英語部会からのメッセージ

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英語部会からのメッセージ

寄稿:東京大学教養学部英語部会

現代の世界ほど、多様な背景をもつ人々がお互いを尊重し合いながら共生し、地球規模の問題を解決する道をともに探ることが求められる時代はないでしょう。そのためには率直に意見を出し合い、対話を繰り返しながら協働する努力が不可欠です。言語がこれを仲介する重要な役割を果たすことは、言うまでもありません。

対話という双方向のコミュニケーションが成立するためには、まず相手の言うことを、予断や表面的な理解に惑わされず、正確に把握しなくてはなりません。それには語彙や文法など言語の構成要素についての知識、さらには文脈や背景への洞察が必要です。一方、自分の考えを表現するにあたっては、内容をきちんと伝えることはもちろんですが、場にふさわしい言語の選択ができる能力も欠かせません。友達とおしゃべりをするのか、商談の場なのか、研究発表をするのか、状況と相手によって言葉遣いは自ずと違うはずです。それを意識できるような力もまた、コミュニケーション能力の重要な一部です。

大学は、最新の研究成果に基づいた学識に触れ、論証の手順を踏んでものごとを考えることを学ぶ場です。そこで習得する言語もまた、文献を正確に読みとる力、批判的に思考する力、自らの立場を論理的に構築する力、それを的確に表現する力など、学ぶ内容に対応できるものでなくてはなりません。

入学後の2年間、教養学部で学ぶ英語は、分野を問わず、多彩な内容をもつ知的な英語の文章を読み、これについて考える「教養英語」(統一教科書を使用します)、英語で論文を執筆する方法を学ぶ理科生向けALESS(Active Learning of English for Science Students)と文科生向けALESA(Active Learning of English for Students of the Arts)、アカデミックな場での意見交換やディスカッションの方法を身につけるFLOW (Fluency-Oriented Workshop)、そしてそれぞれが自分の関心や弱点克服などの目的に沿って選択する総合Lの科目に分かれており、大学での学びに見合った英語力の涵養を目指しています。また、東京大学では様々な外国語の授業が行われており、このうち少なくとも二つの言語を学ぶことが求められています。他言語と比較・相対化を行うことは、英語の学習の効果を挙げ、何より言語そのものへの洞察を深めることになるでしょう。

もちろん、これらの科目を履修しただけで魔法のように英語力が身につくものでないことは、真剣に語学の勉強をした経験のある人なら予想がつくでしょう。授業はそれぞれが自分に役立つような学びを自律的に追求するための、いわばスタートダッシュとでも呼ぶべきものなのです。東京大学では、論文執筆や討議力養成をサポートする施設KWS(駒場ライターズ・スタジオ)や留学生との交流の場、交換留学プログラムなどをとおして、授業外でも積極的に学ぼうとする学生を支援しています。

大学入学までの学習では、小手先の技術を覚えることではなく、こうした大学での学びに発展するような、しっかりした土台作りを目指してください。まず何からやったらよいのだろうと思っているなら、興味が持てる材料を探して何でも試してみることをお勧めします。難しい文章を緻密に読む、平易な文章をたくさん読む、インターネット上で見つかるニュース番組や学術的なポッドキャストを視聴する、そこで学んだ表現を自分で使ってみる、などアイデア次第で、いろいろな方法が考えられるでしょう。試行錯誤が、自分に合った勉強法を見つけたり自分自身の英語の弱点や強みを振り返ったりする機会になるかも知れません。言葉を学ぶことは、長く継続する、そして楽しいプロセスです。将来を見据えて、焦らず堅実な語学力をつけてほしいと思います。

2019.3.31
文/東京大学教養学部英語部会