「自分が好きなものや、できるものを見極めながら大人になっていく」―人文社会系研究科・学生インタビュー
STUDENT VOICE 2024.03.22
2018.10.22
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東大の学生は、どのような学生生活を送っているのでしょうか? STUDENT VOICEでは、東大生が東大生にインタビューをし、大学での学びだけでなく、課外活動など、多様な活動に取り組んでいる東大生の学生生活を紹介します!
氏名: 木戸 大輔
所属: 医学部健康総合科学科
入学: 2016年度
出身校:富山県立砺波高等学校
もともと海外志向なのだという木戸さんは、外交官をめざして東大を志望したという。 高校生の頃は、まわりの多くは関西や名古屋の大学を志望しており、東京への進学をめざす人は多くなかったのだが、それでも、東京以外の大学への進学は考えていなかったと明言する。「外交官になるには東大に進学するのが一番だと思ったから、そして、2020年には東京オリンピックがあるから」と笑いながら理由を打ち明けてくれた。
東京に来てからは、たくさんの人やいろいろなものとの出会いがあったが、その中でも、オペラと出会ったことはとても大きかったと語る。今は「東大歌劇団」に所属してオペラを歌っている木戸さん。オペラの完全自主公演を行っているサークルを有する総合大学は少ないらしく、「歌劇団に入団できたことも東大に入学して良かったことの一つ」と考えているそうだ。
東京で生活するメリットは、「求めればいろいろなものが得られること」。例えばオペラについても、声楽の先生が多くそろっており、歌い手として活躍するチャンスもたくさん転がっている。しかし、それは同時に、上手に取捨選択しないとキャパシティオーバーに陥ってしまう危険性もはらんでいる。だから、自らの直観を信じて「やったら良さそうだな」と思うものだけを選び、それなりにセーブはしているようだ。
「今は下積み時代だから、失敗しても良いと思っている。ただ、自分の選択に納得できる理由を持つことと、どうして失敗したのか反省することは、大事にしている」
常に自己との対話を心掛ける姿勢が大切なのだと考えさせられた。
そんな木戸さんが進学先に選んだのは、医学部健康総合科学科だった。高校生のころから興味をもっていた福祉にかかわる勉強をすることにしたのだという。もちろん文科二類に在籍していたこともあって、経済学部と悩んだ末、2年生の春に行われた学部選択ガイダンスで健康総合科学科の先生の話を聞き、心を決めた。大学入学後に理転・文転できるという、東大の科類入学ならではの利点を生かした選択だった。
東大を志望している中高生のみなさんには、東大をめざす理由をしっかりもってほしいと話す。かつて、外交官をめざして東大を志望した木戸さんは、今では福祉の勉強をしつつオペラの道を究めたいと考えている。人生何があるかわからないが、大切なのは転がっているチャンスをつかめるよう、アンテナを高く張ること。「一見ゴミかと思えるものも、拾ってみたら実は宝石で、自分を輝かせてくれることがある」東京へ、そして世界へ、自分を磨き続ける決意をした東大生の内なる情熱を垣間見た。