基礎科目(必修科目)

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ここでは基礎科目について説明します。「基礎科目って、基礎的な内容の科目ってこと?」となると思いますが、東大では必修科目と同義で内容が基礎的かは関係ありません。大学生になると自分で履修する科目を決めて好きなように時間割を組めるという話を聞いたことのある人もいるかも知れませんが、完全に自由ではなく必修科目は必ず履修しなければなりません。また、今回は執筆者である私が理科なので、文科のみの科目についてはやや内容が薄くなってしまいますがご容赦ください。

既修外国語
前期課程では、既習外国語と第二外国語の2つを必修外国語として学びます。既習外国語は大学入学以前に学習経験のある外国語を指し、多くの場合、英語が選択されます。

第二外国語
第二外国語は、二外とも呼ばれ、入学時にドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、韓国朝鮮語、イタリア語などから1つを選択します。二外の選択でクラス分けされ、クラス単位で授業を受けるので、高校までの授業と似た雰囲気です。理科生は1年の前期は週2コマ、後期は週1コマ履修する必要があり、文科の場合は、さらに初級演習やインテンシブといった会話系の授業も履修する必要があります。私のクラスの場合は後期に入ってしばらくすると古文調の入り混じった小説が授業で扱われて予習に苦しんだ記憶があります。

教養英語
高校までによく経験する英語の授業と大きな違いはなく、英語の読解力と表現力を鍛えることを目的としている。教養英語読本という全員共通の教科書を使い長文読解をします。

アカデミック・ディスカッション(FLOW)
学生のスピーキング能力を向上させることを目的とした少人数制の英会話の授業です。英語レベルに応じて、自己申告で6段階にクラスが分けられます。また、ほとんどの場合、英語スピーチの自撮りを提出する課題があり、私は毎週2分のスピーチを提出しなければならなかったので大変でした。

アカデミック・ライティング(ALESA/ALESS)
文系はALESA、理系はALESSをそれぞれ履修します。英語で論文検索をして先行研究を調べたうえで、英語論文を書く能力を身につける授業で、私の履修したALESSでは自分たちで実験をしデータを集めていました。毎週、先行研究の英語論文を読んだり、論文の各部分を書き上げたりする必要があり、とても忙しかったでのすが、研究論文がどのように書かれているのかを体験でき、また論文に必要な情報についても学べました。

以上に挙げた科目以外にも英語中級という授業があり、これは区分としては総合科目ですがほとんどの人が履修するため実質必修科目です。

情報
全員共通の教科書を使いコンピュータ関連のことを幅広く学習します。簡単なプログラミングや機械学習の体験をしてみるといった授業でした。

身体運動・健康科学実習
いわゆる体育の授業です。テニス、サッカー、バスケ、バドミントン、陸上、ソフトボールといったメジャー競技以外にも太極拳やフィットネス、サイエンス(枕投げやカバディ、アルティメットなどマイナー競技をする)など珍しい種目もあります。運動が苦手な人も楽しめるようになっています。また、教員陣がとても豪華で元ナショナルチームコーチや実業団でプレーしていた人などがいます。

初年次ゼミナール(文科/理科)
同じ名前の科目であっても、文理でかなり内容が異なっている。理科はやや専門的な内容に触れてみようといった雰囲気の授業で数多くの選択肢の中から自分の興味のある授業を選んで履修します。私はちょっとしたプログラミングをして自分でロボットを作る授業を履修しました。当時はオンライン授業だったので自宅にロボットのキットが送られてきてそれを使って作品を作りました。初めてプログラミングに触れたので大変でしたが、前期課程ではあまり機会のない実践的な内容で楽しかったです。文科の場合は、レポートの書き方を身につけることを目的として、あるテーマを決めて小論文を書くそうです。ALESAの日本語版といった雰囲気のようです。

社会科学、人文科学
文科にのみある科目。法や経済、数学などがあり、必修科目であっても、ある程度選択することができます。

自然科学
理科にのみある科目。数学、物理、化学などの授業。理科生の場合は、必修の1番メインになります。

文/大久保直美(学生サポーター)
構成/「キミの東大」編集チーム