培った英語力を活かして、社会問題の解決や異文化交流に取り組みたい―工学部・学生インタビュー

2024.03.22

STUDENT VOICE

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東大の学生は、どのような学生生活を送っているのでしょうか? STUDENT VOICEでは、東大生が東大生にインタビューをし、大学での学びだけでなく、課外活動など、多様な活動に取り組んでいる東大生の学生生活を紹介します!


  • 氏名: 田中 颯馬
    所属: 工学部
    入学: 2022年度
    出身: 茨城県立土浦第一高等学校

「大学に入ったら高校まで培った英語をアウトプットしたい」
こんな思いで東京大学グローバルリーダー育成プログラム(以下、GLP)に参加したという田中さん。大学2年生の頃に、同じクラスの友達とGLPの説明会を聴きに行って、その存在を知ったそうだ。GLPでは、大学2年生の秋学期から大学3年生の春学期までの期間をフェーズ1、大学3年生の秋学期から大学4年生の春学期までの期間をフェーズ2とし、英語を用いながら、フェーズ1では5名程度のグループで興味のある社会問題の研究を行い、フェーズ2では各参加者が関心のあるテーマを選び、それと関連する講義を受ける。そしてフェーズ1と2の間の夏休みに、参加者は全員海外プログラムに参加する。
GLPの授業は決して楽ではない。それでも田中さんは、「GLPの大きな魅力は、日本にいながら英語に触れる機会を得られることと、海外渡航プログラムに参加ができること」という。

彼のグループは、フェーズ1にグローバルヘルスをテーマに選び、東京都民の睡眠障害に関連する問題を扱った。先行研究や学生を対象としたアンケート調査から、睡眠導入前のタブレット端末の使用と入眠時間の遅れが睡眠障害に影響していることが示唆され、自己調整学習研究を参考に、この問題の解決策として睡眠を可視化するアプリの使用が有効なのではないかという結論に至ったそうだ。

その後、彼はGLPの海外プログラムとして、カナダのバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学で開催されたサマープログラムに参加。工学部で化学を専攻する田中さんは、化学・バイオ工学のコースを受講し、専攻に関連する授業を受けたり、実験を行ったりした。授業では専門的で難しい場面もあったそうだが「英語を実践で使うことが目標だったため、充実感を感じながら取り組むことができた」と笑顔で語ってくれた。授業以外でも交流の場は盛りだくさんだったらしく、ルームメートと一緒に寮のキッチンで火鍋を作ったり、ダウンタウンへ出かけたり、カナディアンロッキーへのツアーに参加したりしたそうだ。そして、プログラムに参加する中で、異なる背景をもつ学生と英語を使って授業や生活のさまざまな場面で交流できたことが最も印象的だったという。


「多国籍な仲間と過ごした最高の夏」

海外プログラムを経たフェーズ2でも、彼はグローバルヘルスをテーマに選んだ。というのも、彼が専攻している化学工学では医療機器の素材を扱う研究分野があり、それに関連する講義に興味があったからだ。彼はフェーズ2の活動の一環として、今度の春休みにタイへ渡航しフィールドワークをする予定だという。タイは高中所得国として経済発展しているが、都心部では交通渋滞や高い交通事故率、PM2.5による大気汚染といったさまざまな問題を抱えているそうだ。彼は「フィールドワークではJICAやWHOの現地オフィスを訪れ、交通事故を減らす取り組みについて学ぶ予定です」と語り、非常に楽しみな様子だった。

GLPを通して英語のブラッシュアップのみならず、社会問題の解決や異文化交流に取り組む彼の姿は、とても魅力的でかっこいい。取材中に語ってくれた1つ1つの言葉は、GLPでの経験をすぐに想像することができるほど解像度が高く、彼の強い思いを感じるには充分すぎるほどキラキラしていた。将来、彼がGLPでの経験を活かしてどのようなキャリアを歩んでいるのか、本当に楽しみで仕方ない!

松本 哲 さん(経済学部)

幼少期に親の都合でインドネシアに長期滞在した経験から、海外に興味を持っています。このため普段から、留学生向けのキャンパスツアーを行ったり、留学生との交流会に参加したりしています!

取材・文/学生ライター・松本哲
WEBデザイン/肥後沙結美