• TOP >
  • 東大卒業生のいま >
  • 東大卒業生インタビュー・疫学研究者 「最初は『国際的に活躍する獣医師』という漠然とした夢だった。やるべきことを明確にしてくれたのが東大でした。」

東大卒業生インタビュー・疫学研究者 「最初は『国際的に活躍する獣医師』という漠然とした夢だった。やるべきことを明確にしてくれたのが東大でした。」

#疫学 #疫学 #海外留学 #海外留学 #東大卒業生 #東大卒業生 #農学部の人 #農学部の人

卒業生 塩田佳代子さん

東大卒業生インタビュー

東大生の卒業後のいろいろな進路をお伝えするインタビュー。東大卒業後に様々な場所で活躍する女性たちをご紹介します。東大での学びや経験をスタート地点として、彼女たちが歩んできた道のりとは?

PROFILE

塩田 佳代子さん

出身高校:江戸川女子高等学校
出身学部:農学部(2012年卒業)
卒業後の進路:アメリカの連邦政府機関で感染症疫学者として勤務後、現在はYale UniversityのDepartment of Epidemiology of Microbial Diseasesの博士課程に在籍し、肺炎球菌やロタウイルスなどの疫学研究に従事。WHOや各国政府系機関と協力して感染症の疫学調査を実施し、ワクチンなど感染症の効果的なコントロールに生かすことを目的として研究している。

―現在のお仕事を選ばれたきっかけはどのようなものでしたか?

小学生の頃、父親の仕事で一家で南アフリカ共和国に3年間住んでいたのですが、現地の壮大な自然や野生動物と触れ合う中で、将来獣医師になりたいと考えるようになりました。

―東大を選ばれたのはどうしてでしょうか。

中学・高校と日本で進学する中で獣医師以外の就職も考えましたが、最終的に小さい頃に受けた影響が自分の中で一番大きかったようで、大学は獣医学があるところに進もうと考えていました。私立の獣医大学は授業料が高かったため、国立を受験することに決め、東大を受験しました。

―卒業後の進路については、どのようにお考えだったのでしょうか。

子どもの頃は、獣医師として国際的な仕事をするためにはどのような選択肢があるのか分からなかったのですが、獣医学専攻に進学後、公衆衛生学や疫学の授業を通して獣医師が世界中で活躍していることを知り、自分がやりたいことはまさにこれだと思いました。そこで、公衆衛生学や疫学をより深く勉強し、国際的なネットワークを築くため、東大卒業後にアメリカに留学することを決意しました。

―留学の決め手はどこにあったのでしょうか。

日本で博士号まで取得してから留学する選択肢もありましたが、なるべく若いうちに慣れた環境から出て、自分の常識が通用しない場所で挑戦したいと思ったので、学部卒業直後に留学することにしたんです。不慣れで未知な場所に自分を置くことで、予想もできないようなことを体験し成長できるのではと思いました。また、国際的な仕事をするためには、日本以外に住む人たちの考え方や付き合い方、議論や仕事の仕方の多様性をなるべく早いうちに学び、誰とでもコミュニケーションを取って一緒に協力して仕事ができる人材になる必要があると感じていました。

―なるほど。その後は、どのようなお仕事を経験されましたか。

様々な国と機関で仕事をさせていただきました。主なものとしては、東大獣医学専攻を卒業後、アメリカのEmory Universityで公衆衛生学修士号を取得し、米国連邦政府機関であるCenters for Disease Control and Prevention (CDC、米国疾病管理予防センター)にて、感染症疫学者として2年間勤務しました。CDCでは、アメリカ国内外の感染症アウトブレイク(特定の場所や期間で感染者が増加すること)への対応、サーベイランス(感染症の発生状況や変化を監視する活動)の設置や運営、疫学調査などの経験を積み、病院・市・州・国がどのように連携してデータを収集・解析し、感染症の効果的なコントロールや政策決定につなげているのかを、現場で勉強することができました。このように集められたデータをより効果的に使うため、統計的・数理的解析手法をより深く勉強したいと思ったので、Yale Universityの博士課程に進学することを決めました。

―東大以外にも国外の複数の大学を経験された塩田さんですが、 東大での学びと今の仕事との関連をどう考えていますか。

東大に進学したことで将来の選択肢が増え、夢が広がったと実感しています。「獣医師として国際的な仕事がしてみたい」という小さい頃の漠然とした夢を、東大で授業を受けたり、教授や先輩方と相談したりすることで、現実的で明確なステップに落とし込むことができました。また、学部生のうちから、各分野の権威である教授たちと日夜実験をし、議論をさせていただけたのは本当に貴重な経験でした。「こういうことをやってみたい」と意思表明すると、教授や先輩方はそれを実現するために何をすべきか、誰と話したら良いかのアドバイスをくれました。ありきたりですが、同級生とは悩みを共有し、刺激を与え合う貴重な毎日を過ごすことができました。東大には、夢を実現するために自分のやりたいこと・やるべきことに没頭できる環境が整っていると思います。

―最後に、高校生・受験生へのメッセージをお願いします。

ぜひ東大に進学して、あなたの夢を叶える踏切台にしてください。ここでしか出会えない人、ここでしか築けない関係、ここでしかできない経験があり、それがあなたの夢を後押ししてくれるはずです。

2019.5.29
構成/学生ライター・林怜実