ちょっとしたきっかけから東大を目指すことに。勉強だけではない大学生活を楽しむ―未来の東大女子へVol.5 学生インタビュー
未来の東大女子へ 2022.09.30
2022.08.31
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東大の女子学生は、どのような高校生活を送っていたのでしょうか。また、東大ではどんな大学生活を過ごしているのでしょうか。
東大を目指している受験生はもちろん、とくに未来の東大女子のみなさんに、現役の東大女子からのメッセージをお届けいたします。
PROFILE
――高校生活を振り返ると、どのようなことが思い出に残っていますか。
高校のときは、受験だけでなく、いろいろな活動をしていました。部活は、高校2年までオーケストラ部で活動し、高校2年の9月からは約1年間、アメリカ・ミシガン州の公立高校に留学をしました。日本の高校は休学して、単位のことも気にせず、アメリカで充実した高校生活を過ごすことができました。帰国後の高校3年のときには、9月の学園祭に注力しました。私の高校では全クラスが学園祭で演劇をするのですが、脚本を考えたり、演出をしたり、クラスのみんなで気合を入れて取り組みました。
――充実した高校生活を送っていたのですね。では、いつごろから受験勉強を始めたのでしょうか。
受験勉強に本腰を入れ始めたのは、高校3年生になってからかなと思います。高校の自習室が夜7時まで使えたので、授業が終わったあと自習室が閉まるまで学校で勉強をしていました。とくに高校3年生のときは、大学受験のための勉強と、学園祭などの活動を両立するために、めりはりをつけることをとても意識していました。
――高校生のときに、大学で学びたいことは決まっていたのでしょうか。
はい。大学では「農業経済を学びたい」と思っていました。私は東京都出身ということもあって、都内の大学に行きたいと思っていたのですが、農学部がある大学はそれほど多くなくて、農学部のある大学のなかでも農業経済が学べる東大を志望するようになりました。
――なぜ「大学で農業経済を学びたい」と思ったのですか。
高校2年のときのアメリカ留学がきっかけです。留学先の高校のスクールカフェテリアには、大きなごみ箱がドン、ドンとたくさん置かれていて、全校生徒がランチを食べた後、その大きなごみ箱が食べ残しでいっぱいになっているのを目の当たりにして、非常に衝撃を受けました。私は留学するまで、日本の「もったいない」文化を当たり前と思っていたので、食べ物を残すことに強い抵抗感があったのです。そこから食品ロスに関心を持つようになり、大学では食料問題に取り組むために、「農学部で農業経済を学びたい」と考えるようになりました。
――大学では、東京大学ならではの教育プログラムにも参加されていたんですね。
はい。例えば、「トライリンガル・プログラム」(TLP)という日本語、英語に加えて、もう一つの外国語の運用能力を鍛える教育プログラムに参加して、中国語を履修しました。中国語学習の一環として台湾研修や南京研修にも行きました。プログラムが全て英語で行われる「グローバルリーダー育成プログラム」(GLP-GEfIL)にも参加しました。
そのほかに、農学部内外の学生を対象とした「One Earth Guardians育成プログラム」にも第3期生として参加しています。これは、農学部をはじめ地球環境に関心のある、いろいろな学部・学科の方が集まって、専門を越えて100年後の地球について考えるというとても革新的なプログラムです。東大はこのように教育プログラムが充実していて、とても恵まれた環境だと感じています。
――大学以外でもなにか活動をしていますか。
大学に入る直前くらいから、地元の子ども食堂(現 フードパントリー)でボランティアをしています。細く長く関わる中で、日本の食の実態について、その一面が見えてきているような気がします。卒論でも、このフードパントリーについて書きました。
――大学生活のなかで、女子学生が少ないと感じることはありますか。
私のクラスは38人中8名が女子で、理系としては結構多いほうだったと思います。女子の人数は限られていましたが、逆に女子同士は仲良くなりやすかったですし、良いクラスメートに恵まれてラッキーでした。
また、男女比が1対1ぐらいの学生コミュニティーにも入っていたため、男女比の偏りを実感する機会は比較的少なかったかもしれません。高校は共学だったため、それと比べれば当然少ないですが、ほかの理系クラスと比較して「女子が多いんだな」と思った記憶があります。
――では、女子学生の少なさに違和感や問題はあまり感じませんでしたか?
大学生活のなかではそれほど感じてはいません。しかし、『biscUiT』という冊子で東大女子比率について特集していたのを読んで、やっぱり多様性という点からみると、女子比率が少ないこと自体が多様性の喪失につながり、学生の学ぶ環境としても最適な状態ではないんじゃないかという指摘はもっともだと思いました。
社会全般で見ると、男女は1対1のはずなのに、それが大学や企業(特に管理職の男女比率)で大きく偏っているというのはいびつな状態だと思うので、解消されることが望ましいと思っています。
――高校生のときの活動や経験は、大学での活動にもつながっていると思いますか。
はい、そう思います。高校でも、大学に入ってからも、これまでいろいろと経験してきたことが、いまの活動につながることが本当に多いと思っています。人とのご縁もつながっています。
――大学に入ってから、将来のビジョンは変わったと思われますか。
高校生のときに考えていた「食料問題に取り組みたい」という大きなビジョンはほとんど変わっていません。
ただ、大学に入ってから新しく始めたこともたくさんあって、東京大学での経験を通して、私の活動も視野もさらに広がっていると感じています。
――高校生のときの経験や関心を大切にしながら、大学でさらに深化、発展させているのですね。高校生・受験生へのメッセージありがとうございました!
農学部内外から様々な専門・学年の学生が集まるOne Earth Guardians育成プログラム(OEGs)。
「地球は2つない」をキーワードに、100年後の地球を守るために私たちに何ができるのか、学術的なアプローチだけでなく現場での活動や企業・組織との連携に基づいて考えています。
鋭い問題意識と高い専門性を持った学生たち、先生方、先達が揃い、より良い方向へと社会を動かすことを目指しています。アプローチは違えど、同じ方向に向かって一緒に切磋琢磨できる仲間がいる、とても居心地の良いコミュニティです。
【参考リンク】
One Earth Guardians育成プログラム