「学業も極め、思い描くアカデミックとアートの交わりに心を向ける」薬学部・学生インタビュー

2026.02.25

STUDENT VOICE

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東大生はどのような学生生活を送っているのでしょうか?STUDENT VOICEでは、学生同士のインタビューをとおして、大学での学びだけでなく、課外活動にも積極的に取り組む学生たちの姿を紹介します!


  • 氏名: 伊藤澄香
    所属: 薬学部
    入学: 2024年度
    出身校:愛知県立岡崎高等学校

「アカデミックとアートがどこかで交わったら良いなと思う」
いわゆる東大生としての「学業」に加えて、ヴァイオリニストとしての一面も持つ伊藤さんはそう語ります。伊藤さんは、音楽関係者であるお母さんの影響で4歳からピアノ、5歳からヴァイオリンを始めたそうです。小学6年生の時に出ようと思ったコンクールで、手が小さくてピアノの課題曲を弾くことができなかったため、ヴァイオリンで出場し、地区大会では入賞できましたが、全国大会には進めませんでした。これがきっかけで、その後もヴァイオリンをメインで音楽活動を続けることになったと言います。その後も高校生の時に出場したコンクールで聴衆賞を受賞するなど、ヴァイオリンの実力は折り紙付きです。これほどヴァイオリニストとしてさまざまな活躍をされていながら、「音楽だけではなく、学業にも励みたかった」という伊藤さんは、両方を極めている人たちの存在を知り、東大に進学することを決めたそうです。

東大に入学してからは、藝大生とユニットを組んで演奏会もされています。東京大学の駒場キャンパスで演奏したり、教会でクリスマスコンサートを行ったりと、活躍は多岐にわたります。また、中高生の頃からアウトリーチとして出身地域にある福祉団体で演奏する活動も行っているとのことです。

「もやもやを積み重ねて何かを生み出そうとしている」そう言って教えてくれたのは、青少年高野山会議の活動でした。伊藤さんのヴァイオリンの先生が関わっているプログラムの一つで、科学・芸術・宗教の相互作用を刺激する場が設けられているそうです。伊藤さん曰く、現在はまだプログラムが始まったばかりで、勉強会に近い形で講演を聞いたり、それを受けて受講生同士で対話したりという活動が多いそうですが、将来的には細かく分割された現在の学術分野を越境した分野融合型のプロジェクトを行うことを目標にしているようです。実際に伊藤さんが参加したものには、高校生から社会人まで、さまざまなバックグラウンドを持つ参加者が、ヴァイオリンのレッスンの様子を生で見て、全く知らない用語が飛び交ったり、指導を受けていたりする様子を観察することで、何を感じるか、という回があったそうです。伊藤さんは、学術と芸術の融合ができたら良いと長らく思いながら、具体的にどう行動すれば良いのかはわからずにきたと言います。「自分がぼんやりと思い描いているアカデミックとアートの交わりについて考える一助になるのではないか」とこの活動に参加されているそうです。

最後に、今後の展望について伺いました。まず、伊藤さんは春休み期間中を含むいくつかのコンサートの予定に加えて、今年5月にドイツでのコンクール出場を控えているとのことで、現在はそれに向けての練習に励んでいます。学業との両立は並大抵のことではないと思いますが、海外で行われるコンクールに出場したい、という強い気持ちから参加を決めたそうです。言葉の壁や長距離の移動など、不安は絶えないそうですが、全力を尽くすとのことです。また、長期的には、「演奏を続けていきたい」とまっすぐな目で語っていました。ヴァイオリンに限らず老後にやりたい楽曲もあるそうで、音楽の道一本で生きていく選択はしなかったけれど、音楽をずっと続けていきたい、という強い思いを感じました。「まだまだ勉強中の身」と語る伊藤さんのこれからの活躍に期待しています。

青木寧香(薬学部)

伊藤さんとは同じクラス出身で、学部も同じになりました。春休みに伊藤さんと、もう1人の同じクラス出身のピアニストが開くコンサートを聴きに行くのを楽しみにしています。最近は豊かな生活とは何かについて考えています。

取材/青木寧香(学生サポーター)
デザイン・構成/肥後沙結美
企画/「キミの東大」編集チーム