「小学生の頃から取り組んできた鳥類の研究。鳥と自然環境の保全活動へと発展させたい」―2022推薦生インタビュー 農学部

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PROFILE

  • 氏名:   尾上愛実さん
  • 出身校:  お茶の水女子大学附属高等学校(東京都)
  • 入学:   2022年 理科二類(農学部進学予定)

――何を学びたいと思って、東大の農学部に進まれたのでしょうか?
私は鳥に興味があって、鳥類と自然環境について研究したいと考えて、東京大学の農学部を志望しました。大学では、まず環境全般について幅広く知識を深めたいと思っています。鳥類の生態には地理的要因などが大きく関わってくるので、社会生態学や統計学を学び、自分の力にしていきたいと考えています。

――鳥類に興味をもつようになったきっかけを教えてください。
小学3年の時に、図鑑を読むのにとてもはまって、鳥の種類を一通り覚えたんです。ある日、家の前の電線に小鳥がとまっているのを見て、「あ、この鳥はカワラヒワだ」って識別できたことがうれしくて、そのことが鳥にのめり込んだ第一歩だったと思います。それから、バードウォッチングを始めて、どういう鳥が、どういうところにいて、どういう動きをしているかという観察を続けるうちに、周囲の環境が変化すると見られる鳥が変わっていくことに気づきました。

――数年かけて観察を続けてきたからこそ、そこに問題意識をもったのですか?
はい、長期間の観察を続けた結果だと思います。問題意識もですが、環境の変化がどのように具体的に鳥類の生息に影響があるのか、鳥類の生態や行動、鳥類と環境の関わりについて興味をもち、知りたいと思うようになりました。

――高校生の頃に取り組んだ活動について、教えていただけますか?
2年のときに、野鳥観察の分析記録をまとめて、中央大学が開催していた高校生地球環境論文賞に応募しました。そのほかにも私が所属している「日本野鳥の会」の埼玉支部の会誌に、観察記録を特集記事として載せていただいたこともありました。また、埼玉大学ハイグレード理数高校生育成プログラムやミュージアムパーク茨城県自然博物館のジュニア学芸員育成プログラムなどにも参加していました。

――どのように学校推薦型選抜への挑戦につながっていったのですか?
いろいろな活動の中で、高校の課題研究の授業で、ミシシッピアカミミガメに記録計を取り付けるバイオロギングの手法で行動生態を研究しました。バイオロギングは機器の高額さもあって、高校ではあまり行わない研究で、私の高校でも前例がありませんでした。どのように研究を進めていけばいいかわからず、私の方から東京大学の大気海洋研究所の佐藤克文先生に連絡させていただき、ご指導をいただいたことも研究を志すひとつのきっかけになったと思います。

――学校推薦型選抜の準備はどのように進められましたか?
東大に学校推薦型選抜があることを知っていましたが、実際に挑戦しようと考え始めたのは高校3年の春くらいでした。私の場合、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の発表会に出るための活動が夏まであり、夏休みは発表会に出たり、論文を書いたりして、とにかく大変でした。その後、9月くらいから学校推薦型選抜の準備を始めて、10月に推薦の資料を作りました。私は一般入試でも東大を受けようと思っていたので、両立しながら準備をするのがとても忙しく、気持ちにも余裕がなくなったこともありました。

――学校推薦型選抜に挑戦したことで、良かったことはありますか?
学校推薦型選抜の資料を作っていく中で、実際に自分がどんな分野に興味があるのか、はっきり分かったのが良かったなと思っています。もう一つは、学校推薦型選抜の準備に一生懸命取り組む経験ができたことです。これは受験勉強にも通じると思うのですが、一つのことに向かって、一生懸命やること、全力で取り組んだ経験が持てたことは、自信にもつながりました。

――これから、東大ではどのようなことを学びたいですか?
研究では、鳥類の生態を調べたいと思っています。そして、そこで得た発見を環境保全の具体的な策につなげていきたいなと思っています。将来的には、バイオロギングの手法を使って鳥の渡り経路を解明するなど、渡りにまつわる研究をしたいと思っています。その研究を通じて、人間との線引きも考えた上で、鳥類と自然を保全する活動ができたらと考えています。

――勉強、研究以外でやりたいことはありますか?
今のところ、サークルは生物学研究会と愛鳥研究部と狩人の会、あとは環境三四郎とすべて動物系・環境系のものに入ろうかなと考えています。私はもともと鳥以外の動物にも興味があるので、いろいろな動物を対象として観察する経験なども積んで、自分の研究に活かしていきたいです。

――最後に、学校推薦型選抜に関心をもった高校生にメッセージをお願いします。
学校推薦型選抜を考えている人は、勉強との両立は大変ですが、まずは自分のやりたいことにどんどん取り組んで、充実した高校生活を送ってほしいと思います。学校推薦型選抜に関心のある人は、自分のやりたいことや興味がある程度定まっている人だと思うので、自分で積極的に活動を広げていけば、きっと新しい出会いや発見にもつながると思います。やりたいことがあれば、諦めないで、ぜひ挑戦してほしいです。

――希望が広がるメッセージ、ありがとうございました!

取材/2022年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム