基礎実験

2021.10.12

東大で学ぶ

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基礎実験とは前期課程(1、2年生)の理科生の基礎科目の1つ。理科生は1A~2S1ターム(1年秋学期~2年春学期前半)の間、週に1日、2コマを受ける。基礎実験はいわゆる必修で、理科生はこの単位をとることなく、後期課程(3、4年生)に進むことができない。

授業の進み方は、理1と理2・3で異なる。令和3年度の「履修の手引き」を確認してみると、理1生の基礎実験の流れ・内容について、次のように書いてある。

表1:理1生の基礎実験の流れ・内容

*1A1タームで「基礎実験Ⅰ(物理学)」を受講した場合、1A2タームでは「基礎実験Ⅱ(化学)」を受講する。
1A1タームで「基礎実験Ⅰ(化学)」を受講した場合、1A2タームでは「基礎実験Ⅱ(物理学)」を受講する。
**A1・A2は秋学期の中の前後半、S1・S2は春学期の中の前後半のことを指し、その前につく数字は学年を表す。
例えば、「1A1」は1年次のA1ターム(概ね9〜11月)のことを指す。

上表のうち1A1、1A2、2S1タームに受ける実験が必修となる。理1生では物理、化学のウエイトをある程度自分で選ぶことができる。一応各グループには人数制限があり、同じ枠に希望者が集中した場合は抽選となる。

一方で、理2・3生の基礎実験の流れ・内容は次のようになる。

表2:理2・3生の基礎実験の流れ・内容

理1と同様、1A1、1A2、2S1タームに受ける実験が必修となる。理2・3の場合、グループは所与のもので、グループごとに内容も変わらないことから、理1に比べて選択の自由度は低い(というかない)。代わりと言ってはなんだが、理1生ではほとんど受講できない基礎生命科学実験を全員が受けることができ、基礎実験でカバーされる分野の範囲が広い。

筆者は前期課程の頃(2019年~2020年)、理2生だったので、物理、化学、生命科学の各実験について書いていきたいと思う。ちなみに理1と理2・3で各科目の期間の長さや内容は多少異なるが、科目の特徴は概ね変わらない(つまり「基礎実験Ⅰ(物理学)」と「基礎物理学実験」など、科目が同じであれば、特徴は大体一緒である)。

基礎物理学実験
基礎物理学実験では、2人組のペアで実験を行う。予習や設問、考察は全てノートに書き込み、そのノートを提出し評価をつけてもらう。手書きのため、それなりに予復習に時間を要する。また、グラフや表の書き方の作法も習う。理科生はここで、理系としての図表の書き方を覚えるところがある。扱っている実験は、交流回路の特性の確認や、オシロスコープを利用した光速度の測定など、どの大学でも行っているものが多いが、他大の基礎実験も受けたことがある身としては、理論を教科書に丁寧に書いてくれており、しっかり予習すれば得られることも多いと感じた。

基礎化学実験
基礎物理学実験同様、2人組のペアで実験を行う。教科書の巻末についている、各実験のプリント1枚を提出することで、評価をつけてもらう。1枚のプリントに設問や考察を書くので、紙が足りないこともある。基礎物理学実験に比べて予復習にかかる時間は短くできるが、予習をしっかりし、手際よく実験をこなせば早く帰りやすい。グリニャール反応や計算化学など、大学ならではの実験も行われるので、知識面に不安がある人は化学の復習や「基礎化学」の受講の検討をお勧めする。

基礎生命科学実験
自分が基礎生命科学実験をうけた2S1は、ちょうど初めての緊急事態宣言が出た時で、受講方法は、ビデオ視聴とそれを踏まえたレポート作成だった。基礎生命科学実験で例年行っているウシガエルの解剖が行えず、悲しいような嬉しいような気がしたが、課題の量が結構あり、トータルでは辛い授業に感じた(例年はそこまでキツイ課題ではないらしい)。内容は植物の多様性から、昨年話題になったPCR検査の原理など、幅広いものになっている。

基礎実験を受講すると、知識を補ったり実験手順を確認したりするための「予習」力や、実験結果に対する「考察」力、結果や考察を文章や図表として「まとめる」力を養うことができる。研究に置き換えると、「先行研究の調査」・「実験の組み立て」や「分析」・「新規課題の発見」、「論文執筆」といったところだろうか。予習やレポートなど大変なことも多いが、東大生の未来の研究活動の「基礎」を作るように設計されており、必ず役立つ。

最後になりますが、これから基礎実験を受けられる皆さんに、この記事が少しでも力になれば幸いです。

※ページの内容は2021年10月5日現在のものです。

参考文献
履修の手引き 令和 3 年 4月

文・表/学生ライター・KY