自分の興味を広げてくれる仲間と出会う。工学部女子からのメッセージ―未来の東大女子へVol.3 学生インタビュー

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東大の女子学生は、どのような高校生活を送っていたのでしょうか。また、東大ではどんな大学生活を過ごしているのでしょうか。
東大を目指している受験生はもちろん、とくに未来の東大女子のみなさんに、現役の東大女子からのメッセージをお届けいたします。

PROFILE

  • 大久保直美さん
  • 所属:  工学部 航空宇宙工学科3年
  • 出身校: 南山高等学校・中学校女子部(愛知県)

研究活動に打ち込んだ高校生活

――高校生活では、どのようなことが思い出に残っていますか。
高校2年ぐらいまでは、いろいろな研究活動に力を入れていたことが一番の思い出です。私の高校は中高一貫校の女子部だったんですけど、女子の友達とさまざまな研究を進めることができて、とても楽しかったという記憶があります。

――具体的にはどのような研究をされたのでしょうか。
私の高校はGLOBE Programという国際的な環境教育のプログラムに参加していたこともあり、大気汚染物質のNOx(窒素酸化物)やNO2(二酸化窒素)の大気濃度を調べるという研究をしていました。
また、愛知県犬山市にある日本モンキーセンターでは、ボリビアリスザルという南米の小さいサルを対象として、霊長類の研究をしました。そのサルは群れの中で赤ん坊が生まれると、母親以外の若いサルが子供を抱っこして、子守をするような行動を取るんですが、子供が同時期に2匹生まれた場合、その子供と血縁が近いサルが子守(infant handling)をするという結論を出しました。

――高校生のときからいろいろな研究に取り組んでいらっしゃったのですね。高校では、理系に進む女子は多かったのでしょうか。
高校3年のときに文理が分かれるのですが、理系に進む女子は6割くらいとわりと多かったです。医学部志望者も少なくなかったですし、女子が理系に進むのは当たり前という環境にいました。

オープンキャンパスで東大のイメージをつかみ、さらに調べる

――高校生のときに、東大のキャンパスに足を運ぶ機会はありましたか。
高校1年のときに、東京観光とあわせて東大のオープンキャンパスに来て、初めて本郷キャンパスに足を踏み入れました。
オープンキャンパスでは、模擬授業に参加したり、いろいろな理系学部の研究室を見学したり、また大学の先生の話を聴いたりすることで、「東京大学ってこういうところなのか」とイメージをつかむことができました。本郷キャンパスを散策してみると、煉瓦造りの歴史ある感じの建物が多くて、とてもいい雰囲気だなと思いました。

――オープンキャンパスに参加する前から、東大を志望されていたのでしょうか。
東大を目指してはいたんですけど、大学や研究についてはっきりとしたイメージをもっていたわけではなかったので、オープンキャンパスに参加して、東大の研究室やキャンパスの雰囲気を実際に知ることができて良かったと思います。
そのあとも大学についていろいろと調べる中で、東大は研究力があって、研究しやすい環境が整っていることもわかりました。私は高校生のときに少し研究に取り組んでいた経験から、研究費は大事だと思っていたのですが、研究環境という観点からもやはり東大に進みたいと思うようになりました。

大学生活 ―ものづくりの面白さ、好きなことを共有して深める

――最近経験した工学部での活動について教えていただけますか。
この春休みには、マイコンで回路を組んだり、プログラミングでセンサーを制御したりして、自律ロボットを制作するという活動に参加しました。これは航空宇宙工学科に進む学生向けの研修なんですが、決められた予算内で制作できれば、何を作るのかも自分たちで決めてよくて、「すごく工学部らしいことをやっている」と感じてとても楽しかったです。


6人1グループで、ミッションをコンプリート!

自律ロボットの基盤類の写真

――これからはどのようなことを学ばれるのでしょうか。
空気力学や宇宙軌道について学びますし、航空機の仕組みや制御についての授業もあります。工学部なので、製図の授業があるのは特徴的だと思います。

――東大の工学部に入って、良かったと思うことはありますか。
大学の友達はみんな好奇心が強くて知識も豊富なので、私が知らない話をいろいろと教えてくれるし、私の話もみんな興味をもって聞いてくれて、会話が広がるのがいいですね。同じ専攻の友達とも、例えば、対面授業の前後に「さっきの授業の話」で話が弾みますし、私は歴史が好きなんですけど、理系でも歴史好きな子はいるので、一緒に盛り上がれる話題もたくさんあります。
自分の考えていることをどんどん話してもいいし、ほかの人もどんどん知ってることを話してくれるのは、とても楽しいですね。


工学部らしさのひとつである製図。JIS規格でのボルトの書き方を学びます

理系女子と理系男子 -ひとつのコミュニティをつくる

――理系は女子学生が少ないと聞きますが、クラスの様子を教えていただけますか。
私のクラスでは、32人のうち女子は4人でした。女子の数は多くはなかったんですが、新型コロナウイルス禍の影響でクラスの人たちと直接会うことがなくなったこともあって、女子が少ないと感じることはあまりありませんでした。

――では、女子が少ないことで困ったことはありましたか。
女子がもっといたほうが、仲の良い同性の友達ができやすいんだろうとは思いますけど、今のところ困ったと感じることはないですね。
工学部では、女子だけで固まっているということもあまりないように思います。もし、男子と女子でコミュニティが分かれてしまうと、人数が少ない女子コミュニティが成立しにくいので、「男女関係なくひとつのコミュニティができる」のではないかと思っています。




テニスサークルにも所属(駒場キャンパスのテニスコートにて)

東大を目指す女子高校生へ、東大を目指していない女子高校生へ

――東大を目指す女子高校生、また、今は東大を目指してない女子高校生に伝えたいことはありますか。
東大を目指している方に伝えたいことは、東大では、とても楽しく充実した日々を過ごせるので、受験勉強が大変だとは思いますが、ぜひ頑張ってほしいです
東大を目指していない女子高校生のみなさんには、それぞれに志望する大学や進路があるとは思いますが、私の経験から、東大の工学部に入っても女子学生だからと言って、特に困ることはないと思うので、良かったら東大を候補の一つとして考えてもらえるとうれしいです。

――高校生・受験生へのメッセージ、ありがとうございました!

 
 東大女子が紹介! 東大の好きな場所・コト
大久保さんの好きな場所:安田講堂前のイチョウ並木

東大正門から安田講堂まで続いているイチョウ並木は、秋になると道も黄色に染まってとてもきれいです。並木の周りの法文1号館、2号館も煉瓦の素敵な建物で、通るたびに写真を撮りたくなる場所です。


秋のイチョウ並木
 
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム