「自分が好きなものや、できるものを見極めながら大人になっていく」―人文社会系研究科・学生インタビュー
STUDENT VOICE 2024.03.22
2024.03.22
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東大の学生は、どのような学生生活を送っているのでしょうか? STUDENT VOICEでは、東大生が東大生にインタビューをし、大学での学びだけでなく、課外活動など、多様な活動に取り組んでいる東大生の学生生活を紹介します!
氏名: 西川 尚樹
所属: 文科三類
入学: 2022年度
出身校:三重県立四日市高等学校
「緊張するな〜。今日はよろしくお願いします!!」
とびきりの笑顔とハキハキした挨拶から取材がスタートしました。
西川さんのLINEのアイコンは、なんと徳川慶喜の写真!小学生の頃に司馬遼太郎の小説『最後の将軍 徳川慶喜』を読んで、歴史に魅了され、LINEを始めてからはずっとこのアイコンを使い続けているといいます。このアイコンを見ると初心に立ち返ることができるそうです。
そんな西川さんが東大を意識し始めたのは高1の5月。担任の先生との最初の面談で後押しされて、志望校の欄に書いたのは「東京大学」でした。それ以来、まわりにも東大志望であることを公言してきたそうです。西川さんは友人や先生からの応援の声をモチベーションに変え、成績が伸び悩んでも「東大を諦めたくない!」と自らを奮起させて努力を重ねました。得意な数学は参考書を何周もして実力を伸ばし、苦手な英語はシャドウイングや英文精読などで克服を試み、クラスメイトと切磋琢磨しながら受験期を乗り越えたそうです。
そして、文科三類に見事合格。西川さんが前期課程で印象に残った授業は「数学Ⅰ」と「歴史社会論」です。「数学Ⅰ」では、経済など生活に密接に関わる事象が数式を用いてモデル化できることを知り、数学への興味が増したそうです。「歴史社会論」の授業では、講義で繰り広げられる整然とした説明のおかげで、複雑な経済史も理解がしやすく、高校の歴史で学んだ内容とリンクして新たな発見があったそうです。春からは文学部人文学科日本史学専修課程に進学予定。伝統ある東大文学部で大好きな日本史をさらに深く勉強・研究しつつ、他学部の授業から多様な学びを得ることを楽しみにしているそうです。
また、西川さんは学問だけでなく、現在は躰道部に所属し、日々鍛錬に励んでいます。躰道とは祝嶺正献が空手道をベースに1965年に興した新しい武道です。東大躰道部は大多数の人が初心者で入部しますが、西川さんもその一人。柔道経験があり、マット運動が得意であることを自負して入部したものの、空手をベースにした独特の動きを習得するのに苦戦しました。
「躰道未経験で入部しましたが、先輩やOBが丁寧に指導し練習をサポートしてくださったおかげで、今では後輩を指導できるまでに成長しました。これからは部全体を観察し、適切な指示が出せるように意識したいです。」
躰道には規定の形を演じる「法形」、一対一の組み手形式で対戦する「実戦」、そして一人の主役と五人の脇役を設定して技の完成度や構成を競う「展開」の3種類の競技があり、西川さんは特に「実戦」と「展開」に力を入れて取り組んでいるそうです。
「実戦は技が当たった時にとても快感です。柔道では選手同士が密着する場面が多いのに対し、躰道では相手との距離感や体の角度、つまり『間合い』を意識して駆け引きをするところが面白いと感じました。展開は自分たちで技の構成を決められるところが魅力です。技の完成度はもちろん、新体操競技のように演武の構成や美しさも審査対象であるところが、他の武道とは違う面白さがあります。」
躰道部は部員同士の仲も良くて、稽古時間外でも交流が盛んだそうです。今回、お話を伺って、躰道の面白さはもちろん、先輩が後輩を大切にする文化が伝統として根付いているのが伝わってきました。
最後に、学業、部活動、バイト、就活などさまざまな活動を精力的にこなす西川さんに新学期に向けての意気込みを伺いました。
「就活を通して進路について考えつつ、授業にもっと力を入れて専門の学びを深めていきたいです。時期によって優先順位をつけながら、メリハリのある大学生活を過ごしたいと思います!」
取材を通して、西川さんからとても元気をもらえました。持ち前の明るさとパワーで何事にも全力で取り組んでほしいです!
石原 由貴 さん(工学系研究科)
物理に魅せられた工学部女子。特技は書道と語学、趣味は映画・アート鑑賞です。三重の片田舎から上京し、研究に励みつつ芸術三昧の日々を過ごしています。座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。