「この春のわたしの新たな出会い」―ちょっとひといき ちょっとひととき(13)
東大生コラム
2025.06.02
2025.10.01

テーマを絞って発信する東大生のコラム企画
第14回目のテーマは「わたしのヒミツの方法、ここだけで教えます!」。日々生活している中で、東大生はどんなこだわりをもっているのか気になりませんか?東大生の大切にしている習慣、マイルール、ジンクスなど、ここだけで紹介いたします!
試験の前に「願字玉」を握りしめる――これは、私が10年間続けている、まだ誰にも話したことのないルーティンだ。「願字玉(がんじだま)」とは、漢字をかたどった丸みのある木工品で、職人による手作りのため、同じ漢字でも形や木目、触り心地などが少しずつ異なる。
小学4年生の誕生日に偶然立ち寄った、期間限定で出店されていた日本の匠の技を紹介する販売店で出会った。自分の名前の一字である「萌」の願字玉は3種類置かれていた。木目のバランス、色合い、触った時の丸みの具合、文字から受けた印象。一点一点じっくりと吟味し何度も触り心地を確かめ、少し明るい色合いで力強さよりも優しい文字遣いの願字玉を選んだ。
それ以来10年間常に持ち歩き、受験本番はもちろん、中高時代の定期考査や模試、大学の試験でも、資料を片づける直前の一瞬だけ握っている。木の温もりに加え、何度も握るうちに手に馴染み、次第に自分を落ち着かせてくれる存在になった。みなさんも自分を支えてくれる「少し特別感を味わえる習慣」を見つけてみませんか。
勉強に研究に仕事に娯楽に液晶画面を見続ける現代人の宿痾(しゅくあ)、それは頭痛と肩こりである。ひどい肩こりは痛いどころか息苦しく、食事も睡眠もままならない。私もまた日々頭痛と肩こりに苛まれている一人である。そんな私の秘密の癒しこそ、駒場保健センター2階のヘルスケアルーム。ここではプロによる全身あん摩マッサージが提供されている。慣れない一人暮らしで誰にも頼れず、軋む身体を抱えてヘルスケアルームの扉を叩いたあの日、あん摩師さんが筋肉という筋肉をほぐしてくれて以来、私はヘルスケアルームのファンである。 価格はなんと40分1000円!世間の相場は北里柴三郎3〜4人、もしくは津田梅子の登場すら珍しくないというのに、なんという高サービス低価格。ヘルスケアルームのおかげで私の体と財布のダメージは、何度軽減されただろうか。最近はこの素晴らしい存在が周知されたのか、予約が取りにくくなってしまったが、「神様 仏様 ヘルスケアルーム様」と崇める存在であることには変わりない。頭痛肩こりにお悩みの方、入学後はヘルスケアルーム、おすすめです。
私のヒミツの方法は、ズバリ「イメトレ」です。たとえば、何か目標を立てて頑張るときに、目標を実現させた瞬間や、そのときの幸せな自分をイメージするようにしています。受験期もこの方法をとっていました。「合格発表の画面をスクロールして、自分の番号があるのを見つけた瞬間、驚きで声も出なくなる!」という場面を詳細に脳内でイメージし、何度も繰り返していました。目標までの過程にはもちろん困難も多々ありますが、私はこのイメトレで、精神面でなんとか乗り越えていたように思います。
また、そのうれしいことが周りのみんなを喜ばせるとしら、もっと素晴らしいことだと思いませんか?受験の場合は、喜ぶ自分同様、「おめでとう!」と言って喜んでくれる友人や家族の笑顔も常に脳内で想像していました。それが実現したとき、特にいつもクールな先生が顔をくしゃくしゃにして喜ぶ顔を見たときは、本当に頑張ってよかったなと思いました。想像するなら無料なので、みなさんもぜひやってみてください!意外とその「夢」は「リアル」になるものです。

