• TOP >
  • 東大生インタビュー >
  • 推薦生2018 >
  • 「貧困地域の感染症を治す薬を開発したい!と推薦入試へ。早期専門教育で深堀りすると同時に、教養の幅も広げたい」――2018推薦生インタビュー(9) 薬学部

「貧困地域の感染症を治す薬を開発したい!と推薦入試へ。早期専門教育で深堀りすると同時に、教養の幅も広げたい」――2018推薦生インタビュー(9) 薬学部

「貧困地域の感染症を治す薬を開発したい!と推薦入試へ。早期専門教育で深堀りすると同時に、教養の幅も広げたい」――2018推薦生インタビュー(9) 薬学部

推薦生2018

#薬学部の人 #薬学部の人 #推薦入試 #推薦入試

PROFILE

谷口朋さん(薬学部進学予定)

出身地 福井県
高校 福井県立藤島高等学校

―薬学部の推薦入試を受けようと思った経緯について、ご自身の言葉でお話ししていただけますか。

貧困地域で流行している感染症に興味があって、最初は医学部に行くことを考えていました。ただ治療には薬が必要です。医師に役割も大事ですが、治療薬が開発されたことで多くの命を救えたという話を聞くこともあって、だったら自分は薬というアプローチで、貧困地域の医療に貢献したいと。それで高校に入学したときから、ずっと薬学部進学を志望していました。

推薦については高2の冬の面談のときに、担任の先生から推薦を受けてみないかっていう話をいただきまして。最初、自分は東大の推薦を受けられるようなタイプではないと答えていたんです。推薦入試はすごい高校生が受けるようなものだっていうふうに思っていて、自分には関係のない話と思ってたんですけれども、先生からそういう話をいただいてから気になり始めて、それで挑戦してみたくなりまして。

一応、一般入試の準備もしながらも、チャンスが増えるならという思いで、推薦入試を受けることを決めました。それが高3の春でした。

―貧困地域に関心を持った理由は何だったんですか?

小学生の頃に東南アジアとアフリカに旅行で行ったことがありまして、そのときに初めて貧困地域を目にしたんです。

―大きな経験をしたんですね。

小5とか小6のときなんですけれども、同じ学年の子どもたちの生活を目の当たりにして、生まれた場所が違うだけで、なんでこんなに差があるんだっていうことを感じて。

生まれながらの不平等というか、そういうのに違和感を覚えたのがきっかけで、国際協力ということに関わっていきたいなと漠然と思っていました。

―なるほど。

あと、小学生の頃、ガールスカウトに入っていて、貧困地域に物資を送るという活動に参加していたことも、関係していると思います。

―国際協力だと文系のアプローチもあると思いますが、なぜ医療だったのでしょうか?

やはり「体が資本」だなと思って。実は母が青年海外協力隊で教師として南アメリカに行っていたこともあって、私も教育領域での活動を考えていた時期があったんです。でも、テレビなどで現場の状況をみていると、教育を受ける前にそもそも健康が損なわれているっていう実態があって、文系的なアプローチも「体」「健康」という基本があってこそ成り立つものだなと感じたんです。

教育以前にまず健康でないと、と考えたところから、自分は医療という面でアプローチができたらなと思うようになりました。

―医学部ではなく、薬学部にした理由をもう少し詳しく教えてください。

高2のときだったと思いますが、2000年代から徐々に貧困地域の医療問題への取り組みが進展しているけれども、薬の開発っていうところで取り組みが止まってしまっているという記事を読んだことがあって。

「国境なき医師団」の人の本で、現地に行っても薬がないために、治療の手段がなくて治せないっていう話を読んだこともありましたので、私は「薬」というところに携わっていきたいと思いました。

―だから「薬学」なんですね。ただ、国際協力という関心もあり、教育にも関心があったりする中で、東大ではとりわけ前期課程で幅広い知的教育に触れる環境が用意されています。薬学に対する思いが揺らいだり、迷ったり、あるいはテーマを完全に変えてしまいたいということになるかもしれないっていう不安はなかったですか。

東京大学の教養を重視する校風が、私はすごく好きで。中学校の頃に「穴を深く掘るためには掘り口が広くないといけない」っていう言葉をもらったことがあります。いまも大事にしている言葉で、だからこそ教養を重視する東京大学のいろんな取り組みや、制度にすごく魅力を感じていて、むしろ自分の興味のために幅広いことを学びたいという気持ちが大きいです。

私は医療、薬学、貧困地域というテーマに将来的に取り組みたいと考えていますが、自分の興味に応じて様々なことを経験しておきたいと思っています。ただ、あまりにも広く授業や学習機会が用意されているので、そうしたことに対する不安を感じるというか、余裕がないというか、そういうことはいえるかもしれません。

―新学期が始まって1カ月ほどたちましたが、掘り口は拡げられそうですか。東大の授業はどうでしょうか。

毎日、刺激的です。授業のレベルが高くて、本当に最前線で研究されている方の研究が聞けるというのは、めったにない機会で、すごくわくわくしています。

また周りの学生たちがすごくて、そういう人たちの話を聞いて、すごい頑張らなきゃっていう刺激をたくさん受けています。

―推薦で入ると早期専門教育の一環で、早く研究室を見に行くことができるといったこともあると思いますが、具体的な動きは始まっていますか。

先日、薬学のガイダンスで、研究室に入りたければ夏と冬に連絡をくださいと言っていただきました。これから考えてみたいと思います。

―行きたい研究室とか、この先生に付いてみたいということは具体的に決まっているんですか?

パンフレットなどを読んで、いくつか興味のある研究室というのは挙げていたんですけど、入学してから面白そうだなと思う研究室が増えてしまって、今、決められない状態で…。

いろいろ見学させてもらえたらいいなと思っています。推薦で入学すると、提携の研究室で活動ができるっていうこともあるようなので、そういうチャンスも生かしていけたらいいなと思っています。

―ぜひ貪欲にどんどんチャレンジしてもらいたいと思います。最後に、全国の高校生に向けて、推薦入試に関して、あるいは高校時代の過ごし方や東大の良さなど、後輩に伝えたいことがあれば、一言もらいたいのですが。

私がこの推薦を受けることができたのも、「迷ったら、とりあえずやる」というスタンスだったから。高校時代にしかできないことってたくさんあると思うので、いろんなことに貪欲に挑戦してほしいと思います。一見勉強などにつながらないように見えても、それが後々、生きてきたりするから。

私の場合は自分の好きなことを追い求めていって、それがどんどんつながっていった結果、推薦入試で東大に入学することができました。だから皆さんもどんどんやってくださいと言いたいと思います。

―力強いメッセージになると思います。ありがとうございました。

ありがとうございました。

 

2019.3.28
インタビュー/東京大学高大接続研究開発センター教授・濱中淳子
構成/ライター・大島七々三