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「調理中に起こった出来事から広がった生命の世界。分⼦⽣物学を使って⾷の問題を解決したい」―2023推薦生インタビュー 農学部

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PROFILE

  • 氏名:   出口龍さん
  • 出身校:  神戸大学附属中等教育学校(兵庫県)
  • 入学:   2023年 理科二類(農学部進学予定)

――どんなことを学びたいと思って農学部を志望されたのかを教えてください。
僕の⾼校では課題研究の時間があって、「エビを塩麹に漬けると⻘くなるのはなぜか」というテーマで研究をしていたんですけど、いろいろな細胞レベルの条件が複雑に組み合わさって、⽬に⾒える変化がもたらされているということにとても興味をもちました。⼀時は医学部に進むことも考えていたのですが、そもそも⼈が健康でいるためには、「⾷」が必須であって、僕は⾷の問題について、分⼦⽣物学を使って解決できたらと思い、農学部を志望しました。

――どういったきっかけで、それを研究テーマに選んだのでしょうか?
ある⽇、⺟が料理をしていて、エビを塩麹に漬けると⻘くなったので、「なんでだろうね」という話をしたことがあって、ちょっと調べてみようかなと思ったのがきっかけです。最初は添加物が関係しているのかなと思っていたのですが、調べていくうちにそうではないことがわかりました。最終的にエビのクラスタシアニンという成分が関係していることはわかったのですが、塩麹は成分が多すぎて、原因をまだ特定できていないんです。実験を始めた頃は2週間ぐらいで研究を終わらせるつもりだったのですが、調べ始めてから3年以上かかっても仕組みを解明できていません。深掘りしてくと、すごく深い世界があったという感じです。

――「食」に対する関心は、幼い頃からあったんですか?
農園に連れて⾏ってもらって体験農業をしたり、料理教室に通ったり、家では家庭菜園をしたりと、幼い頃から「⾷」を⾝近に感じられる環境があって、興味をもつようになっていったんだと思います。もともと料理をするのも好きだったので、⾼校⽣のときは、⿂をさばいて家族に⿂料理を振る舞っていました。

――学校推薦型選抜には、どのようにつながっていったのでしょうか?
⾼校時代は、好きなことをいろいろやってきたので、これまでの活動を活かすには、学校推薦型選抜のほうが⾃分には向いているだろうと勝⼿に強く信じ込んでいました。⾼3の4⽉頃、もうそろそろ進路を決めなきゃいけないなとなったときに、研究環境が整っている東⼤で学びたいと考えて、学校推薦型選抜に挑戦することを決めました。

――入試の準備をするにあたって苦労されたことはありましたか?
提出する書類をまとめるのにはかなり苦労しました。課題研究以外にもいろんなことに興味があって、いろんなことをやってきたので、その中で、学校推薦型選抜ではどれを⼀本の軸にするのか、何回もシナリオを書き直しながら、書き上げました。

――課題研究のほかに、中高生のときに取り組んだ活動について、教えてください。
中学1年のときに、「⼈が光合成をする」というストーリーの⼩説を書いて「星新⼀賞」をいただきました。中学2年⽣からは⽣徒会執⾏部に所属して、学校の環境改善に取り組みました。⾼校1年のときは、全く違う価値観に触れたいと思って、イタリア留学を予定していたのですが、新型コロナウイルス禍で結局中⽌になってしまいました。その分、国内のいろいろなコンテストに参加し、例えば、⽇本⽣物学オリンピック本選2022にも出場して、あまり良い結果を残すことができなかったのですが、それ以上に、そこで⽇本中の⽣物好きと交流できたことがとても刺激的でした。こういうハイレベルな環境で学びたいと思ったことが、東京⼤学を受験するうえでのモチベーションにもなりました。

――授業が始まって間もないですが、東大生の印象はいかがですか?
⾯⽩い⼈が多いなという印象です。学校推薦型選抜で⼊った農学部の⼈とも交流していますが、みんないろいろな研究をしていて本当に⾯⽩いです。農学部の⼈とはガイダンスとかもあって仲良くなってきたので、いろんな学部の⼈とのつながりも、もっと広げていきたいなと思っています。

――大学では、勉強や研究以外で挑戦してみたいことはありますか?
⼤学では⾃分の世界を広げてみたいと思っています。これまでやったことのないようなことを、サークルや留学を通して経験したいです。いろいろな環境に⾝を置いて、さまざまな⼈と出会ってみたいです。

――将来はこうなりたいというイメージはありますか。
まだ明確にあるわけではないのですが、分⼦⽣物学やテクノロジーを⽤いて、社会的な課題を解決するようなベンチャー起業を⽴ち上げてみたいと思っています。実は⾯接で「もし⽜が光合成をしたら飼料も要らなくなって、光と⽔さえあればどこでも⾁が⾷べられるようになる。そうなれば社会問題を解決できるかもしれない」という話をしました。まだ詳しく勉強できていないのに、なかなか⼤胆なことを⾔ったなと⾃分でも思うのですが、実際に東⼤の⼤学院で、動物細胞に植物ゲノムを⼊れて葉緑体を作るというプラニマルセル細胞について研究されている研究室があります。今は絶対無理だと思われていることでも、きっといつか何かすごいことができるようになるんじゃないかなと思っています。

――最後に、高校生へのメッセージをお願いします。
学校推薦型選抜を⽬指す、⽬指さないにかかわらず、やっぱり⾃分がやっていて楽しいって思うことをやっていたら、結果は⾃ずとついてくるものだと思います。もし、今、何かにチャレンジしようか迷っている、もしくは⽌めようとしていることがあるのだったら、どうして迷っているのかを冷静に考えてみてほしいです。僕⾃⾝もそうだったのですが、⼤抵論理的ではない、「なんかよくわからないから」みたいな理由で避けていると思います。僕は、⽇本⽣物学オリンピックに出ましたが、⽣物学がとてつもなくよくできたからではありません。⾯⽩そうなうえに、生物の勉強にもなって、落選したとしても失うものは何もないなと思ったからです。そうやって気になっていることにチャレンジすることで、いろんな⼈とのつながりができて世界が広がっていって、そしてそれがいずれ未来につながっていくのだと思います。何か⾏動を起こさないことには、何も始まりません。「⾃分にはできない」と思うのではなく、「⾃分にはできるかもしれない」というふうに思って、最初の⼀歩を踏み出してみてください。⾼校⽣の今は本当に貴重な時期だと思って、勉強だけにとらわれるのではなくて、いろんなことを⾃分が好きなようにやったらいいんじゃないかなと思います。

――希望が広がるメッセージ、ありがとうございました!充実した大学生活を過ごしてください。

取材/2023年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム