ちょっとひといき ちょっとひととき(11)-わたしの地元、わたしの暮らし
東大生コラム 2024.08.30
2024.06.27
テーマを絞って発信する東大生のコラム企画
第10回目のテーマは「東大生のともだち」。ちょっと気になる東大生の友達事情。多様な価値観をもった人が多いと言われているけど、実際はどうなんでしょう。現役東大生のお話を読んで、ちょっとひといきつきませんか?
中高での私はとても消極的で、休日も一人でいることが多かった。このような生活が悪いとは言っていない。友達をたくさん作ることが正義だとも思っていない。しかし、大学でも狭い交友関係の中で過ごすのだろうという私の予想は、ことごとく裏切られたのだ。
大学でできた友達は何事にも意欲的で、休日にはすぐどこかに私を連れ出そうとする。初めは「こんなはずではない」と思っていたが、次第に新たな自分を発見するようになった。サークルは一つ所属すれば十分だと思っていたが、友達に流されて三つも入ってしまった。おかげで忙しく充実した日々を送っている。集団は苦手だと思っていたが、大勢でボウリングやタコパをするのも悪くない。中高に比べて交友関係は倍以上に広がった。
何度も言うが、今風にいうと「陰」から「陽」への多少の変化を喜んでいるのではないし、その言葉も好きではない。ただ、関わってこなかったタイプの人と友達になることで、知らなかった自分が現れてくるのだ。東大には自分と違うタイプの人間がごろごろいる。これからの出会いを楽しみにしたい。
大学入学前日、私は「友達できるかな」、「親元を離れて話す人がいなかったらどうしよう」と久々の心配をした覚えがあります。しかし、そんな心配は杞憂だとすぐにわかりました。なぜなら、私は大学の国際寮に入り、中でも地方出身の1,2年の女子学生が集まる棟で暮らすことになったからです。寮では、自室にはベッド、机、冷蔵庫と洗面台だけ、共用でキッチンやダイニング、大きなテレビやソファがありました。そこでは自然と生活の中で、一人暮らしを始めたばかりの同級生と話す機会があって、課題を一緒にやったり、東京オリンピックのときにはみんなでテレビを囲んで応援したり、同級生の誕生日にはみんなでピザやお寿司を食べたり、ディズニーランドに行ったりしました。みんな科類も出身もばらばらで、きっと寮で一緒でなければ大学内ですれ違っても知ることのなかった仲間だろうと思います。地元を離れて心細いときに、いつでもすぐに会える人がいる、いつでも存在を感じることができる状況はとても良かったです。
東大に入学して一年経ち思うのは、この大学には本当に多才な人が多いなということです。私の友達もみんな勉強ができるだけでなく、楽器ができるだとか、スイーツ作りがとても得意だとか、標本作りがとても上手いといったように尊敬できる特技を持っています。そして、私が今回紹介したい友達の特技は魚捌きです。彼は九州から上京してきて、大学生になってから魚を捌き始めたそうです。魚のオークションサイトで魚を仕入れては、よく休日に捌いて料理をしています。家には魚を捌くために何種類もの包丁を取り揃えていて、毎月一万円近く魚に使っているそうです。そして、調理した魚をよく私たちに振る舞ってくれます。この間はなんと彼が家で仕入れたノドグロを振舞ってくれました!加えていかにお魚を上手く捌くかという授業をしてくれました(笑)。魚を綺麗に捌くのは想像より難しく、細かい作業が必要であるという学びを得ました。友達を通して自分の世界が広がるなぁと感じた瞬間でした。
日本では人生の区切りがないと、なかなか新しい「ともだち」がつくりにくいように思えます。
大学入学は学生のうちにやってくる最後の大きな区切りですが、みなさんの参考になればと思い、私が当時、実践してよかったと思うことを書き留めておきます。
1.クラスの集まりにたびたび顔を出すこと。
2.多様なサークル・部活動に入ること。
3.交流の多い寮に入ること。
4.自分を素直に表現すること。
大学に入学して初めての新しい「ともだち」は、まだ直接顔も見たことがないうちにできました。私がLINEにback numberの曲を登録していたのを見て、「back number好きなんですね?」といきなりLINEをくれたのがきっかけで、今でも仲良くしています。
新しいクラス、新しいサークル、新しい住まい、いくらでもチャンスはあります。そして、よくよく考えてみるとそんなチャンスはつくろうと思ったら、いつだって自分でつくることができます。だから、そもそも大学入学という区切りにあまりこだわる必要もありません。
ぜひみなさんも、それぞれ自分なりの「ともだち」づくりをじっくりと探究していってください。
私が紹介したい友達は、大学2年生の時に参加した国際研修という授業で知りあった友達です。 これは、特殊な授業で、夏休みに3週間程度、アメリカのサンフランシスコに行って、現地の大学の授業を受ける、という授業です。滞在期間中は、大学指定のレンタルスペースで共同生活をするため、もちろん、とても仲良くなります! 私は、この授業で知り合った友達といまだに仲が良く、月に1回、このプログラムに参加した女子友達5人と集まって、わいわいお話をしながら、美味しいご飯を食べに行っています。写真は、東京駅付近のフルーツビストロに食べに行った時の写真です。ほかにも、埼玉まで足を伸ばしたり、お互いに誕生日プレゼントを渡しあって、誕生日を祝ったりしています。 メンバーはみんな海外旅行が好きなので「また全員で海外旅行に行けたら良いね」とよく話しています。このように、通常の授業以外にも様々なプログラムが用意されていたり、また少人数の授業があったりして、そこでの出会いを通して、人間関係が広げられるのは、駒場の授業の魅力かなと思います!
私の同期はみんな動物が好き。同じことに興味があってか仲が良く、試験の時はみんなで協力して対策する。昼休みには、大学近くのお店にご飯を食べに行くこともあるし、友達の家で、夜ご飯を食べることもある。もちろん、休みの日に一緒に遊ぶことも楽しい。
夏休みに、友達3人と昆虫採集に行ったことがある。生まれてこの方ずっと東京に住んでいる私にとっては新鮮な体験で、誘ってくれた友達には感謝している。夜中に外に出て、いろいろな昆虫が活動している様子を見ることができたのは、とても刺激的であった。楽しかったのでまた今年も計画しているところで、カブトムシやクワガタを見つけられればいいなと考えている。
同期の中には友達同士で一緒に競馬場や動物園、水族館に行っている人もいる。動物好きの仲間との日々は楽しく、また互いに高め合えるので凄く充実している。東大での学びは、学問や勉強そのものだけでなく、気の合う友達と出会い、充実した時間を過ごしていることも含まれていると思う。
わたしの初めての大学の友達はオンラインでの出会い。
わたしが大学1年の時は新型コロナウイルス禍の真っ只中で、授業は全部オンライン授業。
当時は、クラスメイトと会うことも容易に叶いませんでした。オンライン授業では、決まっていつもカメラオフで、一風変わったアイコンのクラスメイトがいて、ずっと気になっていました。ある日、オンライン上でクラスのみんなで集まることになり、思い切ってその人に話してかけてみると、まさかの同じ寮に住んでいることが判明。いざ会ってみると、話の面白い人ですぐに意気投合。もちろん、お互いすぐに会える大学の友達はほかにいなかったので、ご飯も遊びもずっと一緒でした。クラスのみんなは、それぞれ違う学部に進んで疎遠になってしまっても、大学から寮に帰れば、その人はずっと近くにいました。コロナが収まり、ようやく日常が戻ってきつつありますが、お互いサークルやら研究やらで忙しくなってしまっても、変わらず同じ屋根の下で暮らしています。