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「学校統合の委員会の中で深めた学校の役割への興味。学校づくりを地域の活性化につなぐ」―2023推薦生インタビュー 教育学部

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PROFILE

  • 氏名:   中村祐一郎さん
  • 出身校:  ラ・サール高等学校(鹿児島県)
  • 入学:   2023年 文科三類(教育学部進学予定)

――どんなことを学びたいと思って、東大を志望したのか教えてください。
地元の鹿児島県桜島では、七つある小中学校をひとつの小中一貫校にしようっていうプロジェクトがあるんですけど、そのプロジェクトが始まった高校3年のときに、鹿児島市が主体となってつくる検討委員会に、地域代表として参加しました。僕自身、観光業も含め、桜島を盛り上げることに興味をもっていたのですが、委員に選ばれたことがきっかけとなって、地域の活性化につながる学校統合や小規模校の良さを活かした魅力的な学校作りの取り組みについて、もっと深く学びたいと思うようになり、東大を志望しました。

――どのようなきっかけで検討委員に選ばれたんですか?
検討委員会っていうのが学識経験者、各小中学校のPTA会長、桜島の各校区の地域代表者を合わせた14名で構成される委員会なんです。私は、地元の和太鼓チームに所属していたり、高校では地理歴史部に所属して桜島に関する部誌やガイドブックを作ったり、子どもの頃から地域とのつながりも強かったので、「どんな関わり方でもいいので、参加させてほしい」という気持ちを伝えたら、「検討委員として地域代表でやってみてはどうか」と誘っていただき、住んでいた東桜島地域の代表として参加することになりました。

――東大の学校推薦型選抜の受験を考え始めたのはいつ頃ですか?
具体的に考え始めたのは高校3年の6月の終わり頃です。検討委員として活動している中で、8月に文部科学省の「学校魅力化フォーラム」で桜島の事例を発表することになったんですけど、そこで地元の高校生が公的な委員会に入っていることに注目していただいたり、テレビの取材を受けたりしたことから、自分のやってきた活動がこんなにも注目されているんだということを実感しました。また、それまでぼんやりとしていた将来の目標が、学校や教育と地域活性化という方向性ではっきりしてきました。このことから、これまでの活動を活かして、学校推薦型選抜にチャレンジしてみようと思って出願することに決めました。

――出願に向けて、どのように準備しましたか?
まずは、これまでやってきたことやこれからやりたいことを1冊のノートにストーリーとして書いていきました。桜島では学校統合について、地域のみなさんが期待して盛り上がっていたので、地域活性化のきっかけづくりや学校参観や廃校の再利用などを通した、学校と地域の方々や観光とのつながりについても改めて考えることができ、自分が何をしたいのかが、より明確になったように思います。
出願時には、地理歴史部での活動や検討委員会で取り組んでいた報告書や活動の様子を提出し、ほかにも全国の成功事例をもとにした桜島の活性化に関する提案を論文としてまとめました。志望理由書は学校の先生に添削してもらいながら準備を進め、出願したあとの面接のプレゼン発表で使うポスターはノートに下書きをした後、手書きにこだわり完成させました。

――教育学部でどのようなことを学びたいですか?
一つは学校統合について過去の事例を調べてみたいということがあります。あとは、学校統合だけじゃなくて教育や学校の存在が地域に与える影響についても調べたくて、教育社会学や学校経営も含めて学びたいと思っています。最初のきっかけは学校統合と地域活性化だったんですけど、今は学校統合だけではなく学校が地域にあることそのものの意味や、地域活性化も含めたまちづくりみたいなところにも興味があります。

――大学でやってみたいことはありますか?
まちづくりについては、すごく幅広い視点があると思うので、たくさん授業をとって、いろんな人と関わって、視野を広げていきたいと思っています。勉強以外では、高校のとき、通学に往復3時間もかかっていたこともあって、運動部に所属できなかったので、大学では、バレーボールやバドミントンのサークルに入ろうと思っています。あと初心者でちょっと厳しいかもしれないんですけど吹奏楽にも興味があります。

――少しずつ慣れてきた頃だと思うのですが、大学生活はいかがですか?
とても楽しいです。クラスやサークル、推薦生など多くの友達と関わって新鮮で刺激的な毎日を過ごしています。今まで支えてきてくださった多くの方々のおかげで素晴らしい大学に入学できたと思います。まだ推薦生らしいことはできていないのですが、先が長いのでさらに多くの経験を積んで成長していきたいです。

――将来はどのように考えていますか?
学校の行政と地域を結び付けて地域活性化やよりよい町づくりにつなげていくことを、外部からサポートするような役割を全国のいろんな所でやりたいです。地域の人が減っていって縮小していていく中でも、その地域で暮らす方々が充実した生活を送って生きがいを感じられるようなサポートができればいいなと思っています。

――さまざまな活動をしている高校生にメッセージをお願いします。
受験勉強だけじゃなくて、高校生としてできることって意外とたくさんあると思っているんです。例えば、僕のように地域の高校生として地元に根差した活動もできるし、自分の興味に関する活動だったり、研究だったり、高校生の今だからできることにチャレンジしてみるのはいいことだと思います。新しいことをやってみたり、いろんなことに挑戦したりして、その結果、東大の学校推薦型選抜にたどり着けたらいいのかなと思います。

――チャレンジすることの大切さを伝えるメッセージ、ありがとうございました。

取材/2023年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム