ちょっとひといき ちょっとひととき(11)-わたしの地元、わたしの暮らし
東大生コラム 2024.08.30
2023.10.19
テーマを絞って発信する東大生のコラム企画
第8回目のテーマは「大好きだから、キミに届けたい【音楽編】」。秋にぴったりな今回のテーマにちなんで、東大生が夢中になっている音楽にまつわるお話をお届けいたします!おすすめの曲をぜひ一度体感してみてください。
『坂道』と出会ったのは、2021年のライブでのことでした。このバンドに巡り会ったのが受験直前だったこともあり、その日は待ちに待った初めてのライブでした。持っていたCDやYouTubeでは聴いたことがなかったので、どんな曲なのだろうと前奏を味わっていたところに飛び込んできたのが、「謙遜が行き過ぎて、弱気になっていないか」という歌い出しでした。鳥肌が立ち、初めて出会う歌詞の言葉一つ一つに引き込まれていきました。
コロナ、環境、学業、色々なものを言い訳にして、大切なものに素直に全力になれていないのではないか、というのが初めてこの曲を聴いた時に考えたことでした。一つのことに打ち込むことは怖いことだと思います。周りとの比較による焦りや向いていないのではないかという迷い、上手くいかないもどかしさなどと向き合うことになります。そんな時にこの曲を聴くと、ただ自分の心に従って進んでみれば良いと背中を押してもらえます。
明るい曲調とまっすぐな言葉で心を奮い立たせてくれる『坂道』は、私にとっての大好きな応援ソングです。
中学のころ初めて聴いてから、もう6、7年になる。夜、母の見ていた恋愛ドラマとこの曲が流れてきて、私は勉強も寝るのもそっちのけ。気づかれないように、夢中で自分の部屋から耳を澄ませた。
「踊れ Boom Boom TOKYO GIRL♪」というフレーズ、扉越しで音がぼやけ「Boom Boom」を「ルンルン」と聞き間違えてしまった。それで、東京とはそんなにも熱とときめきに溢れたところなのかと早合点したのである。今にして、歌声は透明ながら憂いを含み、大人(の女性)の葛藤やもがきをそっと包むように感じる。しかし、中学生の私には眩しすぎて、濃厚な「大人らしさ」に胸がしびれるばかりだった。
高校生になり、東大という具体的な行き先が見えてきた。大都会の高校でなく情報は限られていたが、一流の環境で広く深く学びたいと強く思った。また、きらめく街と人の姿が目に焼きついていたのだろう。多様な人々が行き交う東京、多彩(才)な学生や教員の集う東大という空間に、私は惹きつけられたのかもしれない。
これは僕が高3のときに作ってヘビロテしていた勉強用のプレイリストのなかでいちばん再生していた曲で、もしかするとこれまでの人生でトップクラスに多く聴いた曲かもしれません。この曲全体のもつ爽やかで疾走感がありつつもどこか切ないような雰囲気が好みど真ん中で、僕が高3の夏に、ちょうどリリースされたこともあいまって、個人的に青春を感じられる曲になっています。
「東京はこんなんでどうもこうもないような日々が続いてるよ」というフレーズからAメロが始まるのですが、地方の高校に通っていた僕はまだ見ぬ東京の生活をこの冒頭に重ね合わせながら聴いていました。これに続くBメロが個人的にこの曲のいちばん好きな部分で、Vo川上洋平の伸びやかな歌声と幻想的な歌詞がとてもマッチしている部分です。今後オープンキャンパスや受験本番などで上京する時、飛行機を使う予定の方は、ぜひ機上で(できれば窓際の席で)聴いてみてください。きっと、あなたに勇気を与えてくれることと思います。
Hold My Hand…歳をとると単純なものの方が心に響くようになる。どこかでそんなフレーズを聞いたことがある。
「私の手を握って、全部うまくいくから」、この曲はまっすぐな励ましの言葉から始まる。
10年前、まだ洋楽を聴き始めの中学生だった頃なら、きっと一抹の照れを感じてしまいプレイリストに入れることはなかっただろう。
しかし、法科大学院生となった私には本当によく響いた。大学を卒業し働き出した友人たち、一方の私はキャンパスに残り司法試験と睨み合っている。合格への道のりは見えず、就活を進めるほどの時間もない。自立への焦りと、司法試験を目指すという己の選択への疑義が毎日つきまとう。
『Hold My Hand』は、痛みと不安に寄り添って何度も「大丈夫」と伝えてくれる曲だ。私はきっと立ち直れる、と不思議と確信させてくれる。
“You might find that you can be your own hero, even if you feel broken inside.” そう語りかけながらも、Lady Gagaは歌う。“Promise me, just hold my hand.”
