ちょっとひといき ちょっとひととき(11)-わたしの地元、わたしの暮らし
東大生コラム 2024.08.30
2022.10.11
テーマを絞って発信する東大生のコラム企画
第3回目のテーマは「もっと知りたい!東京大学日和」。東大生はどのような毎日を送っているの?メディアに出ている姿からはイメージしにくい、ありのままの東大生をもっと知ってもらうため、コラムをとおして、東大生が過ごしている日常や見ている景色を紹介いたします。
皆さんはフィールドワークをしたことがあるだろうか。「野外調査」とも訳されるこの言葉、平たく言えば「現場で調査・研究を行うこと」。様々な分野で導入されている手法だ。
今月、授業の一環で、カスミソウの一大産地・福島県昭和村にてフィールドワークを行った。お話を伺ったのは4日間で10名以上(主に農家)。お一人約1時間、その中で用意した質問をすべて聞くのは難しい。話の流れを汲み取り、聞くことを瞬時に選択する。そうして言葉のやり取りを続けると、調査研究の対象項目に加えて、その方の生き方や考え方の片鱗が見えてくる。自分とは異なる経験を持つ方との一瞬の語らい。まさに一期一会の出会いの中で、私自身を見つめ直すきっかけが得られることもある。家族、友人、先生etc.、質問する相手は誰でも良いのだ。フィールドワークは、いつでも、どこでもできる。誰かの生きざまに、考えに、興味を持ち、質問を投げかけること。それだけで、人生にほんの少し広がりが生まれるはずだ。さあ、あなたもLet’sフィールドワーク!
世界中から留学生が来る東大では、留学生と日本人学生との間で交流を深めながら、外国語の練習をするための言語交換プログラムという制度が用意されています。お互いに練習したい言語が合えば、実際に会って食事をしたり、おしゃべりしたりして、より日常的な場面で外国語を話すことができます。
私も昨年から中国出身の留学生と知り合って、私は英語の、彼は日本語の練習をしています。昨年は新型コロナウイルス禍の影響でオンラインが中心でしたが、お互いの文化や生活について、お話して仲良くなりました。今年からは日本への渡航が可能になったので、彼と一緒に東京観光したり、タコ焼きパーティーをしたり、楽しみながら言語交換をしています。なかなか外国語を練習する機会がなく、いきなりネイティブの方と話すにはハードルが高いと感じることもありますが、お互いに練習中だからこそ、ゆっくりとしたペースで進められますし、実際に会って話すことで友達になれるところも、この制度の良いところです。皆さんも東大に入学された際には、ぜひ参加してみてはいかがですか。
故郷の街は坂が多いのだと言う。だから自転車が使いづらくて、乗る練習をしなかったのだと、友人Tは語った。Tは自転車に乗れない。
当時、私たちは卒論を書くために研究室に通い詰める日々を送っていた。卒論を書くことは、小さくとも新たな知見を生み出す営みであり、東大で学び研究する大義そのものである。しかし、そこに汲々としていると、鬱屈した中に反動がうまれてくる。無駄なことをしたい!
