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「推薦入試を通じて学びたいことが明瞭になりました。社会が向かうべき未来を、教育の観点から見出したい」――2018推薦生インタビュー(5) 教育学部

2019.03.22

推薦生2018

#推薦入試 #推薦入試 #教育学部の人 #教育学部の人

PROFILE

丸川海音さん(教育学部進学予定)

出身地 広島県
高校 広島県立広島高等学校

―教育学部を受験しよう、推薦入試で受験しようと思い立った経緯について教えていただけますか。

高校時代に県の教育委員会が行っているプログラムに参加させていただいたのをきっかけに、教育に関心を持つようになりました。学校でやっていた課題研究の中で、やっぱり教育にしかできないことがあると思ったんです。
教員になりたいという思いもあったんですけども、教育の道をもっと広い視野で捉えてみたいなと思いまして教育学部にしました。

もともと東京大学を志望していて、推薦についてはいろいろ考えたんですが、自分がすごく教育に興味があるので、もし熱意だとか、自分の教育への考え方だとかを評価してもらえるのであれば、そちらをぜひ評価していただきたいなと思って推薦入試を利用しました。

―教育にしかできないこととは、具体的はどういうことでしょうか。

社会にはいろんな問題がありますが、私はそれに対して教育というアプローチから考えていきたいと思っています。例えば法律や経済と比べてみると、法律は今、起こってることに歯止めを利かせる役割があり、経済は、起きていることをより効率的に進めるという役割があると思うんですけど、次どこへ向かっていくのか、未来を示してあげる役割はどこが担うのか、と思ったときに、それは「教育」だろうと。

―今後の社会を設計するにあたって根本的な解決を見いだすうえで教育ってすごく重要な役割を果たすんではないかと考えたのですね。

はい。変化が大きい社会では、次にどこへ向かうのか立ち止まって考えることが大事になると思っていて、それが教育の役割なんじゃないかなと。

自分が広島出身なんで戦争記憶をどうやって継承していくかとか、それ以外にも東日本大震災や熊本大震災をどうするのか。あるいは虐待を受けた経験がある友達がいたりと、いろんな課題が社会にあって、自分が全部、解決することはできないとしても、責任を持って関わるためにはどうしたらいいのかなって考えたときに、教育だと考えたんです。

―関心が幅広いようですね。

そうですね。今から勉強してみないとわかんないなと思うんですけど、教育哲学という領域よりは、実際に今、何が起こっているのかっていうことを深く検討することに強みがある領域を学んでいきたいなと思っています。

―教育学部に進学をするというようなことを高校のいつ頃決心しましたか。

高3の春に、東大の教育学部の推薦入試を受けようと。

―推薦入試には自己アピールが必要ですが、どこをアピールされましたか?

特にすごいイベントがあったわけではなくって、そこが不安でもあったんです。だから、なぜ自分が教育学部を志望したのかということをしっかり考えて、どうしても教育を学びたいっていう熱意が伝わるようにと考えました。それで、一番やるべきは研究論文だということになったんですけど。

―研究論文は、先ほどお話していたプログラムで書いたもの?

はい。あとはストーリーというか、高校生活を通じて、ずっとどういうことを考えていて、その中で研究論文とか、私が参加した教育プログラムがどういう位置付けにあって、これらが自分にとってどういう意味を持っているのかということを、しっかり考えるようにしました。実際、どこを評価してもらえたのかはわかりませんが…。

―1つお伺いしたいのは、推薦入学者は、原則として専門を変えられませんが、そこに対しての不安や迷いはなかったですか。

そういう話を耳にすることもありました。実際に推薦で行った先輩が本当に専門を変えたくて迷っているみたいな話を聞いたこともあって、若干、不安はあったんですが、一般の高校生が大学に入ってからの研究というものを深く考えることも難しいですし、だから変更できないこともそんなに気にしなかったというのが本当のところです。

個人的な意見として、一般入試で入学した人も、学部や学科までは決めてないにしても、それぞれにバックグラウンドがあって、そのなかで培われた興味に沿って学ぶことを選んでいくと思うんですよ。教養時代(前期課程時代)の授業の取り方もそういうところがあるのではないかなと。だから、自分たちはたまたま大学の専門が決まっているというバックグラウンドをすでに持っている、というだけではないか、一般入試で入学した学生とものすごく違うということでもないのではないか、と思っていて。

それに、1年生の時からどこかに軸足を置いて、様々なことを学べるというのは、大学の仕組みをより活用できるということでもないかなと思ってます。

―そういうお考えには、どうやって至ったんですか?きっと同じ学校で東大を一般入試で受けた方がいたとしても、そこまで考えてないんじゃないかなと。

やっぱり推薦入試を受けたからなんだろうなと思います。

ただ、今は高校段階でも大学でやるような研究活動を経験してみようっていう機運があると思うんですね。自分が出た高校もそうでした。それのいいところって、単に論文の書き方を学べるということだけじゃなく、研究したことを公開することにもあると思うんです。人に伝えるとなると、自分の関心により自覚的になりますから。だから、自分の学校でも、課題研究を通じて何がやりたいのかをちゃんと考えていた友達が多かったように思います。

―そうでしたか。わかりました。それでは最後に、東大を目指している後輩たちに何かメッセージをお願いします。

推薦入試で一番良かったことは、もちろんそれで大学に入れたことですが、でも、それだけじゃなくて、自分が社会のために何ができるのかとか、自分がやってること、自分がやってきたことにどんな意味があるんだろうってことを考えるきっかけにもなったことだと思っています。その作業はつらいこともたくさんありますが、でも、とても重要なことだと思っています。

だから推薦入試っていう仕組みは、自分の学びの意味を考えるきっかけになるという意味で、人間的に成長させてくれるものだと思います。一般入試を受けるにしても、なんで自分はそんな一生懸命、受験勉強やってるんだろうなって、考える機会があったらいいんじゃないかなと思います。

―ありがとうございました。
 

2019.3.22
インタビュー/東京大学高大接続研究開発センター教授・濱中淳子
構成/ライター・大島七々三