2021年9月より、私は英国のマンチェスター大学へ学部交換留学をしていました。人生初の一人暮らし、初の長期海外生活、英語漬け生活、日本の大学とは比べ物にならない予習量。12月には、英語エッセイ課題を4つ抱え、心身ともにパンク寸前の状態でした。そんな時に、この曲に出会いました。『負けないで』は、1993年発表のZARDの曲です。30年近く前の曲ですが、テンポの良さと「負けないで もう少し 最後まで走り抜けて」という歌詞は、もう少し頑張れば終わりが見える、もう少しだ、という思いを私にもたらしてくれました。睡眠不足と疲労で少しずつしか進まず、もちろん苦しかったですが、この曲はその小さな一歩が課題の完成やつらさを乗り越えることにたしかに向かっているものなのだという確信を私に与えてくれました。そして、その一歩を動かしてくれる力を持っていました。
今でもこの曲を聴くと、特につらかった時を思い出します。それと同時に、あの時一歩ずつでも前に進んで最後までやり切ってよかったと、現在、東大から英国の大学院に留学しながらロンドンで思うのです。
私は、自分でも呆れるほどの夜型人間。特に何か文章を書くのは、空気が青く澄む朝方より、白い光が一面に満ちる真昼より、濃紺の空に街の灯や星々が映える夕闇のころ、そして街灯が漆黒の風景を切り裂き、鋭い光を路面に落とす深夜のことが多い。
この時間帯には、オーケストラの奏でる流麗なクラシックよりも、スウィングするようなリズムに乗せてメロディが気だるく行き来を繰り返すジャズが似合う。どこか静かなのに、指がテーブルの上で踊り出してしまうような。可憐なのに、大人っぽさもあるような。
『真夜中のメリーゴーランド』はそんな曲。手嶌葵さんの細く高い声と大橋トリオさんの暖かな低い声が響き合い、「パーティ」「流れ星」「パステルカラー」「レース」「ハイヒール」と、夢のある言葉が並ぶ。思うままに書きたいとき、思考の軌道を探すためにかけることもある。疲れて帰ってきた日、この4分半だけは身体も心も休めようと決めて聴くときもある。繰り返しても不思議と飽きず、ここ1年くらいずっと私に寄り添ってくれている。
私はMrs. GREEN APPLEさんの『僕のこと』という曲が大好きです。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策措置として学校の休校要請が出された頃、ギリギリセーフで行われた中学校の卒業式で、最後に合唱した曲です。私はつらい時にいつもこの曲を聴きます。いや、気分がいい時も聴きます(笑)。
「僕らは知っている 奇跡は死んでいる 努力も孤独も報われないことがある だけどね それでもね 今日まで歩いてきた 日々を人は呼ぶ それがね、軌跡だと」不安や恐怖と闘いながら、ただひたすらに勉強に打ち込んだ大学受験期。この歌詞が、積み重ねた日々の価値の大きさを私に教えてくれました。メンタルがボロボロの時に、この曲の前向きな歌詞と力強い歌声が私を励ましてくれました。「ああ なんて素敵な日だ」どんなつらいことが起きようと、小さな感謝が日々の中に必ずある。模試の結果を見て絶望したって、他人と自分を比較して苦しくなったって、まだ前を向けるのです。この歌が歌う軌跡…これからも一歩一歩、目標に向かって、日々の軌跡を描いていきたいです。
私の紹介したい曲は、UNISON SQUARE GARDEN(以下、ユニゾン)の『リニアブルーを聴きながら』です!アニメに詳しい人にとっては「ユニゾン=アニソンのバンド」というイメージがあるかもしれませんね。私も中学2年生のときにアニメ好きの友だちにユニゾンを紹介されてから、そのクセになる歌詞や曲調にすっかりハマってしまいました。
ユニゾンの曲はテンポが速く歌詞を聴き取るのが少し難しいのが特徴なのですが、歌詞を見てみると「聴く人の背中を押す」歌と解釈できる曲が多いことに気付きます。『リニアブルーを聴きながら』でも、「諦めちゃったら届かない 史上最重要な明日がきっとあるから 今日を行け、何度でも」や「今すぐじゃなくても 最後の最後の最後に触れることができたら ちょっとやそっとの逆境に倒れるのはもったいない 『だって本気なんだから』理由はそれだけで」…などなど、励まされる歌詞がたくさん出てきます。
私は音楽を聴きながらだと勉強に集中できない派だったので勉強のBGMにすることはあまりなかったのですが、受験期の辛い時には、歌詞を手帳に貼ったり、スマホの待ち受けにしたりして歌詞に勇気づけられていました。私と同じ派の方もそうでない方も、ぜひ曲の「歌詞」に注目してお気に入りの音楽を楽しんでみて下さいね!
私のお気に入りの曲は、『リビング・イン・カラー』という曲です。この曲は、東京ディズニーランドの40周年のパレードの時に流れる曲で、今年ディズニーに行ったときに、この曲を初めて聞いて、その後すっかりハマってしまいました。最近では、定期試験に向けて勉強している時や、電車での移動中によく聴いています。
歌詞の中には「なななななないろ」と日本語のフレーズが入っているのですが、一音一音切って発音される歌い方がとても頭に残り、ユニークな曲調を作り出しています。全体的にリズミカルで、明るい曲調なので、受験生の皆さんは、少し気分が沈んだ時や、元気を出したい時に聞くのがオススメです!また、曲のメッセージとしても、一人一人の個性を肯定し、個性を発揮しながら生きていくことの大切さを教えてくれていて、素敵な曲だなと思っています。
ディズニーが大好きな私にとって、この曲を聴くと、ディズニーにいる時の楽しさを思い出すことができて、とても明るい気持ちになれます!