オンラインで学園祭!―『第93回五月祭』レポート (2)

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五月祭2020

9月20日・21日に、「第93回五月祭」がオンラインで開催されました。
本来、五月祭は5月に本郷キャンパスで開催される東大の学園祭ですが、2020年5月は、新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言下。通常通りの実施は困難となりました。そんな中、「五月祭常任委員会」が中心となり、五月祭史上初オンライン開催が実現したのです。オンラインとはいえ、例年通り、いや、もしかすると例年以上の盛りだくさんの企画が催されました。
コロナ禍でも学園祭を!そんな想いを形にした「東大生の本気」の一部をお届けします!

ライブ、講演会、物販 etc…。企画の多様性は無限大。

本郷キャンパス中でバリエーション豊かな企画が催される従来の五月祭に負けず劣らず、オンライン五月祭でも実に様々な企画が立ち上がりました。当日は各企画が趣向を凝らし、インターネット上で臨場感溢れる「場」を演出したようです。第2回は、そんな工夫を凝らした企画の様子を学生ライターたちがレポートします。
第1回の記事はこちら

毎年恒例の名物企画、アカペラコンサートを自宅で鑑賞

参加した企画はこれ!:LaVoce アカペラコンサート(東京大学アカペラバンドサークルLaVoce)
レポート:なすのす(「キミの東大」学生ライター)

東大唯一のアカペラサークル、LaVoce(ラボーチェ)さんのアカペラは YouTube 上でプレミア公開され、私はオンタイムで視聴してきました。やはりというか……皆さん歌声が綺麗で、選曲も馴染みのある曲が多く楽しい時間でした。
たくさんのバンドを聴きましたが、どの歌声も上手なのはもちろん、個性が際立っている!バンド構成もさまざま。音声のみの部では画面にバンド名が書かれたイラストが映されており、このイラストにもバンドの個性が光っていました。動画編集も見やすかったです。
オンラインなので自分の好きな場所でリラックスして聴くことができたのもよかったです!普段のアカペラライブは、目当てのバンドの時間に間に合うか、混んでいないかとドキドキするのですが、オンラインだとその心配もない。
とはいえ……。やはり生の歌声が聴きたくなる企画でした。今度は対面で聴ける機会を楽しみにしています!

 

オンラインで刑事裁判をリアルに再現。「信じる」という普遍的なテーマに迫る

参加した企画はこれ!:模擬裁判(東京大学法律相談所)
レポート:加藤 友樹(「キミの東大」学生ライター・文科一類2年)

東日本大震災の被災地への義援金詐欺を題材とした今回の模擬裁判。詐欺の故意があったのかどうかが争われている主役に加え、義援金詐欺の被害者、詐欺の関係者がそれぞれ証人として出廷し、様々な証言が引き出されていきました。
この裁判劇を通して語られたテーマは、「信じる」ということでした。「何かを信じるから裏切られる」「人は見たいものだけを見て、信じたいものだけを信じる」などの証言を通して語られた言葉は、今回の裁判を離れた日常でもしばしば直面することになる重要なテーマだと感じました。相手の中に何らかの信頼できる点を見出したとしても、「それを信じるという決断は結局は自分本意のものなのではないか」ということや、「信じたくないものと出合ったときにそれとどう向き合うか」ということについて、感情のこもった演技から考えさせられました。
それぞれキャラの立った検察官や弁護人も魅力的で、証人の感情に訴えつつ絶妙な証言を引き出していく様子は、オンライン演劇ながら、現実の裁判に勝るとも劣らない臨場感でした。

 

オンラインショッピングで運動部を応援

参加した企画はこれ!:運動会イチ公のおみせ(東京大学運動会総務部)
レポート:てんとう虫(「キミの東大」学生ライター)

私の所属する運動部の友人が企画運営に携わっているご縁で、運動会総務部の「運動会イチ公のおみせ」に顔を出してみることにしました。東大運動会のグッズを通信販売するという初の試みです。通常は五月祭に来なければ購入できない東大運動会のグッズを、遠方に住む部員の保護者の方や中高生の手に届きやすくし、知名度の向上にも繋げられる素敵な企画だなと思いました。
運動会のキャラクター「イチ公」のグッズはどれも可愛く、普段使いしやすいハンカチやファイルから、一家に一体は欲しいぬいぐるみまで幅広く展開されていました。皆さん、運動会総務部のグッズ、要チェックですよ!
個人的にイチ公の可愛さがもっと世の中に広まって欲しいと思っているので、このようなオンラインでの試みが今後も続いてくれると嬉しいなと思っています!

東京大学運動会の活動を知ることができる「キミの東大・スポーツ特集2019」はこちらから

 

東大教授が「考える」を考える

参加した企画はこれ!:公開講座「『考える』力の鍛え方」(東京大学五月祭常任委員会)
レポート:穗原 充(「キミの東大」学生ライター・教養学部教養学科地域文化研究分科ロシア・東欧研究コース4年)

東京大学理学部教授の上田正仁先生の講演を通して、私は「考える力」というものについて捉え直してみました。

東大生・東大を目指す高校生が常に求め続けられる「考える力」。一言に「考える力」と言っても、高校と大学では質が異なるように思います。私が高校生の時は決まったパターンを素早くかつ正確に実行する力が要求されやすかったように思いますが、大学では、じっくりと本質に迫るための、「思考する力」が求められていると強く感じます。
この違いは東大生の間ではポピュラーな話でよく議論されるのですが、実際に「じっくりと本質に迫る思考する」ことを行動に移すのは難しいことです。今東大を目指している皆さんも、東大に入学すれば間もなくその難しさに気づくと思います。

では、大学で求められる考える力を得るために、私たちができることは何でしょうか?上田先生が講演を通して伝えていたのは、考えるプロセスには以下の4つの段階があるということです。
①不明点を言語化する~「分からない」から「ここが分からない」へ~
②情報を収集・整理する
③源流(古典)に触れる~基礎となる考え方をインストール~
④長い時間をかける癖をつける

この4つの段階すべてをやってのけるのには持久力が必要となります。そのため、壁にぶつかる機会も増えます。上田先生は、その壁を乗り越えるのに必要な工程も教えてくださいました。それが以下の4段階です。
①壁を知る・課題を見つける
②高い志を持つ・挑戦する勇気を持つ
③情報を整理して目標を明確にする
④問題にたどり着けたら諦めずに取り組む

私は研究者を目指しているので、この工程を常に意識して成長の糧にしようと改めて強く思いました。
そして、「キミの東大」を読む皆さんともこの思いを共有できるとうれしいです。数学の問題を得体の知れないままにしていませんか?記述問題から逃げていませんか?改めて自分を振り返るいい機会になればと思います。

最後に上田先生が放った言葉を共有します。
「壁は乗り越えようとする者にのみ現れる」
「ピンチの時こそチャンスは近い」

ぜひ一緒に「考える力」を磨きましょう!

穗原さんがロシア語の学習について語ってくれた「キミの東大・語学特集2019」はこちらから

 

参考リンク
第93回五月祭

2020.10.30
文/学生ライター
企画・構成/「キミの東大」企画・編集チーム