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三鷹国際学生宿舎(三鷹寮)で生活する学生たちの座談会―特集:東大生の「住まい」を見てみよう!(2)

三鷹国際学生宿舎(三鷹寮)で生活する学生たちの座談会―特集:東大生の「住まい」を見てみよう!(2)

住まい特集2018

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東京大学が1、2年の学部生と外国人留学生のために用意している三鷹国際学生宿舎(通称、三鷹寮)――確かに家賃は安いけど、実際のところ住み心地はどうなのか、寮ならではの面倒なしきたりや厳しい規則はないのか、といったことが気になりますよね。そこで今回は、そんな疑問に答えてもらおうと、三鷹寮で暮らしている学生4人に、その生活ぶりを語ってもらいました。

★この人たちが座談会に参加してくれました。

座談会参加者プロフィール

理科二類1年 下山真怜みさと さん(愛知県出身)
 早朝、誰もいないホールでグランドピアノを弾く時間が至福の時。

文科三類2年(工学部建築学科 内定) 花畑三華 さん(石川県出身)
 本郷キャンパスに通うことが増え通学時間が100分に。自転車が相棒。

文科三類1年 矢口公貴 さん(静岡県出身)
 理転を狙って自室で猛勉強中。最寄駅までの片道2.8㎞を徒歩で通学。

理科二類1年 工藤悠佑 さん(石川県出身)
 周囲にお店が多く生活の便利さを実感。共用棟を上手に活用中。


左から工藤さん、下山さん、花畑さん、矢口さん

 

他では出会えない人との交流が生まれる場所

――三鷹寮への入居を決めた理由は何ですか?

工藤 親に経済的な負担をかけたくなくて家賃の安いところを探してみると、三鷹寮が一番安かったからです。家賃を含めて1月にかかる経費は1万3000円程度。僕は給付型奨学金を受けているので、ここなら親から仕送りをもらわなくてもなんとか暮らせるなと思って決めました。

矢口 僕も東京の大学に行くと決めた時点で、物件を探してみましたが、やはり寮が一番安かったです。

花畑 私も、地元を離れる絶対に国立大学の寮にしようと思っていました。東京に出てくることができたのは、三鷹寮のおかげです。

下山 経済的なこともありますが、私の父が三鷹出身で、幼いころから「子どもの頃は東大の敷地で野球やってたんだ」と自慢するのを聞かされていたんです。この場所のことだったんですよね。そういう親しみもありました。

――入居してみて「想定外」だったことはありますか?

矢口 東京は駅がもっと近いかと思っていたのに、ここは最寄駅まで片道2.8km! その距離を毎日歩いて通ってます。

工藤 僕は逆に、学生寮ってもっと不便な場所にあるに違いないと思っていたので、店がたくさんあるのが意外でした。自転車で行ける範囲にコンビニや大型スーパー、家電量販店、「ドン・キホーテ」などのお店があって、何でも一通り物が揃うので、生活するには便利です。

下山 私はお部屋のユニット・シャワーですね。聞いてはいましたが、あの空間の狭さは想定を超えていました(笑)。

矢口 たしかに湯舟がないというのは衝撃だった。

花畑 それでもみんなは「トイレを洗面台に収納できるタイプ」でしょ? B棟の私の部屋は「収納できないタイプ」で、シャワーを浴びる度に便器もズブ濡れになるので、さらにハードですよ。

――棟によってタイプが違う?

下山 三鷹寮にはA~F棟まであるんですけど、A、B棟だけトイレが固定式なんです。

――なるほど。それは大きな差かも…。花畑さんが意外だったことは?

花畑 寮生どうしのつながりがあることですね。入るまでは正直もっと孤独な生活になると想像していました。でも入寮してすぐのウエルカムパーティーでまず知り合いができ、寮生会(MSC)のメンバーになったことで先輩ともつながりができました。それもめったに出合えないような異色の先輩たちに。

――たとえばどんな先輩と知り合えたのでしょう。

花畑 一人は農学部の先輩で「狩人」になることをめざしている先輩です。3年生になったのでもう三鷹寮にはいないのですが、その人は山で自分で仕留めた鹿やイノシシを調理したり、自給自足の生活をめざして敷地の一角で農業をしたりと、有名な先輩なんです。

私、田舎を離れて畑や田んぼから逃れられると思っていたのに、気づいたら農業を手伝ってました。そんなへんな人とたくさん知り合えるのが楽しいです。


三鷹国際学生宿舎、敷地内のとある一角

 

ふつうのアパートのような自由さ

――三鷹寮のアピールポイントを教えてください。

下山 個室に分かれているので、一人で過ごせる時間や空間があって生活しやすいです。

工藤 確かにここは規則もうるさくないし、寮の活動を強制されることもないです。他の大学の寮に住む友だちからは、先輩後輩の付き合いが面倒といった声を聞くこともありますが、ここではそういうことはまったくないですね。何より門限がないのがいいです。普通のアパートの一人暮らしっぽい感じで、のびのび暮らせています。

矢口 確かに門限がないのはありがたいです。あとは学校で友だちと話していて、互いに三鷹寮だとわかった瞬間、めちゃくちゃ盛り上がりますよ。「え、何棟?」みたいな(笑)それで一気に仲良くなれます。

