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東大卒業生インタビュー・地方公務員「地元に戻って良かったことなら、いくらでもありますよ」

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東大卒業生インタビュー

東大生の卒業後のいろいろな進路をお伝えするインタビュー。今回は、東大の工学部都市工学科を卒業し、大学院で修士号を取得後、静岡県庁に就職された太田智久さんにお話を伺ってきました。静岡といえば、富士山やお茶、お肉にお魚と、東西に魅力の溢れる県です。今回、太田さんに「地方から東京に出ることの意義」と、「地方に戻ることの魅力」についてお話しいただきました。

PROFILE

太田 智久 さん

出身:静岡県立清水東高等学校
入学年度・進路:1993年 理科一類入学→工学部都市工学科環境衛生工学コース 卒業。その後、同大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程修了。
お仕事:静岡県庁 地方公務員

いろんな世界を見てみたかった

―まず、志望校として東大を選んだ理由を教えてください。

高校生当時の僕はそれまでを地元で過ごしたこともあり、刺激を求めていました。僕の通っていた高校は受験には意欲的な学校だったので、周囲には東大や京大を目指す生徒もいて。また、予備校が主催の全国の高校生が集まる合宿に参加したことがあったんですが、そこで全国の高校生と触れ合って、いろんな世界を見てみたいなと感じました。東京に出ればそれが叶うかと思い、より勉強を頑張るようになりましたね。

―なるほど。入学前から工学部都市工学科に進学したいと考えていたのですか?

いえ。都市工学に興味があると気づいたのは、東大に入学してからです。今思えば、なんとなく将来のビジョンとして「人の役に立ちたい」とは考えていたと思うのですが、当時、自覚はありませんでした。理科I類入学だったので、入学後は物理や数学などを勉強していくんですが、僕はどちらかというと化学が好きで。環境保全が叫ばれる時代の入り口にいたので、環境衛生工学に興味を持ち、工学部の都市工学科環境衛生工学コースに進みました。その点、入学後の進学振り分け(現在の進学選択)で進路を決められる東大は魅力的だと思います。

―そうなんですね。夢に見た学生生活が始まったわけですが、故郷を恋しく思うことはありませんでしたか?

それはありますよ。たぶん、皆あります。(笑) 静岡って富士山ももちろんですけど、山が多いんです。それで、在学中、急に山が恋しくなって、電車で山の見えるところに行ったこともありました。

―そんなことが(笑)。 私も地方出身なので、よくわかります。

【教えてもらった静岡県の魅力的な施設(1)日本平夢テラス】
名勝「日本平」に静岡県と静岡市が連携して作った展望施設(2018年11月オープン)
 

静岡というフィールドを持つ

―大学の卒業後はそのまま修士に進まれたんですよね。

はい。当時の僕は研究職もいいなと思っていたので。下水道における微生物の動態を研究していたのですが、実験が多い毎日を過ごしていました。でも、結果として博士には進まなかったんです。

―それは、どうしてでしょうか。

もちろん研究職は魅力的な仕事です。科学の発展という形で人の役に立っています。ただ、僕はより身近なところで人の役に立てればと思ったんです。静岡というフィールドを持って、県民の皆さんに直接関わる仕事ができればいいなと考え、県職員の道を選びました。他の地方自治体なんかも候補にはあったのですが、自分がどのフィールドに立ちたいか考えたとき、一番に思い浮かぶのはやっぱり故郷の静岡県でした。

―取材に来てみてわかります。とても素敵なところですよね。

【教えてもらった静岡県の魅力的な施設(2) 富士山世界遺産センター】
静岡県富士宮市に2017年12月にオープンした、逆さ富士が印象的な、世界遺産富士山を学べる施設
 

地元に戻って良かったこと

―地元に戻ると、東京に比べてアクセスできる情報などは少なくなる印象があるのですが、不便に感じたことはありませんでしたか?

不便なこと……、はありませんでしたね。これは静岡の魅力でもあると思うのですが、東京は案外近いです。静岡から東京までは新幹線を使えば1時間ですから、東京に行きたくなれば行っていました。

―なるほど。東京は案外近いっていうのは全国的にも言えることかもしれませんね。気持ちのハードルの割に、今は交通も発達していますし。

はい。逆に、地元に戻って良かったことならいくらでもありますよ。

―というと?

自分の生まれ育った土地として愛着がある、家族の近くに居られる。あとは、僕の場合、自分の仕事の成果が身近に感じられるのは本当に幸せです。自分が携わった道路が初めて地図に載ったときの感動は、今でも忘れられません。

―なるほど。東大時代の経験が今に活きているという実感はありますか?

働き始めたばかりの頃はあまり感じていませんでしたが、徐々に、東大で出会った友人や先輩たちとのつながりを意識するようになりました。近くにいるわけではなくても、思わぬところで昔の知り合いに助けられたり、不意につながったりします。そのような繋がりは、東大で得られた財産です。

―地元に戻られた今でも、学生時代の人脈が財産として活きていると。素敵です。


地域の皆さんとのワークショップで説明をする太田さん

 

高校生・受験生の皆さんへ

―最後に、高校生・受験生の方にメッセージをお願いします。

そうですね、東大は、たくさんの出会いがある場所です。最初、刺激を求めて東大を目指した私でも、自分が思っていた以上の出会いを得ることができました。それらの出会いは皆さんの人生の財産ですから、目指してみる価値はあると思います。

そして特に地方の生徒さんには、地方を離れることはデメリットではないとも伝えたいです。大学で外を見てみることは、決してその後の可能性を減らすことにはなりません。住む場所というのは、人生における幸せの拠点です。自分はどんな場所で暮らしたいか、学生時代にいろんな可能性を検討してみてください。
また、ぜひお休みには、富士山やお茶だけでなくいろんな魅力がある静岡県に遊びに来てください!

―ありがとうございました。読者の皆さん、ぜひ東大(そして静岡)に!

2018.2.13
インタビュー・構成/学生ライター・林怜美