推薦生×一般生 4年間の東大生活を振り返る(1)

2021.03.08

推薦入試

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推薦生と一般生の座談会

推薦生として過ごした4年間・推薦生と過ごした4年間

東大が推薦入試※を開始してから早や5年。「キミの東大」では推薦入試で合格した1年生のインタビューをお届けしてきましたが、「入学してから卒業まで、推薦生ってどう過ごすの?」という素朴な疑問には、意外にもお答えできていませんでした。
今回、推薦生自身の発案を受け、推薦生による座談会が実現しました。2017年度入学の「推薦2期生」たちが、卒業を目前に控えた今、推薦生として過ごした4年間を振り返ります。座談会には、一般入試で合格した同期入学の学生(一般生)1名も参加。お互いの4年間を対比しながら、推薦生として/推薦生と過ごした4年間について、思うところを存分に語ってくれました。推薦入試の受験を考えている皆さんはもちろん、東大を目指す高校生・受験生全員、必見です!
※現在、東大の推薦入試は「学校推薦型選抜」という名称に変更されていますが、この座談会では、参加者の受験当時の名称を採用して「推薦入試」という表記で統一します。

PROFILE

長原颯大さん この座談会の発案者で、司会進行役。福岡県出身。2017年度推薦入試で工学部に合格。現在は工学部マテリアル工学科に所属し、シミュレーションを通じた高分子物理学の理論研究を行っている。
原文聖さん 東京都出身。2017年度推薦入試で法学部に合格。法学部では、政治と司法の関係について探究中。
荒川光さん 広島県出身。2017年度一般入試で文科三類に合格。教育学部総合教育科学科比較教育社会学コースに進学し、推薦入試制度をテーマに卒業論文の執筆にいそしむ。

絶対聞かれる「なぜ推薦入試を受けたの?」

  • 推薦生と一般生の座談会
    長原 僕は推薦生として高校生の相談に乗る機会も多かったんだけど、入試のことだけじゃなくて、「入学後にどんな学生生活が待っているのか」という主旨の質問を受けることも多くて。それで今回の座談会を企画しました。一緒に話してくれそうなメンバーを考えたときに、まず思い浮かんだのが原さんでした(笑)。
  • 推薦生と一般生の座談会
     長原さんとは、合格後に「推薦生のつどい」(詳細は第3回)で出会ってからもう4年の付き合いになるよね。これまで文理の垣根を超えて色々なことを話してきたから、一緒に推薦生としての生活を振り返るのは楽しみです。

長原 そして、推薦入試の研究をしている荒川さんにも参加してもらいます。

  • 推薦生と一般生の座談会
    荒川 僕は一般入試で合格したんだけど、元々教育制度に興味があって、東大の推薦入試制度をテーマに卒業論文を書いてます。長原さんに論文執筆のためのインタビューに協力してもらったのがきっかけで、この座談会にも参加することになりました。

長原 ということで、今日はよろしくお願いします。僕の手元には、僕と打ち合わせした内容を元に「キミの東大」のスタッフの方が作ってくれた「進行表」があって、推薦生に聞きたい素朴な質問がたくさん書いてあります。これをベースに話を進めていきますね。

推薦生と一般生の座談会

推薦入試について話をしてくれた、長原さん(上)・原さん(左下)・荒川さん(右下)。オンラインミーティングであることを感じさせない話の盛り上がりだった。

長原 まず最初の質問が「何で推薦入試を受けたの?」ですね。入学後のことを話すっていう座談会の主旨から早速少し外れちゃうけど、大事なことだと思うのでここから始めたいと思います。

 東大が推薦入試を始めることが決まったのは僕たちが高校1年生の時だったと思うけど、その時は自分には関係ないと思ってた。募集要項を見たけど、何だかすごそうな条件が書いてあって、自分には無理だと(笑)。でも、部活の顧問の先生から「受けてみないか」って勧めてもらって。元々東大志望だったし、高校が推薦を出してくれるんだったらチャレンジしてみようって思って。

長原 僕は推薦入試の創設が決まった当時、学校の先生から「推薦で東大に行くのはどう?」って勧められたんだよね。それでも最初は、「そんなバカな、行けるわけないじゃん」って決めてかかってたな。ものすごく優秀な人が受けるものだと思ってたから。それでもチャレンジすることに決めたきっかけは、高校の化学部で思いがけず全国大会に行けたこと。僕も元々東大志望だったし、正直、模試の成績が振るわなかったのもあって(笑)、思い切って受験してみた感じかな。
逆に荒川さんは、推薦を受けようとは思わなかった?

