貴重な資料と蔵書数「農学生命科学図書館」 ―図書館は「知」の拠点
図書館は「知」の拠点 2021.04.07
2018.11.07
#駒場 #駒場 #東大の施設 #東大の施設 #図書館 #図書館
大学生活を送る上で上手に活用したいのが図書館です。東京大学に入学した学生が最初に利用する図書館といえば、駒場キャンパスにある駒場図書館。高校まで図書室や図書館を利用しなかった人も、入学後は、ほとんどの学生が図書館を頻繁に利用するようになると言います。
その理由を探るべく、今回は駒場図書館を取り上げます!
正門から入って時計台を横目に見ながら歩いていると、突如、近代的な建物が並ぶエリアを発見! カフェテラスやレストラン、東大生協の「駒場書籍部」が並んでいるため多くの学生がそこに集まっていて、話し声があたりに響いています。駒場図書館はそんなにぎやかな一角にありました。
ガラス張りの近代的な建物は、本郷キャンパスの総合図書館とは対照的です。さっそく足を踏み入れてみると…2階から4階にある閲覧席はほとんど埋まり、学生の歩く姿も多く、ほとんどが1~2年生とあって、静かでありながら熱気が伝わってくるようです。
駒場図書館は、地上4階、地下2階建て。屋上から2階部分にかけて、斜めに切り込まれた建物側面の縦長の窓がとても印象的。2階から、3、4階の南側と北側を繋ぐ通路を見上げると、斜めの空間に平衡感覚が試されます。
また、1階には展示スペースがあり、さまざまな企画展が行われているほか、2階にはグループで議論したり発表をしたりできる施設もあり、竣工当時は時代を先取りした図書館だったことがうかがえます。
そんな駒場図書館の最大の特長は、なんといってもその開館時間の長さ。授業期間の平日は22時までと夜遅くまで開いています。授業期間の土日も毎週19時まで開館しており、テスト期間になると20時まで延長されます。
また、各フロアに自習スペースがあり、学生にとって、とても”使える”図書館なのです。
駒場図書館は、1階から4階までは基礎的で幅広い分野での選書が行われており、開架(図書を自由に手に取って閲覧できる本棚)が主体になっているため、主に1~2年生が利用し、自習スペースも広く確保されています。一方、地下は研究用の専門的な書籍が集積した集密書庫(ボタンを押すと書棚が自動で動く電動書架が集積した書庫)になっており、主に大学院の総合文化研究科の院生や教養学部の後期課程に進んでいる3~4年生が利用する空間になっています。
なぜ、2つに色分けされているのかというと、駒場図書館が東京大学の拠点図書館の一つであると同時に、総合文化研究科の図書館でもあり、それぞれの特性を合わせ持っているからなのです。もちろん、分かれていても、大学院生や後期課程の学生が地上階も利用できますし、また1~2年生も地下の集密書庫に自由に入れます。
このように、前期課程と後期課程の学生ならびに大学院生が同じ施設を利用し、時には各種イベントを通じて交流を図るなど、お互いに刺激し合えるのも駒場図書館の良さのひとつだと言えます。
閲覧室は学生で埋まり、入り口に立っていると多くの学生が入れ替わり立ち替わり出入りする駒場図書館。なぜ、東大生はこんなふうに図書館を積極的に活用するようになるのでしょうか。
その理由のひとつとして挙げられるのは、東大では新入生のうちに図書館の利用を促す教育プログラムを用意していることです。
1年生の必修科目「初年次ゼミ」で、図書館の利用方法をレクチャーする授業が設けられているほか、そのほかの授業でも担当の先生が図書館を利用した授業や課題を用意するなど、自然に図書館に親しむ環境を大学側が整えています。
その一方で、駒場図書館を利用していた数人の学生に聞いたところによると、駒場キャンパスには学生が空きコマ(授業選択のコマ割で、隙間になるコマのこと。たとえば1限目と3限目の授業を取っている場合、2限目が空きコマ)を過ごせる場所が少ないといった事情もあるようです。
1~2時間を過ごすのに駒場図書館は使い勝手がよさそう。そんなことから自然に東大生たちにとって図書館は、大学に来たら一度は立ち寄る場所になっていくようです。
館内のあちこちで目にするのが、四角い形をした謎のキャラクター。こちらは、駒場図書館公式キャラクターで、名前は「こまとちゃん」。2005年から「宣伝部長」として、図書館関連のポスターやチラシ、学内広報誌などにも頻繁に登場していて、東大生の間ではお馴染みのようです。
しかも、この「こまとちゃん」、全国のさまざまな図書館のゆるキャラがエントリーする「図書館キャラクターグランプリ」で、2015年から3年連続で入賞。ポスターセッションでは優秀賞を受賞した実績の持ち主。まさか東大の図書館にゆるキャラがいるとは、ちょっと驚きです。
A 東大には「本郷」「駒場」「柏」の3つのキャンパスそれぞれに「拠点図書館」と呼ばれる中心的な図書館が置かれています。それに加えて、「部局図書館」が学内になんと27カ所もあるのです。
「部局図書館」とは、学部や研究室、各種研究センターなどに設置された「図書館」や「図書室」の総称です。本郷キャンパスでいうと、医学部には「医学図書館」、経済学部には「経済学図書館」…というふうに、学部ごとに図書館があります。学部の図書館といっても、60~80万冊の蔵書を有するところもあるので、場合によっては地域の図書館をしのぐ規模です。
しかも、工学部などは「工学・情報理工学図書館」として、工1号館図書室、工2号館図書室…と専門ごとに10の図書室があって、同じ1号館に図書室A(社会基礎学)と図書室B(建築学)があって…と、さらに専門へと分かれています。
東大に入学したら、図書館・室めぐりはいかがでしょうか。