私は地方出身で、大学進学を機に一人暮らしを始めました。一人での生活は、自由に時間を過ごすことができます。夜更かししても、お菓子をたくさん食べても怒られることはありません。しかし、自由に過ごすには努力も必要です。料理や掃除、洗濯など、やらなければいけないこともたくさんあります。4年生になった今はある程度こなせるようになったものの、疲れた日にはいまだに投げ出したくなります(笑)。
家事以外にも少し大変なことがあります。大学生になるまでずっと家族と過ごしてきた私にとって、毎日一人で生活しているとどうしても寂しくなるときがあるので、そんなときは実家に帰るようにしています。やはり、家族というのは特別なものです。一緒にご飯を食べ、大学での出来事を話したり、少し遠くまでドライブに行ったりすると、「また東京で頑張ろう」と思えます。
上京して改めて家族や地元の温かさやありがたさに気づくことができました。4年間支えてくれて感謝の気持ちでいっぱいです。大学生活もあと半年。残りの東京ライフも楽しみつつ、これから恩返しができるように頑張りたいと思います。
私がいつもどこに行くときも持ち歩いているヒミツのアイテムは、ズバリ「S字フック」です!私は大学生になってからというもの百均のS字フックを愛用しており、いつもカバンの中に忍ばせています。「なんでS字フック(笑)?」と思った方もいるかもしれませんが、じつは、これが日常生活のいろいろな場面でとても役に立ちます。例えば、レストランに入ったら手提げなどの荷物置き場がない場合、S字フックをテーブルに引っ掛ければ簡易荷物掛けとして使うことができます。また、雨の日に折りたたみ傘が邪魔な場合、カバンやポケットなどにS字フックを引っ掛けるだけで、折りたたみ傘掛けの代わりになります。そのほかにもゴミ袋ホルダーとして使ったり、ズボンのポケットに引っ掛けて荷物運びに使ったりと工夫次第でさまざまな用途に使うことができます。軽くてコンパクトなS字フックを一つ持ち歩くだけで日常生活がちょっと便利に!これを読んだあなたも、すぐにS字フックをカバンの中に忍ばせ(笑)、ちょっとだけ暮らしを広げてみませんか?

大学生活は「人生の夏休み」と言われることもありますが、これは「暇」ということではなく、「自分のやりたいことに自由に時間を使える」という意味。この「人生の夏休み」を満喫するために、私は多くのやりたいことをすべて両立させるべく、「やること&連絡の管理」を徹底しています!そこで、私のヒミツの方法について少しお話します。
ひとつは、メモをすること。紙の手帳とスマホのメモ機能を愛用しています。大半は手帳で、手書きの方が頭に残るのと、何よりも好きなデザインの手帳を選ぶのが楽しいからです(笑)。スマホはすぐに取り出せるメリットがあるので、電車の中でも寝る直前でも、何か思いついたらすぐ書くようにしています。
もうひとつは、メッセージアプリの優先順位をつけること。挑戦を増やすとそれに比例するかのように増えるスマホの通知…。ですが、その中でも「よく使うアプリ」、「よく連絡を取る人」はきっと限定的なはず。その連絡はなるべくすぐ見る、それ以外は「できるときに対応しよう!」くらいの気軽さで私は過ごしています(笑)。
新たな挑戦には、多少の負担や疲れはつきもの。それでも、やりたいことを全部楽しむために、まずは「やりたいこと」に向き合う時間の作り方を工夫をしてみることをおすすめします!
子どもは高いところに登るのが好きと言われます。思い返せば小さい頃の自分も、最近はあまり見なくなったジャングルジムや、公園内の丘に登っていました。その理由はわかりませんが、屋上に行くのが好きな今の自分には、ちょっとした理由があります。
柏キャンパスにある大気海洋研究所(大海研)で研究活動をしている大学院生の私にとって、ちょっとした一息の時間は、大海研の屋上でのチルタイムです。普段はデスクを前にパソコン作業をすることが多いので、目標を忘れかけたり、どうしても気が滅入ったりしがちです。長時間座っていると体もキツくなってきます。そんなとき、運動も兼ねて階段で大海研の屋上まで行くと、東京都心から山々などの自然までが一望できます。深呼吸をしながらそれらの景色を眺めていると、自分の研究が人間活動と自然を結ぶ架け橋になること、地道な作業も社会や世界中にだってつながるきっかけになり得ることが思い出せます。屋上から自分を俯瞰し、鼓舞することができるという点で、今の私は高いところに登るのが好きです。