続・オンラインで学園祭!―『第71回駒場祭』レポート (3)
駒場祭・五月祭
2021.01.14
2021.01.12
11月21日~23日に、「第71回駒場祭」がオンラインで開催されました。
例年、駒場祭は駒場キャンパスで11月に開催されますが、コロナ禍の今年は五月祭に続き、オンラインで開催される運びとなりました。「#駒場祭のかざりかた」を合言葉に創意工夫されたお祭りの様子を、「キミの東大」学生ライターたちがレポートします。
東大生ならでは 「学術企画をつくる」とは?―前編―
学園祭と言えば、出店で買い物をしたり、展示を見たり、「遊びに行く」様子を想像する人が多いかもしれません。ですが、企画を出展する側として学園祭に関われるのも大学生ならでは。特に駒場祭では毎年良質な学術企画が多数開催され、その多くは学生が一から企画・運営を行っています。
今回は、駒場祭で学術企画を出展した学生ライター2名にインタビューを敢行。「学術企画をつくる」魅力を話してもらいました。前編・後編の2回シリーズでお伝えします。
後編の記事はこちら
出展した企画:模擬裁判2020(法と社会と人権ゼミ)
語り手:加藤友樹さん(文科一類2年・「キミの東大」学生ライター)
法と社会と人権ゼミ、通称「川人ゼミ」は、社会の現場で働く方々からお話を伺ったり、実際の現場で体験活動を行ったりすることにより、社会の実態を知り、社会問題について考えるという団体です。もう30年近い歴史があるんですよ。
はい。毎年ゼミ内の有志で、模擬裁判劇を作り上げて駒場祭に出展しています。出演者は1年生が中心で、前年の出演者である2年生が脚本執筆や演技指導、広報活動などを担当します。
僕は今年、演技指導責任者と出演者という2つの顔を使い分けていました。
はい。さらに途中から、駒場祭全体の企画運営を行う駒場祭委員会とのやり取りも担うことになったため、やることが多岐にわたって大変でした。
私たちの企画はまさにオンライン配信での模擬裁判劇ということで、五月祭で視聴した模擬裁判の配信方法や特有の見せ方、熱の入った演技などはどれも非常に参考になりました。
そうですね。撮影班などは、「東京大学法律相談所」の担当の方とやり取りして撮影方法に関するアドバイスを頂くこともできました。演技指導責任者として、とても頼もしく感じました。
「他の出演者と一緒に劇を作り上げている」という感覚をリアルタイムで味わえて、とても充実していました。また、自分で役を演じてみることによって、実際の当事者の感覚を疑似体験でき、テーマとなっている社会課題をより身近に感じるようになりました。
今年は「医療過誤と新型感染症」をテーマに模擬裁判劇を制作しました。過去に多くの議論を呼んだ、実際の医療過誤裁判をベースにしています。そこに現代の世相を反映させることを意識して、今世界中を震撼させている新型コロナウイルス感染症を要素として加えました。
「実際の裁判の流れがわかって興味深かった」「当事者の声を聞く重要性が伝わった」という感想は、自分たちがこの裁判劇を通して伝えたかったことの中心部分が伝わっていたとわかるもので、印象に残っています。
一方、「やや感情的なやり取りが多かった」というご指摘も受けました。演劇という企画の特性上、感情に訴えかけることはある程度意識的に行ったものだったのですが、この辺りのバランスの取り方が難しいなと改めて感じました。こういった課題は来年運営してくれる後輩に託したいと思います。
「高校までのイベントよりはるかに多様なお客さんを前に、大学生活の成果を自由な形で発表できること」、これが魅力だと思います。
参考リンク
第71回駒場祭