花畑 私は海外の人と知り合いになれるところがいいと思っています。約3割が留学生なので、共用棟で日本語が聞かれないことも多いです。寮内のパーティーでアフリカ、アジア、ヨーロッパといろんな国の人たちと交流できるのもすごく面白いです。

――三鷹寮の中でお気に入りの場所はありますか。

下山 私はこの共用棟です。グランドピアノがあって、朝誰もいない時間にここで弾いてます。防音設備も整っているので、ショパンのエチュードなど、昔習った曲を弾き直しているんです。

工藤 僕も共用棟が気に入ってますね。冷暖房が整っていて、wi-fi もあるし、ホワイトボードもある。またいろんな人が来て何かしらしているので、適度な騒がしさがあって、自分の部屋より勉強しやすいです。この夏はほとんどの時間をここで過ごしていました。


共用棟の屋内

花畑 共用棟も好きだけど、B棟にあるMSCルーム(東京大学三鷹国際学生宿舎・自治委員会=MSCが定例会などをするために使用している部屋) がお気に入りです。テレビがあるので、みんなでマリオカートをしたりアイスを食べたりと、寮っぽくみんなで騒いだりできる雰囲気が好きです。

矢口 僕はほとんどの時間を自分の部屋で過ごしているので、やはり自分の部屋がお気に入りですね。
 

女子も安心して住める宿舎

――ちなみに三鷹寮で生活をするにあたって「買ってよかったもの」ってありますか?

花畑 自転車です。バス通学の人も多いですけど、自転車があると生活も便利だし、行動範囲も広がります。すっかり私の相棒です。

下山 私は……ゴキブリ殺虫剤の「ブラックキャップ」です(笑)。バルサンとの併用でほぼ完璧です。

矢口 そうそう、この施設は緑に囲まれている分、虫対策が重要なんですよ。

工藤 僕は突っ張り棒とサランラップですね。部屋が狭いので空間をうまく利用したいなと。サランラップは部屋で料理をした時に食器に貼るんです。食べ終わった時、ラップをはがせば皿を洗う手間が省けて便利。食器洗いって面倒なんですよね。

矢口 僕はトイレ用のクロックス(靴)ですね。シャワーを浴びると床が濡れるので必需品です。

――それぞれに生活に工夫があって面白いですね。では最後に東京大学をめざす地方の高校生に一言、お願いします。

下山 女子も安全ですよ、と伝えておきたいです。三鷹寮では女子は専用フロアになっていてオートロックだし、監視カメラもあって、なおかつ警備員さんもいますから安心です。

工藤 家賃が破格に安いことで逆に不安に感じる人もいるかもしれませんが、一人暮らしのような気楽な生活ができますので、安心して利用してください!

矢口 東京といってもここは大都会から離れているので、人混みが苦手という人も楽だと思いますよ。

花畑 なんといっても寮には学生の時にしかありえないような、へんな人との出会いもあります。それはきっとみなさんにとって新鮮だと思うし、貴重な経験になると思います。

――今日はありがとうございました。


自転車は相棒

 

三鷹寮のお部屋拝見

矢口さんがお部屋の中を見せてくれました!

  • 狭いのでなるべく物は少なめにして、大きなものは置かないようにしています。けっこうご飯も自分で作ってますよ。アパート感覚で住めるところが三鷹寮のいいところだと思います。

    一つ難を言えば窓ですね。外側に開く構造になっているので網戸がついていないんです。夏は虫が入ってくるので、エアコンを使いすぎないようにするのが大変でした。


矢口さんの部屋の内部

ミニキッチンもフル活用

 

寮ならではの出会いと楽しい体験が待っています!

PROFILE

三鷹国際学生宿舎・自治委員会 (MSC)委員長
ラーリック寿里晏ジュリアンさん

所属: 理科二類2年(農学部獣医学課程 内定)
出身: 茨城県

月に1回は交流イベントを開催。国際的な交流ができる宿舎

三鷹国際学生宿舎(通称、三鷹寮)には現在、約450人の居住者がいて、そのうち3割は外国人留学生。私たちMSCでは月に1度、映画の上映会やハロウィン、クリスマスといった季節ごとのパーティーなど、居住者どうしの交流イベントを開催しています。

敷地内にはテニスコートやバスケットボールのコートがあり、共用棟にはピアノやギターなどの楽器、ミニビリヤードなどの遊具も置いてあるほか、人気漫画が並んだ和室スペースなどもあって、みんなそれぞれの場所で思い思いに過ごしています。


屋外のバスケットボールコート

三鷹寮は寮とは言っても自治寮ではなく大学が管理している宿舎なので、厳格なルールや規則はありません。

僕自身は大学に入る前から、東大に合格したら三鷹寮に入りたいと思っていました。いろんな人と出会いたかったからですが、実際、国籍を問わずいろんな人たちと出会うことができました。ふつうの一人暮らしより数倍楽しく、充実した学生生活を送れていると感じています。東京大学に合格したら、ぜひ僕たちの仲間になってください。

2018.11.21
取材・撮影・構成/ライター・大島七々三