「身近にあった醤油が中高時代の研究素材に。環境に配慮した材料の開発に取り組みたい」―2023推薦生インタビュー 農学部

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PROFILE

  • 氏名:   宮﨑莉子さん
  • 出身校:  久留米大学附設高等学校(福岡県)
  • 入学:   2023年 理科二類(農学部進学予定)

――農学部を志望した理由を教えてください。
中学生の頃から醤油を扱った研究に取り組んでいて、その過程で発酵や微生物がもつ力に魅了されたんです。今は、発酵や微生物の力を利用して環境に配慮した材料や燃料づくりなどに興味をもっているので、応用生命科学・工学や生物材料科学を学び、専門知識を身につけたいと考えて、農学部を志望しました。

――醤油について研究しようと思ったきっかけは何だったんですか?
私の出身の福岡県は、醤油の製造社数が日本一なんです。通っていた小学校の目の前にもお醤油屋さんがあったので、「お醤油の専門店って面白いな」と思っていたんですけど、社会科見学で行ったことで、醤油そのものに興味を持ったのが、最初のきっかけだったと思います。
中学2年からは、「醤油に音楽を聴かせると科学的に味や成分に差が出るのか」という研究をしました。イメージ的にはなんだかおいしくなりそうな気がするんですけど、サンプル数が少なくて、もっと調べてみたいなと思って、高校生になってもその研究を続けました。

――研究した結果がとても気になりますね。
おいしいかっていうのは人それぞれの感覚だからなんとも言えないのですが、音楽を聴かせた醤油はアルコール量が多くなっていることは分かりました。その原因についてはまだ詳しくわからなくて、音の振動が酵素活性に何かしらの影響を与えるんじゃないかって考えています。

――ご自身で研究を続けられていた中で、学校推薦型選抜のことを知ったのはいつ頃ですか?
高校の先輩たちに学校推薦型選抜で入学した方もいらっしゃったので、東大にも推薦入試があるんだっていうことは知っていました。自分でも意識するようになったのは高校1年の終わり頃で、英語のプレゼンテーションコンテストで銅賞をいただいて、その後の面談で、先生から「学校推薦型選抜を受けてみないか」と薦められたことがきっかけになりました。ただ、そう言われても最初はなかなか決心がつかなかったんですけど、これまでやってきた活動のひとつひとつが自信につながって、挑戦してみようと思いました。

――学校推薦型選抜の準備はどのように進めましたか?
志望理由書は学校の先生に見ていただいて、提出した論文は、学校の先生のほかに、研究を手伝ってくださった細胞工学の先生にも見ていただきました。ほかにもN高校が主催している学術研究をしている中高生対象の研究部に入って、アドバイザーの方から定期的に研究のアドバイスをいただいていました。自分の研究に関して、頼れる先生がいてくださるのがとてもありがたくて、準備を進めるうえで、すごく心強かったです。東大は学校推薦型選抜で入学すると、アドバイザー教員がついてくださる制度もあるので、その魅力も大きいなと思っています。

――面接を受けてみて、どんな印象でしたか?
面接の途中からは、先生方から質問をいただいて、研究議論のような感じがしました。面接の時に先生が私の研究に興味をもってくださって、東大の先生に自分の研究について知ってもらえて、コメントをもらえることがうれしかったですね。

――大学に入ってからやりたいことはありますか?
今やりたいなと思っている応用生命化学や応用生命工学の研究をするためには、化学や生物だけじゃなくて物理学などいろいろな学問の勉強が必要になると思うので、前期課程を活用しながら、自分の知識の幅を広げていきたいなと思っています。昨日ちょうど学校推薦型選抜合格者向けの学部ガイダンスがあって、研究室を見せていただいたのですが、どこも面白くって、いろいろな可能性があるなと感じています。

――勉強や研究以外で挑戦してみたいことはありますか?
まず、サークルの活動を楽しみにしています。いろいろなサークルの案内を読んだのですが、興味があるものが多すぎて、どれに入るか迷ってしまっています。せっかくなので、何か新しいことに挑戦したいと思っています。
それから、いつか留学はしたいと思っています。東大では様々な形で海外に留学する機会が用意されているみたいなので、説明会などに積極的に参加してプログラムを知ることから始めたいと思っています。

――「推薦生のつどい」などで推薦生同士の交流の機会があったと思うんですけど、印象はどうでしたか?
農学部の人はやっぱり自分で研究に取り組んできた人が多いですね。どの研究もすごく面白そうで、同世代でこんなに研究をやっている人たちがいるんだと刺激になりました。みなさんの研究の話を聞いていると、なんでそういう着眼点にしたんだろうと思うこともあって、そういう話もこれから聞いていけたらなと思っています。

――最後に、学校推薦型選抜に関心をもった高校生にメッセージをお願いします。
私は学校推薦型選抜を受けると決めてから、自分が行きたい学部や学科の情報を調べる中で、「本当に自分のやりたいことはなんだろう」ってことに向き合って考える機会を得られたと思っています。自分のやりたいことに一回向き合ってみると、勉強に対するモチベーションも変わってくると思います。難しいとは思うんですけど、いろんなところにアンテナを張って、自分の好きなことを見つけられるような機会があれば積極的に参加して、自分にとって「これだ」っていうものを見つけていってほしいなって思います。

――これからのご活躍を期待しています!ありがとうございました。

取材/2023年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム