「異文化交流と芸術表現をテーマに学び、将来は国際交流の推進に取り組みたい」―2023推薦生インタビュー 教養学部

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PROFILE

  • 氏名:   王韻揚さん
  • 出身校:  長岡高等学校(新潟県)
  • 入学:   2023年 文科三類(教養学部進学予定)

――どのようなことをやりたいと思って、東大を選びましたか?
私は中国で生まれ、中学1年のときに日本に来たのですが、中国と日本の両国を母国だと感じています。親が大学の先生だったこともあって、両国では、多くの留学生やさまざまな分野の研究者とお話しする機会がありました。その関わり合いの中で、自分の知的探求心をもつことができて、特に言語と芸術への関心が強くなりました。今、私が一番研究したいテーマは異文化交流と芸術表現なのですが、東京大学の教養学部の表象文化論コースが勉強したいことと合っていると思ったので、志望しました。

――芸術に注目されたきっかけは何ですか?
小さい頃から、ピアノや絵、歌などを習っていたので、芸術と触れ合う機会がたくさんあったのですが、中学に入ってからは、特にファッションに興味をもち始めました。海外のファッションショーとかランウェイをインターネットで見ていると、ファッションは言語の壁を越えて、人々の心を共鳴させることができると感じました。そのことがきっかけとなって、人々の考え方や価値観に影響を与え、受け手の情動的な共鳴を喚起させることができる芸術表現は、言葉の壁を越えた異文化コミュニケーションを可能にする力があるのではないかと考えました。

――大学では芸術をさらに発展させて、学んでいくのでしょうか?
コミュニケーションのメカニズムを知った上で、異文化コミュニケーションにおける摩擦を解消できたらと考えています。

――学校推薦型選抜に挑戦しようと思ったのはいつ頃でしょうか?
高校1年のときに、芸術関連の学部とか大学についてインターネットでいろいろ調べて、東大の教養学部にたどり着いたのですが、そこで学校推薦型選抜があることを知りました。しかし、当時は特に学校推薦型選抜を意識していなくて、高校2年になってから、親友と市民団体を立ち上げ、ボランティア活動を行ったり、心理学講座や国際交流イベントなどを催したりしたことがきっかけとなって、自分の経験と活動は学校推薦型選抜に活かせるのではないかと思い、挑戦しようと思いました。

――学校推薦型選抜の準備で大変だったことはありますか?
要項が出た高3の7月から準備を始めたのですが、志望理由書を書くために、これまで興味をもったことについてまとめて言語化することがすごく難しかったです。興味のある分野がたくさんあったので、あれもこれも言いたくて、一つの分野に絞るのが大変でした。でも、まとめることで自分自身のことがよくわかって、楽しかったです。

――東大に入って、面白そうだと思った授業はありますか?
全部面白そうなのですが、前期課程では哲学と表象文化など芸術に関する分野を中心に学びたいと思っています。理系科目では、生物分野で動物や人間の行動を研究、分析するようなものも面白いと思っています。また、人々はどうやって芸術を捉えているのかという脳のメカニズムの解明についても学んで、自分なりに考えていきたいと考えています。

――早期履修などを利用して取り組みたいことはありますか?
後期課程の授業を先取りで学べるのも魅力的です。まだどういう授業があって、どういうふうに取り組んでいけばいいのかがよくわからないので、これからアドバイザー教員との面談で決めていきたいと思っています。

――授業以外で何かやってみたいことはありますか。
東大では、短期留学や交換留学といった多くのプログラムが用意されているので、それを利用して、留学には絶対に行きたいと思っています。また、部活は少林寺拳法を考えています。

――少しずつ慣れてきた頃だと思うのですが、大学生活はいかがですか?
授業が楽しいです。フランス語の授業で新しい単語を身につけていくのも、表象文化論の授業でデヴィッド・ボウイを分析するのも、心理学の授業で人間の心について知るのもワクワクします。留学生の友達が沢山出来て、一緒にカラオケに行ったり、誕生日パーティーに参加したりして、異文化の刺激を日々受けて楽しんでいます。一人暮らしは大変なこともいっぱいありますが、とても充実していて満足しています。

――まわりの東大生の印象はいかがですか?
いろいろなタイプの人がいて面白いです。真面目に勉強する人、部活やサークルに打ち込む人、自分の活動に没頭する人など、本当に十人十色です。基本的にみんな温かいですね。開放性も高く、どのような人でも受け入れてもらえるような、とにかく居心地がいい環境です。面白い友達がたくさんできるのは喜ばしいですね。

――将来についてはどのように考えていますか?
一つの目標として、国連で働きたいと考えています。芸術全般を学び、芸術や文化によって、国際交流の推進に取り組んだり、国同士をつないだりする仕事に就きたいと思っています。

――では、最後に高校生へのメッセージをお願いします。
学校の勉強はもちろん、自分の興味のもてる分野を見つけて深めていくことは価値のあることだと思います。興味の方向性を明確にしておくことは、今後の進路選択にも役立つと思うので、強く意識してほしいです。自分の興味を伸ばせるような充実した高校生活を過ごしてもらいたいと思っています。

――興味を深めることの大切さを伝えるメッセージ、ありがとうございました。

取材/2023年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム