ちょっとひといき ちょっとひととき(11)-わたしの地元、わたしの暮らし
東大生コラム 2024.08.30
2024.12.10
テーマを絞って発信する東大生のコラム企画
第12回目のテーマは「大好きだから、キミに届けたい【映画編】」。幅広い趣味をもつ東大生がおすすめの映画を紹介します。作品はもちろんのこと、東大生への関心を高めるきっかけになればうれしいです!受験勉強の合間にちょっとひといきつきませんか?
これは、親子の絆と深い愛の物語。
「一緒に笑って、たまに怒って涙して。このありふれた毎日が宝物」。このキャッチフレーズが物語るように、都会の古民家で寄り添って暮らす、母親と自閉症を抱える息子のありふれた日常と、2人が社会の中で生きていく様を温かく誠実に描く。母親を加賀まりこさん、息子を塚地武雄さんが演じる。母親の珠子は占い師をしていて、とてもチャーミングな人柄だ。息子の忠男は、50歳の誕生日を迎えたばかりで、馬が大好きで、みんなには「忠さん」と呼ばれている。息子がグループホームに入居して、母と離れて暮らすことになり、2人の生活に変化が訪れ、地域コミュニティとの関係性の変化も描かれる。
母はやがて訪れる「息子が1人で生きる未来」を案じ、息子は環境の変化に耐えられなくなる。
2人の生活は少しずつ変化していくが、その根底には珠子さんの深い愛や2人の絆があり続ける。
映画のタイトルは、「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざに由来する。
樹木の剪定で木の特性にあった対処が必要であることから、人との関わりでも、相手の性格や特徴を理解しようと向き合うことが大事である、という意味だ。
2人の家にある、父親代わりの梅の木が“小さな奇跡”を運ぶ。
この映画の良さは、何も誇張しない、ありのままの自閉症を持つ子の家族を描いているところだ。
そして、障害を持つ子の親が抱く「親亡き後」の不安も、繊細に描かれている。
冒頭で、息子の50歳の誕生日に母が「このまま共倒れになっちゃうのかね?」と発するシーンも印象的だ。
私は、この映画を見ていると、気づいたら涙が溢れ、心がとても温かくなっていた。珠子さんの愛情に満たされたのかもしれない。
みなさんにも、ぜひこの愛を感じてほしいと思う。
「問いかけられている」の一語に尽きる。『Avatar』は人類による宇宙規模の「帝国主義」と「環境破壊」をテーマとするSF映画であり、公開から15年も経つとはにわかに信じられない。 最近見返して、ひとつの引っかかりを覚えた。主人公Jakeは脚が不自由で車椅子を用いている。アバターとしての身体を手に入れ、自分の足で立ち、自由に走り回る喜びにあふれる。最後はアバターの体でナヴィの生を生きる。 Jakeの身体の状態にはいかなる意味が付されているのか。そもそも、任務は脚の治療費と引き換えだった。その身体は克服の対象にとどめ置かれているように思われる。ナヴィ社会には彼のような外観・特徴を持つ者をほとんど見かけない。淘汰/排除は惑星パンドラでも「自然」とされてしまうのか。結局、身体が不自由であっても、人間社会はもとよりナヴィでも、そのまま包摂される道はないのだろうか。 あるいは、Jakeをめぐる姿は「鏡像」なのかもしれない。『Avatar』は向き合うことを見る者に求める、アクション映画では済まない問題作だ。
自分の好きな映画の中から、今回は『Crazy Rich Asians』を紹介します。この映画は、シンガポールを舞台にした、中華系アメリカ人女性と、シンガポール人男性の恋愛物語です。この映画は普通の恋愛映画とは異なり、彼氏の実家がとてつもなく大金持ちであり、このような人々がどのような暮らしをしているのかが、鮮明に描かれています。シンガポールに留学してみて初めて分かったのですが、この映画はかなり的確に現実を描いています。シンガポールでは、人口の約10%が富裕層です。彼ら彼女たちの暮らしぶりは、映画を観ていただければ一目瞭然、私たちの想像を遥かに超えていて、その世界観に没入することで、非日常感を味わえ、リフレッシュすることができます。また、この映画を通して、シンガポールについて、より詳しく知ることができます。例えば、映画のワンシーンに、日本では馴染みのないホーカーセンターが出てきますが、これはフードコートみたいなもので、現地の人はよく使います。このように知識が増えると、興味の幅が広がると思うので、映画を観終わった後は、ぜひシンガポールに旅行に行ってみてください!
この映画を知ったきっかけは、高校時代の世界史の先生がオススメの映画の一つとして取り上げてくれたことだ。実話を基に描かれたこの作品は、後にアメリカ最高裁判事となるルース・ベイター・ギンズバーグ(以下 RBG)の物語だ。彼女が男女平等の実現をめざし、逆境に立ち向かいながら裁判に挑む姿が胸に響いた。RBGはハーバード大学院を修了したにもかかわらず、女性という理由だけで法律事務所に採用されない。その時代背景に驚きつつも、それから50 年という短い時間で、社会が変わりつつあることに希望を感じた。一方で、私自身は「ジェンダーの壁」が存在すると感じることも多い。東京大学での女性比率の低さ、特に私が属する理科一類では女性比率が10%に満たないこともその一例だろう。しかし、映画を観終えた後は、RBGのようにかつて男女平等のために粘り強く活動した人々がいたからこそ、今があるのだと勇気づけられた。私もRBGのように粘り強くありたいと思った。
スター・ウォーズシリーズは、遠い昔、銀河系で繰り広げられる善と悪の戦いを描いたスペースオペラです。物語の中心には「フォース」と呼ばれる神秘的な力があり、これを操るジェダイとシスが銀河の運命を左右します。ジェダイは平和と正義を守る騎士団ですが、シスはフォースの暗黒面を使って権力を求めます。実は、高校生の頃から『スター・ウォーズ』にはなんとなく興味を持っていたのですが、全部で9作あり、とても長いので、なかなか見る機会を得られずにいました。大学生になり、ディズニープラスという、ディズニーやマーベル映画見放題のサブスクリプションサービスに加入し、ようやく全作品を見ることができました。『スター・ウォーズ』の魅力は、いくつもの要素が組み合わさって作り出される壮大な世界観と、時代を超えて愛されるテーマにあると思います。たとえば、宇宙を舞台に、惑星、種族、テクノロジー、歴史などが詳細に描かれた独自の世界観を持っています。この設定の緻密さが、ファンにとってリアリティを与え、物語の舞台である銀河に没入できる要因だと感じます。
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