ちょっとひといき ちょっとひととき(5) 

2023.01.11

東大生コラム

テーマを絞って発信する東大生のコラム企画

第5回目のテーマは「新たな気持ちでチャレンジしたいこと」。新年を迎えると、なんだか気持ちが一新された感じがしませんか?2023年、第一弾となるコラムは、東大生がチャレンジしたいこと。新たな挑戦をスタートさせるすべての方への応援の気持ちをこめてお届けします。

身体と感性をみがく

文学部3年 Y.O

私が新たな気持ちでチャレンジしたいのは、音楽や美術、体育といった実技系科目を学ぶ事です。
高校までは受験に関係ないこともあり、また周囲と比較して自分の力のなさを惨めに思うことが多かったため、熱心には取り組んできませんでした。ですが、大学ともなるとペーパーテストで1位の成績を取ることが評価の軸ではなくなり、さまざまな学びを深め、幅広い教養を身につけることが求められるようになります。芸術や運動に触れることも、自分の視野を広げ、世界を豊かに生きるために必要なことだと思えるようになりました。
幸い東京大学にはこうした内容の講義がいくつか開講されています。年度によってどんな科目があるかは変わりますが、2022年度は初心者向けのスポーツ科目(バスケやバトミントンなど)や長唄三味線を学ぶ科目などがありました。2023年度はどんな講義が開講されるのか楽しみにしながら、シラバスが公開されるのを首を長くして待っています(学部によりますが、大抵3月ごろに公開されます)。

とある授業のワークで作ったもの。もっとうまく表現できるようになりたい。

 

語学に挑む

理科三類1年 蜜柑

第二外国語として、スペイン語を学んでいる。学ぶ前は「文法が難しくないらしい」という漠然としたイメージしか持ち合わせていなかったが、学び始めると中々難しく、そして面白い。時折、スペイン王立アカデミーによって文法の細部が調整されているようで、合理的な要素もあり、興味深い。授業や周りのクラスメイトより周回遅れで習得しているような気はするが、急がば回れ。確実に学んでいきたいし、時に自分の成長を感じ、非常に喜ばしい。
ところが、だ。第一外国語であったはずの英語に今どれだけ触れているだろうか。スペイン語と授業時間数は同等以上であるはずなのに、予習復習に割く時間は断然短い。語彙力も、入試日を境に低下してしまっているようだ。授業の際には意味の分からない単語の多さに呆然としてしまうことさえある。この先学びを進めるにつれ英語が必要になる場面は多いはずなのに、この体たらくである。そこで、今年は語彙力増強を目標にする。早速、本棚の飾りと化してしまった単語帳を引っ張り出してカバンに入れる。


英単語帳とスペイン語の問題集

 

丁寧な暮らし

工学部4年 小梅

私が新たにチャレンジしたいことは「丁寧な暮らし」です。
私はYouTubeでおしゃれな生活を紹介するvlog動画をよく見ます。「お菓子作り」「ガーデニング」など、いわゆる「映える」生活に憧れを募らせる一方、現実は…髪の毛やほこりが散らばった部屋、ぬめりが溜まった水回り、洋服がはみ出したタンスの中で日々を送っていました。
地元から東京に遊びに来た母が私の住まいを見て、「こまめに掃除しようね」なんて苦笑する始末。せっかく東京に来てくれた母に申し訳なく、掃除をサボった自分を情けなく思いつつ、母と自分2人で掃除に取り掛かりました。隅々まで汚れを拭き取り、部屋の角に合わせてゆっくりと掃除機を動かす。母の丁寧な手つきを眺めていたら、基本的な家事をすっ飛ばしてvlogで見るような「映え」のみを追い求めていた自分を少し恥ずかしく思いました。「こまめに掃除をする」「心に余裕を持つ」など、基本的な事から「丁寧さ」を意識していきたいと思います。
まずは四季折々の花を飾れる部屋を目指して!


flower
 

 

