総合科目・主題科目

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総合科目は、基礎科目とともに前期課程(1、2年生)の履修プログラムの中核をなす。後述する「系列」ごとに取得しなくてはならない最低単位数が定められており、所属する科類によってそのバランスは異なる。その条件さえ満たせば多種多様な授業の中から好きなものを好きなだけビュッフェよろしく選択できるという、自由度の高い科目群である。
それでは、総合科目の7つの「系列」を紹介していこう。

L系列:「言語・コミュニーケーション」
英語や第二外国語で選択することのできるドイツ語、フランス語、中国語などのメジャーな言語はもちろん、たとえばインドネシア語やセルビア・クロアチア語など、ちょっと珍しい言語の授業や、ラテン語やギリシア語など「古典語」の授業も開講されている。

A系列:「思想・芸術」
言語学や哲学、思想史、比較文化論、表象文化論など、さまざまな角度から人文科学の専門的内容に触れることができる。「映画論」「音楽論」といった、趣味を入り口により深く学ぶことができるような授業もある。

B系列:「国際・地域」
歴史学や文化人類学から平和構築論まで、幅広く社会の展開にかかわる科目が並ぶ。他系列の科目の理解を深める一助にもなることだろう。また外国文学はA系列に分類されているが、日本語や日本文学が分類されるのはこのB系列である。

C系列:「社会・制度」
政治、経済、教育など社会のあり方に関する現状と問題を学ぶことができる。近年話題にのぼることの多いジェンダー論など、タイムリーな諸問題を扱う科目も多い。

D系列:「人間・環境」
資源学や生態学など理学・農学的な分野から都市工学、看護学、心理学、さらには科学技術と倫理との関係など、扱う分野は非常に幅広い。文理の学問のつながりを感じる系列でもある。

E系列:「物質・生命」
物理、化学、生物、地学など、高校までで言う「理科」のある程度専門的な内容が扱われる。食や森など、身近な事物をテーマに話を深めていく授業もあるため、文科生でもそれほど心配することはない。

F系列:「数理・情報」
その名の通り、代数やデータ解析、アルゴリズムやプログラミングについての授業が開講されており、基礎科目「情報」をさらに深めることのできる科目も多い。
 
主題科目は、学術フロンティア講義(最先端の研究に関するオムニバス形式の講義)、全学自由研究ゼミナール(主に少人数向けに開講されるゼミ形式の授業)、全学体験ゼミナール(ものづくりやフィールド調査など、実際に手や体を動かして学ぶ授業)、国際研修(実際に海外で言語や専門的な分野に触れる研修)の4種類の科目群の総称である。科類に関わらず、最低2単位を取得することが求められている。授業内容を「〇〇論」「〇〇学」といったテーマに合わせなくてはならないという制約がないため、担当教員の専門分野について、より深く知ることができるというのが特徴だ。

たとえば、私が履修した「悦ばしきイタリア地中海」という学術フロンティア講義では、地中海をテーマにイタリア文学から美術史・考古学まで、多様な研究が紹介された。後期課程でどの学部・学科に進もうかと迷っている人にとっては、興味分野を探るチャンスにもできるだろう。

前期課程の2年間は、科類の文理にかかわらず、幅広く学ぶことのできるチャンスである。単位が取得しやすいと言われる科目に甘んじることなく、自分の興味関心に合った科目を選択して、専門的な研究を始める前に広範な知識を身につけよう。

文/学生ライター・萩野聡子
※ページ内容は作成時のものです。