料理をしていた感じですね。

吉武 まあ嫌いではないのでやってましたね。でも他のことで忙しくなると料理の優先順位がすごく下がっちゃって、あの頃に比べたら最近は料理への意欲も下降してます。

*「初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)」……東京大学に入学した直後の学部学生が、自ら申請して1年間の特別休学期間を取得したうえで、自らの選択に基づき、東京大学以外の場において、ボランティア活動や就業体験活動、国際交流活動など、長期間にわたる社会体験活動を行い、そのことを通じて自らを成長させる、自己教育のための仕組み。
参考リンク 初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)


吉武沙織さん

入学前の準備編
「入学前にリンゴの皮むきで挫折」

―黒住さんは不安だったとのことですが、合格発表から東京に来る間に多少、習ったりはしたのかな。

黒住 いえ、やってないですね。「とりあえず包丁は握れるようになれ」と言われて、リンゴの皮むきに挑戦して挫折した状態で、こちらに来てしまいました。

―皮むきができない状態で一人暮らしがはじまってしまった。

黒住 はい。なので最初は皮をむかなくていいキャベツとか手でむけるタマネギとか。あとはキュウリなども意外と炒めたらおいしくて。あとはナス。

吉武 確かに、皮むきしなくていいもんね。

黒住 そうそう。最初は炒めものを頻繁に作りながら、そのうち他の調理法も覚えて、だんだん幅が広がっていったみたいな感じですね。

―ピーラーは使わない?

黒住 今はピーラーも使います。でもそれに気がついたのが遅くて、もう包丁でむけるようになりました。

吉武 あ、すごい。

―一方、吉武さんはすでに料理はお得意だったんですよね。

吉武 自宅では圧力鍋とかも使ってましたね。

黒住 すごい。

吉武 でもそれは実家にいる時にやってただけで、こちらには持ってこなかったので、こちらでは鍋とフライパンでできる料理しかしていないです。

料理スキルの成長プロセス
レシピサイトで簡単なレシピを選ぶ!

―黒住さんは東京に来てから自学自習でなんとなくできるようになってきたって感じですか。

黒住 そうですね。いろいろやっているうちに少しずつって感じです。

―レシピの本とか買ったり、ネットで見たりとか?

黒住 本は買わないですけど、ネットの「クックパッド」はめっちゃ見てました。何でもいいから安い食材を買ってきて、その食材をクックパッドに入力して、出てきたメニューの中から自分でできそうな料理を選んでやってみるんです。それを繰り返していくうちに、なんとなくできるようになっていったかなという感じです。

吉武 面倒なことしないでいいレシピもたくさんあるよね。

黒住 そうそう、別に簡単にできる料理でいいじゃん!って気づいてから、ラクになったかな。

―得意料理はできましたか?

黒住 得意料理ですか(笑)、いつもいろいろ作っちゃうから、固定したメニューがないんですよ。買って、見て、こんなんできそうっていって作っちゃう感じなので……。アジア味にするにはキムチがいいかなと思ってポンと入れてみたいな。あ、そういえば最近、白身魚を野菜とみそで炒めた、「炒め煮」みたいなのが私の流行りです。

吉武 へー。おいしそう。

黒住 よく魚を食べたくなるんです。家で自分でやるとなると、肉のほうが楽じゃないですか。だからついつい肉に走っちゃうんですけど、たまに魚を食べたくなります。

吉武 魚が食べたくなるときあるね。

―東京って、魚が高くないですか?

黒住 高いです。

吉武 高い、高い。

黒住 私、瀬戸内出身なので東京に来た時に衝撃でしたね。白身魚のタラが2切れで436円、高っ!みたいな。

吉武 シャケの切り身もうっすいしね。

黒住 ほんっとに信じらんない。けど、まあおいしく食べようと思ってやってます。


黒住奈生さん

1日3回の食事事情 
「お昼は学食か外食になりますね」

―朝ご飯はちゃんと食べてますか。

黒住 日によりますね。

吉武 私も日による。

黒住 でも、食べない時はあまりおなかが空いてないからで、しっかり食べる時は食パン1枚とヨーグルト、それに紅茶。それに魚肉ソーセージとか果物とか1品添えてって感じです。

吉武 私も朝はあまりおなかが空かないんですよ。ヨーグルトが好きなので4個パックのを買っていて、それと飲み物くらいかな。もうちょっと食べたほうがいいかなとは思いますが、お昼も食べるしなあと思うと、それでちょうどいいんですよね。

―では、お昼はどうしてますか? ちょっと駒場時代のことを思い出して教えてもらえるといいのですが。

吉武 駒場の頃は学食か、学食が混んでたら、けっこう駒場商店街のほうに下りてお店を開拓してました。

―どこかお好きなお店ってあります?

吉武 間違いないのは、菱田屋ですね。定食屋さんです。駒場生にはけっこう有名。価格帯は1,000円ちょっとって感じです。

黒住 あそこは人気。

吉武 1,000円未満のメニューもけっこうあります。私の場合は、時間的にもお金的にも余裕があって、いいものが食べたいなって思った時は菱田屋に行ってました。

黒住 私は、外に出かけるときはカレーのルーシー。

吉武 私もルーシーはけっこうよく行く!焼きチーズをトッピングしてね。

黒住 そうそう、焼きチーズのトッピング(笑)

―ラーメンやお蕎麦はあまりない?

吉武 私、麺がそんなに好きじゃないんですよ。でもパンは好きです。

黒住 駒場にめっちゃおいしいパン屋さんが……。

吉武 あ、ル・ルソールでしょ! 西口を出て、駒場IIキャンパスに行く所の。

―あそこは1個250円とか300円とか、ちょっとお高いですよね。

吉武 あそこのパンはおいしいので、自分へのちょっとしたご褒美みたいな感じです。

黒住 東京でも有名なパン屋さんみたいで。私はル・ルソールに行く余裕がないときは、学内のイタトマでパンを食べてます。

―イタトマでパン!?

黒住 イタトマはケーキで知られてますけど、ベーカリーもあるんですよ。ちょっと甘い系のチョコチップのパンとかツナのパンもあって。

吉武 デニッシュとかもね。

黒住 でも早めに行かないと売り切れちゃう。

―ちょっと豪華なところで、学内にはルヴェ ソン ヴェールもありますよね。

黒住 私は行ったことないです。

吉武 私は1回、それこそ「FLY Program」の報告会の後の交流会で使ったんですよ。おいしかったですね。いいとこです。

黒住 行ってみたい!

学校にいる時のランチ事情
「お昼をバイトのまかないで済ませるのもあり」

吉武 私、駒場ではアルバイトのまかないのご飯を食べていた時期もあります。今は違うテナントさんが入ってるんですけど、私が1年生の頃は「カポ・ペリカーノ」という、本郷にもあるお店が駒場IIキャンパスにあったんですよ。そこでバイトしてた頃は、ずっとそこのまかないでお昼は食べてました。

黒住 それはやばい。

吉武 めっちゃおいしかったです(笑)

―そのアルバイトはどうやって見つけたのですか。

吉武 それは、学内の「アドミニ棟」にバイト募集の貼り紙があって、「あ、なんかレストランのバイトって楽しそう」と思って、1年生の時に。進学選択制度で本郷に来るまで働いてました。

黒住 楽しそう。そのお店のこと、知らなかった。

吉武 今は「アーペ クッチーナ ナチュラーレ」っていう名前の、別のお店に変わっちゃって、メニューもイタリアンじゃなくてオーガニック系になっていますけど、駒場のマダムに人気らしいです。

―それにしても、バイトのまかないをキャンパス内でゲットできたのはよかったですね。

吉武 駒場時代にはそういうこともありました。

話し始めると止まらない、学生生活の食トーク。後編に続きます!

2019.1.23
インタビュー/東京大学高大接続研究開発開発センター教授・濱中淳子
構成/ライター・大島七々三