何人かの友人を誘ってTに自転車の特訓を施すことにし、東大の某キャンパスの片隅でひたすら練習した。最初は奇異な目を向けていた警備スタッフも、最後は応援してくれた。そして遂にTは自転車に乗れるようになった。ペダルを漕ぐTはとてもいい笑顔をみせた。
学生の特権は無駄を楽しめることだ。ただ、それはアカデミックな意味で無駄だということに過ぎない。
卒業後、Tは就職し、故郷に戻った。数年後に再会した時、彼は「車しか乗ってないな。自転車はもう乗れないね。」と言って笑った。あの日の特訓の成果は泡と消えた。深い友情は残った。Tは自転車に乗れない。
『東京大学』といえば本郷キャンパスの「安田講堂」「赤門」「三四郎池」が有名だろうか。けれど東京大学には弥生・駒場・柏にもキャンパスがある。
紹介が遅れたが、僕は農学部の4年生だ。本郷キャンパスで赤門をくぐって通学しているのではなく弥生キャンパスに通学している。高校生の頃はあんなに早起きしていたが、大学生にもなると8時半に学校に行くどころか8時半に起きるのも辛い。眠い目を擦りながら10時20分から始まる2限の授業に間に合うように1時間半かかる弥生キャンパスに向かう。弥生キャンパスの最寄りの東大前に降り立ったあと、正門をくぐって教室へと向かう。弥生キャンパスは動物が多く飼育されているのでマウス臭がするところもあるが、農学部っぽくてちょっと好きだ、臭いけど。授業を受け終わったあとは農学部内のカフェで夜ご飯を食べたあと、研究室に向かう。ここのハンバーグ弁当がすごく美味しくて、毎回別のメニューを頼もうとしても勝手に口が動いてしまう。アイスコーヒーもおいしい。こういった何気ない静かな1日も僕は好きだ。
勉強に疲れたとき、あなたは何をしますか?甘いもので一休み、ちょっと一眠り、好きなアイドルを見て癒やされる・・・人の数だけ息抜きの仕方があるでしょう。 中高生の頃の私はそんなとき、ひたすら近所を散歩するようにしていました。目的地を定めず歩き回るのはちょっと変かもしれないけれど、歩いているうちに頭はすっきりとし、心もなんだか優しくなって普段は気づかないような小さな素敵なことに気付いちゃったりするのです。ここのお花、咲いたのね〜みたいな。
大学生になってからも変わらず研究や試験勉強に疲れると、東大構内をぐるぐるしています。東大は広いので歩いているうちに自分だけ(と思っているのは私だけかも)のとっておきのスポットが見つかったりします。よく知られているのは三四郎池でしょう。季節によってがらりと趣を変えるこの池はたくさんの学生の癒やしスポットになっています。また、各建物の屋上も隠れた人気スポットです。風に吹かれながらぼんやり考え事をする時間はとっても気持ちが良いものです。
あなたもぜひ東大に来て、あなただけのお気に入りスポットを見つけてみてくださいね!
東大に入学した学生は、1、2年生の間、駒場キャンパスで授業を受けなければならない。 だが一部の東大生は「駒場」という単語にネガティブな印象を持っているらしい。 確かに駒場キャンパスは、虫が多いし、秋は3ヶ月くらい銀杏臭いし、食堂はいつも混んでいるし、井の頭線の急行は止まらないし、数多くの欠点があることは確かだ。 でも駒場だって良い点もある。 こじんまりとしたキャンパス、新鮮な雰囲気、周りにはおいしい食べ物屋さんがあり、休み時間に渋谷、下北沢の周辺を探索することもできる。春は正門の桜が私を出迎え、夏にはキャンパスの緑で心を癒すことができる。秋には辺り一面が黄色で埋め尽くされるし、冬には(特に雪が降る日は)駅前に売っているホクホクのたい焼きを片手に銀世界を堪能することもできる。 中でも私が一番好きな季節は春だ。 実はグラウンドの脇に桜並木があり、満開時には「桜のトンネル」になる! 満開の桜をバックに暖かな日差しを浴びてピクニックをすることだってできる! 駒場はロマンチストにとって最高のキャンパスなのだ。
大学生は高校生と比べてより自由な時間とお金が手に入るため、趣味に走る人が多くいるように思います。旅行が好きで各地を巡る、という人もそれなりにいます。私はあまり好きではないのですが、大学の研修で郊外を訪れることはしばしばあって、写真は2021年10月に福島県を訪れた際のものです。この日は私の誕生日だったので、美しい景色が見られて嬉しかった記憶があります。それから1年が経ち私も21歳になるのですが、自分が歳をとったことを実感させられます。10代の頃はまだまだ若い、という意識で、歳を重ねていくことに喜びさえ感じていましたが、20から21の変化は、若い年代を離れて年老いていくのだ、という現実を突きつけられます。ふと気がついたら30代、となりかねません。同じくらいの世代で結婚という話を耳にすることもあります。この先、私も様々なライフイベントに直面するのでしょうが、そろそろ子供のままの気持ちでいるのではなく、終わりまで見据えて人生をしっかりと歩んでいく必要があるな、と実感する今日この頃です。
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