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「推薦入試を通じて学びたいことが明確に。社会が向かうべき未来を教育の観点から見出す!」―2018推薦生インタビュー 教育学部

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PROFILE

  • 氏名:   丸川海音さん
  • 出身校:  広島県立広島高等学校
  • 入学:   2018年 文科三類(教育学部進学予定)

――教育学部を推薦入試で受験しようと思い立った経緯について教えてください。
高校時代に県の教育委員会が行っているプログラムに参加させていただいたのをきっかけに、教育に関心を持つようになりました。学校でやっていた課題研究の中で、やっぱり教育にしかできないことがあると思ったんです。教員になりたいという思いもあったんですけど、教育の道をもっと広い視野で捉えてみたいなと思いまして教育学部にしました。
もともと東京大学を志望していて、推薦についてもいろいろ考えていたのですが、自分がすごく教育に興味があるので、もし熱意だとか、自分の教育への考え方だとかを評価してもらえるのであれば、こんな機会はないなと思って推薦入試に挑戦しました。

――教育にしかできないこととは、具体的はどういうことでしょうか?
社会にはいろんな問題がありますが、私はそれに対して教育というアプローチから考えていきたいと思っています。例えば、法律や経済と比べてみると、法律は今、起こってることに歯止めを利かせる役割があり、経済は、起きていることをより効率的に進めるという役割があると思うんですけど、次どこへ向かっていくのか、未来を示してあげる役割はどこが担うのかと思ったときに、それは「教育」だろうと思いました。

――今後の社会を設計するにあたって根本的な解決を見出すのに教育がすごく重要な役割を果たすのではと考えたのですね。
はい。変化が大きい社会では、次にどこへ向かうのか立ち止まって考えることが大事になると思っていて、それが教育の役割なんじゃないかなと思っています。
自分が広島出身なので「戦争記憶をどうやって継承していくか」とか、それ以外にも「東日本大震災や熊本大震災をどうするのか」など、いろんな課題が社会にあって、自分が全部、解決することはできないとしても、責任をもって関わるためにはどうしたらいいのかなって考えたときに、教育だと考えたんです。

――大学ではどんなことを学びたいと思っていますか。
今から勉強してみないとわからないこともたくさんあると思うんですけど、教育哲学という領域よりは、実際に今、何が起こっているのかっていうことを深く検討することに強みがある領域を学んでいきたいなと思っています。

――教育学部に進学を考えたのは高校のいつ頃ですか?
高3の春に、東大の教育学部の推薦入試を受けようと決心しました。

――推薦入試には自己アピールが必要ですが、どこをアピールされましたか?
特別な活動をしていたわけではなかったので、そこが不安でもあったんですけど、だからこそ、なぜ自分が教育学部を志望したのかということをしっかり考えて、どうしても教育を学びたいっていう熱意が伝わるようにいろいろ考えました。
研究論文は、ストーリーというか、高校生活を通じて、ずっとどういうことを考えていて、参加した教育プログラムがどういう位置づけにあって、自分にとってどういう意味をもっているのかなどを考えて、仕上げました。実際、どこを評価してもらえたのかはわかりませんが…。

――推薦入学者は、原則として専門を変えられませんが、そこに対しての不安や迷いはありましたか?
実際に推薦で入学した先輩から、本当に専門を変えたくて迷っているという話を聞いたことがあって、若干、不安はありました。でも、一般の高校生が大学に入ってからの研究について深く考えることは難しいですし、推薦入試で専門を変更できなくても、私はそんなに気にしなかったというのが本当のところです。
個人的な意見として、一般入試で入学した人も、学部や学科までは決めてないにしても、それぞれにバックグラウンドがあって、そのなかで培われた興味に沿って学ぶことを選んでいくと思うんですよ。前期課程の授業の取り方もそういうところがあるのではないかなと思っていて、自分たちはたまたま大学の専門が決まっているというバックグラウンドをすでに持っているというだけで、一般入試で入学した学生とものすごく違うということではないのかなと思います。

――そういうお考えには、どうやって至ったんですか?
やっぱり推薦入試を受けたからなんだろうなと思います。ただ、今は高校段階でも大学でやるような研究活動を経験してみようっていう機運があると思うんですね。自分が出た高校もそうでしたが、それのいいところって、単に論文の書き方を学べるということだけじゃなく、研究したことを公開することにもあると思うんです。人に伝えるとなると、自分の関心により自覚的になるので、自分の学校でも、課題研究を通じて何がやりたいのかをちゃんと考えていた友達が多かったように思います。

―最後に、東大を目指している高校生にメッセージをお願いします。
推薦入試で一番良かったことは、もちろんそれで大学に入れたことですが、でも、それだけじゃなくて、自分が社会のために何ができるのかとか、自分がやっていること、自分がやってきたことにどんな意味があるんだろうってことを考えるきっかけにもなったことだと思っています。その作業はつらいこともたくさんありますが、とても重要なことだと思っています。推薦入試という仕組みは、自分の学びの意味を考えるきっかけになるので、人間的に成長させてくれるものだと思います。一般入試を受けるにしても、なんで自分はそんな一生懸命、受験勉強やってるんだろうなって、考える機会があったらいいんじゃないかなと思います。

――ありがとうございました。有意義な大学生活になりますように!
 

取材/2018年4月
インタビュー/東京大学高大接続研究開発センター教授・濱中淳子(当時)
構成/大島七々三、「キミの東大」企画・編集チーム