東大卒業生インタビュー・東大職員―大学では「新しいことにたくさん挑戦すること」を目標に

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東大卒業生インタビュー

東大生の卒業後の進路をお伝えするインタビュー。今回は、卒業後、母校である東大に大学職員として就職した文学部卒業生のお話を聞いてきました。そもそも東大を志望した理由から、現在の大学職員のお仕事まで語ってもらいました。

PROFILE

氏名:     小口眞緒さん
出身高校:   長野県松本深志高等学校
学部・大学院: 文学部 心理学専修
卒業後の進路: 東京大学入試課入試企画・広報チーム 職員

 

読書が好きだから、文科三類に

――まず、高校時代を振り返って、東大をめざされた経緯を教えてください。
東大を意識したのは、高校1年の夏です。私は長野県出身ですが、高校時代の恩師に背中を押され、夏のオープンキャンパスに参加してみたことがきっかけでした。そのときは公開授業を受けて、現役の学生さんの話をお聞きしました。東大の雰囲気にただただ圧倒されたことをまだしっかりと覚えています。

――最初から文科三類を志望されていたのですか?
小さい頃から本が好きだったので「文科三類かな」と思っていました。ただ、高校時代の私は、将来進みたい道をひとつに決めていた訳ではなかったので、東大に進学選択制度があると聞いて、とても魅力に感じました。

――確かに、東大はそうやって科類を選択する人も少なくないですよね。
私は大学に入ってから、前期課程での学びを通して、心理学に興味をもったので、文学部の心理学専修課程に進みました。
 

マジックに魅せられて心理学専修へ

――心理学のどういったところに興味をもたれたのでしょうか?
実は私、大学に入ったら新しいことを始めてみようと決めていて、東大の奇術愛好会というマジックのサークルに入りました。それがとても楽しくて、勉強とサークルに明け暮れる毎日を過ごしていました。マジックというのは、私たちが日頃当たり前に信じていることの裏をかくものなんです。そこにおもしろさを感じたのも、心理学に興味をもったきっかけでした。文学部の心理学専修は人間の知覚や、脳の働きなどをよく扱います。私はそこで錯視(視覚の錯覚)の勉強をしていました。

――新しいことを始めてみたいという気持ちが、専攻を決めるきっかけになったんですね。
「新しいことに挑戦する」というのは、私の学生時代の目標の1つでした。高校で勉強を頑張った分、大学ではいろんなことに挑戦してみようと思っていました。大学4年生のときにはミスコンにも出場させてもらいました。

――ミスコンですか!
以前はミスコンを遠い世界の話だと思っていました。でも、思い切って挑戦して、実際に出場がかなって、応援してもらえたことがうれしかったです。毎日SNSを更新するのは大変でしたが、今思えば楽しくて、二度とない貴重な経験だったと思います。
 

地方出身者、女子学生にとってもっと身近な東大をめざして

――東大や東京という環境についてお聞きしたいのですが、地方出身者として東大、東京についてどう思いましたか?
東京なのか、東大なのか、どちらもかもしれないのですが、できることの選択肢が多いなと思いました。「こうなりたいな」と尊敬する人にたくさん出会えるというのもそうですね。東大に関して言えば、やりたいと思ったことは自分で探せばきっとできる、いろいろなチャンスが転がっている環境だと思います。

――地方出身の学生や女子学生が少ないと感じていましたか?
私は文科三類のドイツ語選択のクラスだったのですが、クラスの9人の女子のうち、私以外は全員東京の高校に通っていました。サークルでも、地方出身の女子は同学年にいなかったので、それは驚きました。私はたまたま東大に行くことを勧めてくれる人がいたおかげで東大をめざすことができたけれど、多くの地方の女子にとって東大をめざすのが特別なことのようになっているのかなと感じたことはあります。

――そのことについて、何か思ったことはありますか?
私はとても東大が好きです。でも、クラスにもサークルにも地方の女子がいない状況を経験して、地方の女子にとって東大をめざすことがそもそも選択肢に入っていないような空気があるとしたら、それはもったいないことだなと思いました。

――それでは、東大職員としての就職はいつ頃からお考えになっていたのでしょうか?
就職活動を始め、東大職員の先輩のお話を聞きました。地方出身者や女子学生もそうですが、「もっといろいろな人が東大をめざせる雰囲気があったら」という大学時代の気持ちをそのまま仕事に活かせる職業があることを知って、東大に就職を決めました。

――今、どのようなお仕事をされているのですか?
入試課入試企画・広報チームの主な仕事は、受験生の方への入試広報活動です。例えば、全国7都市(札幌、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、福岡など)で他大学と合同で行う主要大学説明会、女子高校生向けの東京大学説明会、東大女子学生による母校訪問も企画、実施しています。

――私たちも母校訪問に行きました!とても素晴らしい企画だと思います。
私も高校生の時に、母校訪問として高校の先輩で現役東大生が大学の話をしに来てくれました。自分の高校出身で東大に行った先輩から経験談を聞けたらとても心強いですよね。

――最後に、東大を受けるか迷っている高校生に向けてメッセージをお願いします。
まずは、恐れずにチャレンジしてみることが大切だと思います。また、大学では高校生のみなさん向けのイベントをたくさん行っているので、ぜひ足を運んでみて下さい!

――どうもありがとうございました!
 

インタビュー・構成/学生ライター・林怜実、足立愛音