新たなきもちで

理科二類1年 るりびたき

大学生になり約9ヶ月。大学生活にも慣れてきた今、私が新たな気持ちでチャレンジしたいこと、それは英語の勉強です。
毎日多くの英文を読み、聞いて、英作文を書いていた受験生活は遠い昔のように感じますが、まだ一年もたっていません。大学では英語をより使うのだろうという当時の想像とは異なり、実際は英語に触れる機会は減ったように思われます。英語の授業の度に読む速度や語彙力の低下を感じ、このままではいけないと思った私は、勇気を絞り短期留学することにしました。留学という目標があれば、勉強に精が出ると思ったからです。行き先はオーストラリアのアデレード、勿論英語が公用語です。中高生の頃はテストで点を取るために英語を勉強していましたが、日常生活で英語を使うには受験英語では不十分。実践的な英語を勉強しようと思い、試しにニュースを聞いてみると、聞き取れない箇所が多く、勉強の必要性を痛感しました。勉強の目的は違えど、やることは同じ。受験時代に愛用していたシャーペンと電子辞書をお守りにして、英語力を上げていきたいです。


私のお守り

 

キャンパスはいつもドラマの一場面

人文社会系研究科 八柳 サエ

小声でこっそり打ち明けますが、テレビドラマのシナリオを書いてみたいです。
いつもレポートを書く孤独な作業の合間にテレビドラマを見て、主人公の意欲に感情移入し、その成長に活力をもらってリフレッシュしているのと、コロナ禍で動画配信のサブスクが台頭しても毎週放映されるテレビドラマにわくわく、魅せられているので。
ドラマは、俳優、演出家、撮影、照明、音楽、美術と多くの人の力が結集されて立ち上がると思うのですが、物語の展開を作り支えるのはシナリオだと思えます。シナリオは、人が実際に動いて流れる映像を頭の中に創り上げ、制作に関わるすべての人に自らの意図が伝わるように台詞とト書きを記述しなければならないでしょう。読み手の想像力に訴える小説とは全く別の技術が求められそう。「難しいぞ。」「だからこそやってみたい!」と心ひそかに思っています。誰か専門家に見てもらわなければならないでしょうけれども。
本郷キャンパスは、どこを取ってもドラマの一場面になりそうな景観ばかりで、シナリオを作りたくなる気分が上がります。

或る日の本郷キャンパス

 

今年こそ音を奏でたい!

文科三類2年 みっち

今年こそケルト音楽の演奏にチャレンジしたい。
高校一年次にアイルランドに短期留学して以降、ケルト音楽に惚れ込んだ。ケルト音楽の醍醐味は他の人と共に演奏するセッションだと知り、受験後はケルト音楽に打ち込もうと心に決めた。
しかし、東大に入学し楽器を買ったものの、2つの問題に頭を悩ませた。まず、入学当時はコロナ禍のためにケルト音楽サークルが活動を中止していた。そして、それ以上に大きな問題として、あまりにも楽譜を読めないことだった。そもそも音楽経験がなく、最後にまともに触れた楽器は中学校の音楽の授業で吹いたリコーダーだ。楽譜から独学しようとしたが、日々の授業に忙殺される中で音楽の優先順位が下がり、楽器は棚の奥底に仕舞われることになった。
さて、実は秋からイギリスに留学に行く予定だ。現地のパブに行ったら絶対にケルト音楽を演奏したくなるに違いない。だからこそ、今年はどうにかして弾けるよう、期末試験後から早速再チャレンジするつもりだ。

購入後、1年以上棚に仕舞われたケルト笛(ティン・ホイッスル)。
お気に入りのポルカ曲を問題なく 弾けるようになるのが留学までの目標だ。

 

第二外国語をもう一度

文科二類2年 R.K

大学では英語と日本語以外で第二外国語というものをたいてい習うようになっています。ただ残念なことに大学で習ったからといって喋ったり、スラスラ読めるようになったりするわけではありません。かくいう自分も1年生でドイツ語を選択し、2年生となった今ではうんともすんとも話せません。
ドイツ語は習得できなかった私ですが、最近韓国語に挑戦することになりました。きっかけはサークルで韓国旅行をすることになったのですが、ほとんど誰もしゃべれないので、せめて会話表現だけでも習得しようということで、サークル内で韓国語勉強会が始まりました。数少ない韓国語マスターに教えてもらいながら、いきなり未知のあいさつや数字について習うのは、文法から習う中学英語や大学の第二外国語とは違い、小学生の頃の英会話に似た感覚で新鮮です。そろそろハングル文字も覚えないといけません。覚えるべきことは山積みですが、ドイツ語の二の舞にはならないことを祈りながら精進しようと思います。高校生の皆さんも頑張ってください!

参考リンク ほかの回の記事はこちらから

原稿作成/2022年12月
企画・構成/「キミの東大」企画・編集チーム