• TOP >
  • 東大に入ろう >
  • 推薦生(2023-2018) >
  • 「幅広い領域に関わる教養学部を選択。高校時代から取り組んできたトイレ研究を深めたい」―2018推薦生インタビュー 教養学部

「幅広い領域に関わる教養学部を選択。高校時代から取り組んできたトイレ研究を深めたい」―2018推薦生インタビュー 教養学部

#学校推薦型選抜(推薦入試) #学校推薦型選抜(推薦入試) #学生インタビュー #学生インタビュー #推薦生 #推薦生 #教養学部の人 #教養学部の人

PROFILE

  • 氏名:   谷口智海さん
  • 出身校:  鹿児島県立甲南高等学校
  • 入学:   2018年 理科二類(教養学部進学予定)

――高校時代から、トイレの研究をされていたそうですが、トイレをテーマにした理由を教えていただけますか?
そもそも私は幼い頃、よくトイレに行く子どもだったんです。トイレに困るという話は結構よく聞くのですが、同時に、トイレに関してはあまり報道もされないし、注目もされていないなと感じていました。そうしたなか、高2の春、高校で取り組む研究のテーマを考えていた時、ちょうど熊本地震が発生し、実家が鹿児島で距離的に近いということもあって、いろいろ調べたのですが、やはりトイレの情報が全然ないなと感じました。それでさらに調べていくうちに、東日本大震災でも、阪神・淡路大震災でも同じような状況があったということを知って、もし災害が起きたときにトイレがなかったら、自分だったら嫌だなって思うようになって、はまっていったという感じです。

――トイレ研究をするために教養学部を選択したのですか?
はい。トイレのあり方については、文化や宗教など、文系の視点から考える必要もあり、他方で、微生物の働きを踏まえて考えなければならないという理系的な側面も絡んでいて、トイレというものを考えたときに、結局いろんなことを知っていたほうが役に立つんじゃないかと思って、教養学部にしました。

――教養学部であっても、理系か文系かどちらかに軸足を置くことになると思いますが、どうお考えですか?
理系ですね。今は微生物に興味があるので、理系に軸足を置きつつ、ほかの視点も取り入れていきたいと考えています。

――微生物とトイレってどう関連しているのか、簡単に教えてください。
災害用のトイレで、水を使わないトイレっていうのがあって、おがくずと微生物を混ぜて分解するものなんですが、それを知ったときに微生物って、もっといろいろと活用できるんじゃないかと考えました。

――どんな活用法を考えていますか?
水が供給されないような災害時とかに役立つようなトイレ開発に興味があって、水が満足に供給されない状況というのは、例えば、アフリカなどの水道をはじめとしたインフラが整備されていない地域がありますが、そういうところでも活用できるんじゃないかなと考えています。

――東大の推薦入試を考え始めたきっかけを教えていただけますか?
もともとは東大に行きたいっていう思いがあって、一般入試での受験を考えていたのですが、先生から、推薦入試も視野に入れて考えてみたらいいのではないかという提案がありました。

――学校の先生からのお声がけがあったんですね。
最初は先生から教育学部を受けたらどうかと言われました。トイレ問題にも教育が必要っていうのは確かにあるので、そういうアプローチも面白そうだし、教育学部の受験を考えていた時期もありました。でも、もっと広い視野から考えたいなと思うようになって、それで、教養学部を受けようと思いました。

――大学に入ると、さまざまな研究テーマに触れる機会が出てくると思いますが、今後もトイレ研究を進めていくのでしょうか?
私もさまざまな研究に触れることで、関心が変わっていくこともあるだろうとは思っていたのですが、ほかの授業で何かリサーチする必要が出てきても、常にトイレに関連付けて考えている自分がいます。高2からずっとやってきて、ほかの分野のことを知らないともいえますが、自分にとって「ブレない研究テーマ」に巡りあったということなのかなというふうに今は思っています。

――トイレ研究が天職なのかもしれませんね。将来はどのように考えていますか?
東京での生活を始めたばかりなので、今はまだ考え中です。研究開発に興味があるので、企業で研究をしてみたいなと思っています。

――最後に、東大に入って1カ月たって、受験を控えている高校生に一言、メッセージをいただけますか?
私は高校で陸上部に所属していて、勉強と部活と研究という3本を一生懸命やっていました。部活に真剣に取り組んだからこそ、ほかの勉強や研究も頑張れたと思っているんです。ですから入試の準備も大変だと思いますが、今やっている勉強以外のこともあきらめないで、やり切ることで目標を達成してもらいたいと思います。

――ちなみに、大学でも陸上をする予定ですか?
陸上競技に取り組めるのも大学までかなと思っていて、今は全学の陸上運動部に所属し陸上競技を続けています。

――大学でも陸上部でのご活躍とともに、トイレ研究へのチャレンジ、期待してます!ありがとうございました。
 

取材/2018年4月
インタビュー/東京大学高大接続研究開発センター教授・濱中淳子(当時)
構成/大島七々三、「キミの東大」企画・編集チーム