荒川 そもそも、僕は東大に推薦入試ができたって高3まで知らなかった。それも、「推薦入試っていうのがあるらしいぞ」っていう程度の知識。

長原 やっぱり学校が積極的に勧めてくれたりしないと、推薦入試の情報は入りにくいよね。

荒川 そうだね。でも、推薦入試のことを知った後も、全く自分が受験したいとは思わなかったな。「どんな人が受験するんだ?正体不明の制度だね」ってクラスメイトと話してて。

一同 (笑)

長原 僕たちが受験生の時はまだ東大の推薦入試が浸透してなかったから、なおさら「正体不明」だっただろうね。

合格したら有名人?でも肩身が狭い?合格から入学までのエピソード

 それに当時はまだ、「東大が推薦入試をやるのはどうなの?」っていう世間的な風当たりの強さもあった気がする。募集要項を見れば東大がどういう動機で推薦入試をしようとしたのかは理解できるんだけど、それが受験する人以外には伝わってなかったというか。受験生ながら、少し肩身が狭いような感覚だったかも。

荒川 そういえば、僕のコースの後輩に推薦生がいるんだけど、その子は「一般入試を受けるクラスメイトの中で肩身が狭いから、合格が決まった後も勉強してた」って言ってたような・・・

長原 その後輩は推薦生の鑑だね。僕はそんなに真面目ではなかった(笑)。でもたしかに、推薦入試は一般入試より3週間早く合格が決まるから、友達に「推薦で受かった」とは言いづらかったな。

 僕も自分から友達にはほとんど言えなかったけど、高校の先生が「原くんが受かった」って色んな人に報告してくれて、結局すぐにバレたな(笑)。

長原 僕も、いつの間にか学校全体に合格が知れ渡っていました。ほとんど話したことのなかった中学校の同級生にも街で声をかけられたりして、いつの間にかちょっとした有名人になってた。

 まだ東大で推薦入試が始まったばかりで珍しかったから、合格すると大きく取り上げられたんだろうな。

推薦生と一般生の座談会

「推薦入試についてもっと知ってもらいたい」と、入学間もない頃から東大の推薦入試を高校生・受験生に伝える活動をしていた長原さん(写真提供:長原颯大)

長原 そういえば、進行表には「合格してから入学までどうやって過ごした?」っていう質問があるんだけど、原さんはどうやって過ごしたの?

 旅行に行ったり、のんびりしてたかな。大学から課題が出たりとかは一切なかったから、高校生活の最後を有意義に過ごせたと思う。これは東大の推薦入試の魅力の1つかもしれない。

長原 同感です。僕の高校は3月に文化祭があるんだけど、合格が早く決まったから、そこに3年生として唯一参加できたのが楽しかった。化学部の展示を考えたりして。
それから、僕は地元の福岡から東京に引っ越すための準備に時間を使えたのも助かったな。

荒川 僕は一般入試の合格発表を見たその日に上京して、急いで住む家を決めたな。母親に急きょ仕事を休んでついてきてもらって。結局、合格が決まってから引っ越しまで2週間もなくてずっとバタバタしてたから、ゆっくり入学準備ができるのはうらやましい・・・。

なんと、入学前のエピソードで最初の1回が終わってしまうというまさかの展開に!次回はいよいよ大学入学後の学びや生活について語ってもらいます。

参考リンク
東京大学公式Webサイト:学校推薦型選抜(旧推薦入試)

2021.3.8
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム