東大卒業後の進路【組織人事コンサルタント】―卒業生のいま(14)
卒業後の進路
2019.12.24
2019.05.30
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東大卒業生インタビュー
東大生の卒業後の進路をお伝えするインタビュー。今回は地元石川県のために県庁職員として働く山本美沙さんをご紹介します。東大での学びや経験をスタート地点として、山本さんが歩んできた道のりとは?
氏名: 山本美沙さん
出身高校: 金沢大学附属高等学校(石川県)
学部・大学院: 法学部
卒業後の進路: 石川県庁職員。空港企画課に所属し、県内に2つある空港(小松空港、のと里山空港)のうち小松空港の担当として、利用促進のための情報発信等を行っている
――石川県ご出身とのことですが、進学先に東大を選ばれたのはどういった経緯があったのでしょうか?
まず、大学進学後の将来像が見えていなかった私にとって、全員が前期課程で2年間総合的な学びができるという東大の進学選択制度が、とても魅力的に映ったからです。また、知名度が高く全国から優秀な人材が集まる東京大学で大学生活を送ることで、さまざまな出会いやより広い視野が手に入るとの期待がありました。
――実際に進学選択では、どのような決め手で法学部の第2類に進まれたのですか?
前期課程でさまざまな分野の講義を受ける中で、法律関係の講義が1番興味深く感じました。また、将来は法曹や研究より、就職、中でも公務員になりたいという思いを漠然と抱いていたので、卒業生の進路として一般就職が多い、第2類を選択しました。
――卒業後のお仕事の決めたきっかけを教えてください。
公務員になりたいとは思っていたんですけど、国家公務員か地方公務員かで迷っていました。そのときに、東大の体験活動プログラムである「ふるさとインターンシップ」の第1回が石川県で開催されると聞いて、参加したことが大きな転機となりました。
インターンシップでは、能登の中小企業への取材体験や、石川県庁でU・Iターン就職促進に向けたグループディスカッション等を行いました。石川を拠点に全国や世界にフィールドを広げて成長し続ける企業をいくつか訪問することで、自分の知らなかった、石川の産業面での強みを知ることができました。また、東大出身の県庁職員の方とお話しする機会がたくさんあり、その中で地元をより盛り上げるために懸ける熱意や思いの強さをお伺いして感銘を受けたことが、県庁を志望する動機の核となりました。
――インターンシップや大学生活を通じて、地元に対するどのようなイメージの変化があったのでしょうか?
大学進学前は自分の地元に対して「何もない」、「田舎だ」といったイメージばかりを抱いていましたが、いざ東京で一人暮らしを始めると、便利で華やかな都会の魅力に心が躍る一方で、当たり前のように食べていた美味しい寿司や刺身を日常的に食べることができなくなったり、どこに行くにもあまりの人の多さに辟易したりと、ふるさとが恋しくなる瞬間にたくさん遭遇しました。また、自分が思っていた以上に、石川の文化や食といった魅力に好意的な印象を抱いている人が多くいたことも、地元に再度目を向けるひとつのきっかけとなっていました。
周りの友人が続々大企業から内定をもらったり、国家公務員をめざしたりしている中で、地方に戻ることはイレギュラーなのかなと思い悩むこともありましたが、「地元石川のために働く」という自分の生き方の軸を見つけられたことは大きかったと思います。
――東大での学びは、現在のお仕事に活きていると感じますか?
はい。今の職場では直接法律を扱うことはありませんが、ひとつの課題解決に向けて論理的に思考し、考えを整理して他人に伝えるという姿勢は日々の業務に活きていると感じています。また何より、東大で4年間続けた応援部チアリーダーズで学んだ、チームで物事に向き合う際の話の進め方や振る舞い方が、チームで行う仕事に携わる際の立ち回り方に活かされていると思います。
――最後に、高校生・受験生にメッセージをお願いします。
高校生のときは、どの大学に進むかが人生を決めるくらいの気持ちで、がむしゃらに勉学に励んでいました。いま仕事をしていて思うのは、「大学が全てではない」ということです。結局、大切なのは学歴などではなくて、自分が何をめざしどのようなことをしたいかという、自分の「軸」をしっかりと持つことだと思います。ただ、その軸を見つけるにあたって必要なヒントをたくさん用意してくれているのが東京大学でした。綺麗ごとではなく、自分でも知らなかった自分自身を見つけ出す環境や仲間がそこにはいます。自分の将来像が見えていないという人こそ、ぜひ大学で幅広い知識と経験を積んでほしいと思います。