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「英語で環境について学ぶコースに進学。文系・理系の視点をもって環境問題に取り組みたい」―2022推薦生インタビュー 教養学部

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PROFILE

  • 氏名:   櫻井ひろ花さん
  • 出身校:  東京学芸大学附属国際中等教育学校(東京都)
  • 入学:   2022年 理科二類(教養学部進学予定)

――東大でも、英語で学ぶPEAK(教養学部英語コース)を志望した理由を教えてください。
私の高校は、生徒の約半数が帰国生というインターナショナルな雰囲気の学校でした。私自身、海外留学経験はないのですが、英語で勉強することが好きでしたし、PEAKには留学生の方も多くて、いろいろな価値観に触れられることにも魅力を感じました。
また、私は文系だったのですが、高校がスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されていたこともあり、文系と理系の両方の視点をもって研究をしたいと考えていました。PEAKには、環境について多面的に研究する文理融合の「国際環境学コース」があって、英語で学べること、文系・理系の視点をもって環境問題が学べることから東大のPEAKを志望しました。

――高校のときから、環境に関する研究をしていたのでしょうか?
最初は、「環境問題に関する意識」について研究していたのですが、研究を進めていくうちに環境に配慮した物を何か作りたいと考えるようになりました。私が考えたのは、海藻には人工イクラの製造にも利用されるアルギン酸ナトリウムが含まれているのですが、その成分を使って、包装剤、フィルムを作るという研究をしていました。単純に包装を減らせばいい、過剰包装は良くないと考えると、日本人の国民性まで否定されるような気がして、環境に配慮した代替品を利用するのがいいんじゃないかなと考えたからです。

――その研究をどのような活動に結びつけていたのですか?
自分で研究を重ねても、実験は失敗の繰り返しでした。主に学内で活動をしていたのですが、いつもアドバイスをいただいていた化学の先生から「ちょっと納得いってなくても、人前で発表してみるのも大事だよ」って言われて、自分ではまだ出すレベルではないかなって感じていたんですけど、アイデアコンテストに出しました。大きな賞を取ったわけではなかったのですが、発表する機会をいただいたり、いろんな方々からアドバイスをいただいたりして、とても視野が広がりました。また、環境課題解決に向け、企業と消費者の密接な関係を構築することで、海洋プラ問題解決への社会の風潮を変えることができるのではと考え、学生団体に携わり企業と消費者の経済活動における対話の場創りをしていました。こういった活動は、サスティナブルブランド国際会議での登壇などを通して、様々な方々との繋がりが生まれたことで発展していきました。

――本格的に研究をされていたのですね。どのようなきっかけで、学校推薦型選抜に挑戦しようと考えられましたか?
高校2年まで、研究活動も課外活動も勉強も受験を意識してというよりはただ好きでやっていたので、高校3年になるタイミングで、「まず大学に行くのか、行かないのか」、「どのような進路を選ぶのか」について本当に悩みました。環境問題に興味はあって研究はしていたんですけど、日本史や哲学にも興味があったので、文系に進むんだろうなって漠然と考えていました。そんなとき、東大の学校型推薦選抜よりも先に、PEAK(教養学部英語コース)を見つけたんです。どんどん調べていったら、PEAKは東京大学のコースで、私のやりたいことに合っているなと感じたこともあって、そこから学校推薦型選抜を選ぶことにもつながりました。

――学校推薦型選抜について、いつ頃から準備をされたのですか?
高校3年の夏休み頃から、自分がやりたいことについてよく考えて、具体的に書けるように準備しました。受験期間って、今までやってきたことを1回ストップして受験勉強をする時間だと思っていたんですけど、私は今までやってきたことや興味があることを整理して考え直す時間にしました。

――学校推薦型選抜の準備で大変だったことはありますか?
学校推薦型選抜の資料作成はとても大変でした。最初は、ただ時系列で書いているような内容だったんですけど、これでは自分が本当に情熱を持って届けたいことがうまく伝わらないと思って、何度も何度も書き直しました。最終的には、「私はウミガメが好きだから」っていう本音を書いたんですね。「ウミガメの鼻にストローが刺さった動画を見て、衝撃を受けて」という自分の心を一番動かしたきっかけを正直に書こうと思って決断したことで、自分の環境問題への情熱がようやくシンプルに伝わるように書けたかなと思いました。

――これから東大ではどのようなことを学びたいですか?
私は文系出身なので、理系の知識については基礎的なことがちょっと足りていないと思うんです。なので、大学1、2年生ではできるだけ理系の知識や視点を育てていきたいと考えています。また環境問題に携わる人間として、人類と社会が今後どのような関係性を築くべきなのか、双方が共生しやすい“環境”創りにはどのような法や政策が社会に浸透していくべきなのかを学びたいです。

――勉強以外でやりたいことはありますか?
私は英語が好きなのですが、英語を学んでいる割には、あまり海外にも行ったことがないので、海外でいろいろな経験をして視野を広げたいと考えています。留学も機会があれば挑戦したいですね。サークルは、高校までは水泳部でアーティスティックスイミングをやっていたのですが、今はTEDxUTokyo(大学とTEDがコラボレーションした日本初のTEDxUniversity)の活動を通して、いろいろなアイディアを周りに発信していくことを楽しんでいます。自分自身もとても刺激になっています。

――最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。
私がもともと文系だからだと思うんですけど、環境問題の研究者は理系の人が多いと思っていて、高校時代に文系の自分が環境問題に取り組むことに結構ハードルを感じていました。でも、高校生って、失敗したとしてもそれほど大きな打撃にならない大切な期間だからこそ、何もハードルを感じることなく、自分がやりたいと思ったら挑戦するという癖をつけていくと良いのではないか思っています。高校時代という、その唯一の時間をやりたいことを見つけて過ごしていってほしいなって思います。
私の好きな言葉に「道を開くということは、自分だけの逃げ道を作ることではない」というものがあります。自分自身と思いきり向き合いながら、素敵な道を切り開いていってください。

――興味のあることに挑戦したくなるメッセージ、ありがとうございました!

取材/2022年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム