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1日200品目を取りそろえる駒場キャンパスの「学食」―特集:学生生活を支える「食」(1)

1日200品目を取りそろえる駒場キャンパスの「学食」―特集:学生生活を支える「食」(1)

食生活特集2018

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特集:学生生活を支える「食」

今回の特集は東京大学の「食」に関する情報をお届けします。学生生活の食を支える存在といえばやっぱり学生食堂(学食)。学食が充実していれば、勉強にも意欲がわくというもの。でも、東大の学食ってイメージが想像つかないという人も多いはず。そこで食特集の第1回は、東大に入学した学生が最初に通うことになる、駒場キャンパスの学食を取り上げます!

東大駒場キャンパスの学食ってどんな感じ?

東大の教養学部前期課程(1~2年生)に入学して最初に通う駒場キャンパス。真正面にそびえたつ時計台の校舎(1号館)をはじめ、駒場キャンパスの敷地にある建物は歴史のある建物ばかり。きっとその学食もおしゃれとは無縁で、東大生はカレーやラーメンばかり食べているんじゃないの?と思ってる人もいるかもしれません。


駒場キャンパス正門

ところが!学食(生協食堂)のある「駒場コミュニケーション・プラザ」(南館)は、まるでファッションビルを思わせるようなガラス張りの近代的な建造物。この一角だけ青山とか原宿を思わせる?ような雰囲気。


学食が入っている「駒場コミュニケーション・プラザ」(南館)

建物に入ってみると、横長の大きなサンプルケースがありました。


1階のカフェテリア「若葉」のサンプルケース

2階の「ダイニング銀杏」に上がる階段

そしてその横には、2階に繋がる階段が。駒場の学食は1階と2階に分かれていて、1階は自由にメニューを組み合わせて利用するカフェテリア方式の「カフェテリア若葉」、2階は定食やセットメニューが中心の「ダイニング銀杏」と、2つのお店があるのです。

1階の「カフェテリア若葉」は大学生協が数多くの施設に提供する共通のメニューで構成されているのに対して、「ダイニング銀杏」は東大オリジナルの手作りメニューを出してくれるとのこと。

いろいろ選べるカフェテリア!

まずは1階の「カフェテリア若葉」に潜入。サンプルケースを見るかぎり、カレーやラーメン、丼物などガッツリ系メニューも多いのですが、目に飛び込んできたのは、「小鉢」が並んだ冷蔵ショーケース。ほうれん草のおひたしやひじきの煮物、ポテトサラダ、豆腐など、家庭的な料理が用意されていて、それぞれが100円前後です。


家庭料理の小鉢が並ぶ冷蔵ショーケース

たくさん並んだ小鉢や小皿の中から、今回は「オクラの巣ごもりたまご」(129円)、「薩摩ハーブ鶏のレバー煮」(86円)、「冬の総菜トリオ」(108円)をチョイスしてみました。食べてみるとそれぞれ素材の味を生かした素朴な味付け。学食にこういうヘルシーな家庭料理があるというのは、バランスのよい食生活を送るには助かります。


写真右上から時計回りに「オクラの巣ごもりたまご」「薩摩ハーブ鶏のレバー煮」「冬の総菜トリオ」

さらに奥に進むと量り売りのサラダバーがありました。ミニトマト、レタス、ブロッコリー、コーンなど18種類の野菜や総菜が自由に選べるようになっていて、料金は1グラム=1.4円(組合員価格)。


量り売りのサラダバー。料金は1グラム=1.4円

そしてそのサラダバーの脇には、「焼き立てパンコーナー」も。毎朝食堂の厨房で作られているそうで、日によって種類もかわるとのことです。この日は「オレンジピールのミニブレッド」が並んでいました。


焼き立てパンコーナー

焼き立てパンは数量限定

そのほかに目を引いたのが、「アイスビュッフェ」です。冷凍庫に「クッキー&クリーム」「チョコマーブル」「バニラ」など5種類のアイスがセットされていて、こちらも量り売り形式。値段はサラダバーと同じ1グラム1.4円です。


アイスビュッフェの冷凍ショーケース

東大は男子学生が圧倒的に多いはずなのに想像していたのと違うな……。意外に思っているところに、店長の伊藤隆行さん(東京大学消費生活協同組合・駒場食堂部/駒場リサーチキャンパス食堂・店長)が登場。

「駒場の学食は13年前にリニューアルされましたので、それ以前とはイメージも違うかもしれませんね。現在、駒場の食堂ではパンやアイスも含め、1日に約200品目のメニューを取りそろえて提供しています。これだけの種類を用意している学食は全国にもそれほどないと思います

東大生に人気のメニューを伊藤店長にうかがったところ、真っ先にあげてくれたのが「チキンおろしだれ」(302円)。長年にわたり東大生に食されてきたメニューだそうです。サンプルでみるよりも肉厚なチキンステーキで、そのわりにカロリーは控えめ。おろしだれに酸味がきいていて、ボリュームのわりに食べやすい一品です。


東大生に人気。「チキンおろしだれ」

では、「店長おすすめのメニューは?」と尋ねると、「やっぱりこれですね」と薦められたのが「駒場丼」(500円)。これだけたくさんのメニューがあるのにまさか丼物ですか………と落胆しかけたのですが、「これは学生から新しいどんぶりメニューのレシピを募集し、応募作品の中でもっとも人気があったものなんですよ」(伊藤店長)とのこと。


学生が考案した「駒場丼」

駒場丼は、要はタコライスなのですが、3つの要素で構成されているのだとか。それが駒場キャンパスの自然をイメージしたレタス、1号館のレンガをイメージしたタコミート、そして銀杏の絨毯をイメージしたシュレッドチーズと、東大愛の詰まった一品だというのです。そのキャッチフレーズも「丼の中に駒場キャンパス」。なるほど、店長一押しなのも納得です。
その味はピリッとした辛さとチーズのまろやかさの融合といった感じ。ご飯もたっぷり詰まっていて、かなりのボリューム。

「東大の学生は女子も含めてよく食べるので、これくらいボリュームがあってもいいかなということで商品化しました。味は少しずつ改良していますが、学生さんが考えてくれたメニューですので、駒場キャンパスの定番メニューとして育てていきたいと思っています」(伊藤店長)


サンプルケースの「駒場丼」のPOP

SHOP INFO

【1階 カフェテリア若葉】
平日:7:45 – 20:30 土曜:11:00 – 14:00 日祝日:閉店
※休暇期間中・入試日は短縮営業・休業となる場合あり

 

「ダイニング銀杏」は東大オリジナルの手作りメニュー

ここで2階の「ダイニング銀杏」に移動することに。この店は一汁三菜を基本にしたセットメニューや定食が中心。麺は国産小麦を使用しスープは無化調(化学調味料を使わない)と、健康にも配慮した料理を提供しているとのこと。

おろしチキンカツ定食、ハンバーグ定食などの定食のほか、とろたまサーモン丼、玄米カツ丼などボウルメニューなどもあり、価格帯は1階の「カフェテリア若葉」より若干高めの500円台のものが数多く並びます。


「ダイニング銀杏」は定食などセットメニューが中心

その他に日替わりの13種類の惣菜の中から4品もしくは2品を選び、専用の皿に盛り付けてもらうコンボメニューがあるのもこの店ならでは(コンボ500円、ミニコンボ360円)。


コンボのサンプル

コンボのメニュー表

「こちらは手作りメニューなので、注文してから受け取るまでに時間が数分かかります。そのせいか、時間に余裕がある時に利用する学生も多く、1階に比べて店内は静かで落ち着いた雰囲気です」(伊藤店長)


ダイニング銀杏の店内

 
「ダイニング銀杏」は 朝11時から午後2時までのお昼のみの営業。ただし2時以降は夜8時まで学生に開放されるため、学生ホールのような空間として利用されているそうです。

伊藤店長によるとこのお店の一番人気は「玄米オムライス」(470円)。その味を確かめたかったのですが、残念ながら取材を始めた時は営業時間はすでに終了……。その代わりにと伊藤店長が「女子におすすめ」のメニューということで選んでくれたのが、1階の「カフェテリア若葉」で毎年、冬の時期に販売されている季節限定メニューの「スンドゥブ」(302円)です。


伊藤店長おすすめの季節メニュー「スンドゥブ」

まっ赤な汁の中に浮かぶ豚肉と大きな豆腐、そして半熟たまご。ピリ辛の味付けに半熟たまごがまろやかに調和し、スープに豚肉の味がよく染み込んでいます。なるほどこの季節、体があたたまるこのメニューが人気になるのもわかります。スンドゥブは、毎年11月から12月にかけて(年によっては1月まで)駒場の学食に登場するとのことです。


毎月のようにフェアやイベントを開催

このスンドゥブをはじめ、駒場の学食では季節ごとに特別メニューを用意。全国の地域食材をテーマにしたフェアも行っていて、毎月のように新しいメニューが登場しているとか。

「学食を毎日利用する人も多いので、学生が飽きないよう、新しいメニューを次々に加えています」(伊藤店長)

SHOP INFO

【2階 ダイニング銀杏】
平日:11:00 – 14:00 土曜:閉店 日祝日:閉店
※休暇期間中・入試日は短縮営業・休業となる場合あり

親も安心の「学食パス」

伊藤店長によると駒場の学食の1日の平均利用者数は、1階の「カフェテリア若葉」が約3000人、2階の「ダイニング銀杏」が約1000人、合計で約4000人。これだけの学生に朝、昼、晩とそれぞれのメニューを用意しているそうです。

ご飯や味噌汁を基本に「サバ塩焼き」や「揚げ出し豆腐」などの家庭料理も多数そろえているのは、いわゆる「外食メニュー」に偏らないよう、学生の健康を考えてのこと。そしてこの学食を運営する東大生協駒場食堂部が、店づくりの基本としているのが「食育」です。

「学生が『自分で選ぶ』ということを重視しています。健康や体調管理は自分の責任のもとで行うという発想のもと、何をどれくらい食べるかを自分で調整、管理できるよう工夫しています


プライスカードにはカロリーと栄養素を表示

ショーケースのプライスカードには価格表示とともに食材、カロリー、栄養素が明示されているのも食育の一環だとか。

「レシートにも購入したメニューの履歴とともにそれぞれのカロリーが表示されていますので、自分がいつ何をどれだけ食べたかを確認し、記録として残すことができるようにもなっています」(伊藤店長)

さらに東大生協が力を入れているのが「学食パス」の普及。これは「suica」「PASMO」など、交通系のICカードに、駒場の学食専用の財布機能を持たせるもので、駅の改札の要領で学食でもワンタッチでレジを済ませられるほか、利用日や金額の履歴ほか、メニューや栄養価などの情報をネットで閲覧できるシステムです。

遠い実家から子どもの食生活を見守ることができ、しかも親がチャージすることもできるということで。子どもの食生活が気になる両親の意向で利用者が増えているそうです。

このように東大駒場キャンパスの学食は、東大生の毎日の学生の食を支えるとともに、コミュニケーションの場として、また勉強する空間としても機能している、最先端の学食なのです。


暗くなっても学食には勉強する学生であふれている

※本文中の価格はすべて取材当時(2018年11月)の東大生協組合員価格です。

2018.12.20
取材・撮影・構成/ライター・大島七々三