ちょっとひといき ちょっとひととき(13)-この春のわたしの新たな出会い

2025.06.02

東大生コラム

テーマを絞って発信する東大生のコラム企画

第13回目のテーマは「この春のわたしの新たな出会い」。新年度を迎えて、東大内外問わず、この春東大生が初めて出会った人、物事、初めて訪れた場所や、新しく始めたことなどなど……。受験勉強の合間にちょっとひといきつきませんか?

ワクワクはいつまでも

法学部3年 りくもん

この春から3年生、キャンパスが変わり、本格的に法学部生としての日々が始まりました。これまでの「やりたいことは何でもできる」生活とは打って変わって、自分の将来を鑑み「やるべきこと・やらなくていいことを線引きする」必要がでてきました。
それでもワクワクは止まりません。
春はやはり出会いの季節、それはいつになっても変わらない真実なのでしょう。
学部での日々は、新たな発見や出会いの連続です。
初めてかかわる同期・先輩方も多く、学部内のつながりの中で様々な経験をさせてもらい、演習授業にはいつまでも議論しあえる仲間がいて、「砂漠」と言われがちな法学部ではあるものの出会いは多いです(笑)。
また、教養学部で広く浅く触れた学問を、学部では深く学べることが面白く、履修のキャップ数以上に講義の聴講を楽しんでいます。
さらに、「本郷」という街も新たな発見が多く、付近のカフェを開拓したり、そもそもキャンパス内が広すぎるので、散策を楽しんだりしています。
今後も発見と出会いに期待して大学生活を過ごしていきたいです!

法学部の大教室。朝早すぎて誰もいませんでした(笑)

 

顔ぶれはいかに

人文社会系研究科 Sophie

研究室に所属して4年目にもなると、授業に出ても懇親会に行っても、だんだん周りが見知った顔ばかりになっていく。新しい場所で新しい人々に囲まれて話をするのがそんなに得意でない種類の人間としては、これはこれでほっとする。とはいえあまりに安心しきっていると、いつか自分という存在がほどけていってしまいそうだ。
そんな研究室にピリッと新風が吹き込まれる(かもしれない)年に一度の機会が、年度初め。「(かもしれない)」というのは、同じ研究室の学部から進学してきた顔見知りばかりで新入生が構成されていることもあるという意味だ。もちろんそれはそれで、大変喜ばしい。4月3日、そわそわと向かう先は新年度ガイダンス。今年の運命やいかに。
着いてびっくり、はじめまして率は予想をはるかに上回っていた。これはピリッと新風が、どころではない。ピリッピリッと、もしくはぶおおおおっと、そんな風が吹き込んできた。新歓で一緒に中華料理を囲み、映画なんかの話をして、彼らとも少しなかよくなり、いまに至る。ようやくまた少し、ほっとしてきた。


夕焼けの空、筋状になった雲の、こういうぶおおおおっとを感じた。

 

中国茶とともに広がる風景

文学部4年 こなゆき

古くて新しい趣味、それは中国茶の愉しみ方である。かつて士大夫たちにとって、茶は単なる飲み物ではなく、心を整え、思索を深め、人と人との関係を育むための媒介であった。現代に生きる私たちにとっても、その精神はなお新鮮に感じられる。春休みや連休明けには、旅行先や帰省先の中国茶やお菓子が、中国思想文化学研究室の大テーブルに所狭しと並べられる。京都、上海、嘉義、ソウルと知名度の高い都市から初めて目にする地名まで、銘菓を眺めながら、自然と会話が生まれる。食とは不思議なもので、実際に訪れたことのない場所にも、香りや味を通して旅をした気分になれる。その日の天気や参加者の気分、お菓子に合わせて中国茶を選ぶ時間には、穏やかな空気が流れる。発表やアルバイトに追われる慌ただしい日々のなかで、茶を囲んだ小さな語らいが、心をふっと和ませてくれることもある。授業では顔を合わせたことのない先輩や卒業生、他大学の聴講生とも、茶を手にすれば思わぬ共通点から話が弾む。そこはすでに、人の縁を結び、知恵を分かち合う「場」となっている。湯気の立ち上る茶杯の向こうには、思いがけない出会いや、新たな学びが私たちを静かに待っている。

中国茶と和三盆

 

サークルの新歓を通じて

文科一類2年 Right

「この春のわたしの新たな出会い」がテーマということで、新歓イベントの計画を通じて自分の新たな一面と出会った経験について書きたいと思います。
僕が所属するサークルは主に1年生と2年生から成り立っています。そのため、2年生となった僕らが、新歓イベントを計画、実行します。今年はBBQをやることとなり、BBQ場の選定と予約を僕が担当することになりました。
新歓には30人程度が参加することが見込まれていましたが、こんな大人数でBBQをやった経験もなければ、その幹事役をやった経験もありませんでしたので、試行錯誤の連続でした。手伝ってくれた同期には感謝しかありません。
今まで、大人数のイベントは好みではなかったし、幹事役なんて大変そうなことは絶対にやりたくないと思っていたのですが、BBQ中のみんなの笑顔を見たり、終了後に感じた達成感から、そのような認識は一変し、新たな自分の一面と出会いました。
未経験で大変そうなことにも、新たな自分と出会うことができるなら、積極的に取り組んでいこうと思いました。

お肉を焼くシーン

 

和食の魅力に出会う

総合文化研究科 ゆ

この春、わたしは健康診断で高血圧を指摘されました。正直に言うと、身に覚えがありまくり。昨年度、卒論を言い訳にして、お菓子を食事代わりにたくさん食べたからだと思います。1年間で10kg近く太ったので、薄い夏物を着ると殊更体型の変化が目立ちます。そろそろ食事・運動に気をつけるべきかもしれません。最近、食事の塩分や摂取カロリーに気をつけるようになりました。
私が最近好んで食べるようになったのは和食です。数年前の自分では考えられないことですが、当初は薄味に感じていた食事も食べ続けるうちに美味しく感じられるようになりました。何より、朝の目覚めがすっきりし、研究の効率も上がった気がしています。
中高生の皆さん、とりわけ受験を控えた3年生の皆さんも、食事や睡眠にいつもほど余裕を割けなくなっているかもしれません。しかし、大学に入ると健康増進も自分の裁量になってしまいます。わたしのように健康診断に引っかかる前に、健康的な食事を意識してみてください!お互いに頑張りましょう!

駒場キャンパス近くの和カフェにて。ヘルシーな食事ができるので気に入っています。

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