「人や社会に役立つ研究者をめざして医学部へ。諦めずに粘り強く追究していきたい」―2018推薦生インタビュー 医学部

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PROFILE

  • 氏名:   中桐悠一郎さん
  • 出身校:  立命館慶祥高等学校(北海道)
  • 入学:   2018年 理科三類(医学部進学予定)

――東大医学部への推薦入試を決めたのはいつですか?
高2ぐらいです。高1のときに生物学オリンピックに出場して、その経験を活かすには推薦入試という選択肢もあるなと感じたのと、東大の場合、推薦入試入学者には、研究を深めていくうえで特別プログラムも整っているので、そこも魅力的だなと思いました。

――推薦入試はご自身で決められたのですか?
高校の先輩が1期生として推薦入試で工学部に入学していることもあって、学校からも薦められました。

――工学部に先輩がいたことで、推薦入試のことはよく知っていたのですか?
どれくらい大変かとか挑戦することがすごいことなのかとか、そういったことはわからなかったけど、僕個人として、入試の選択肢やチャンスが増えるのでいいなと思いました。

――生物学オリンピックに出て受賞されたということなんですけれども、目指されたきっかけを教えてください。
高校のときに自然科学部という部活に入っていて、20人ぐらいの部なんですが、物理、化学、生物と3つの分野に分かれているんですね。それで僕は生物班に所属していて、その部活で毎年挑戦するのが恒例みたいな感じなんです。

――少人数の部活でオリンピックを目指して、実績を残されるってすごいですね。
ありがとうございます。途中から勉強が忙しくなって、あまり部活に顔を出せなくなったなかでの挑戦だったんですけど、努力したり世界各地の人と交流したりしたのはすごく楽しかったですね。
それと、国際大会代表に選ばれて、特別な研修プログラムが受けられることになったんですけど、その教育内容とか、最先端の実験器具や装置を使わせていただいたり、実際の研究のお話とかも聞かせていただいたりして、それもすごく刺激的でした。

――どちらの大学で研修を受けたんですか?
東大の駒場キャンパスでした。それがすごく楽しかったです。

――それで、そのまま東大を目指すきっかけにもなったんですか?
そういうこともありますね。またオリンピックに出場した先輩方の多くが東京大学の医学部に進学していて、先輩方から東大の魅力とかを教えていただいたこともあって、東大に行こうかなって考えるようになりました。

――推薦入試で入学した場合、専門は変えられませんが、そのあたりはいかがでしょうか?
そうですね。正直、推薦入試に挑戦する、医学の研究者になるための入試に志願すると決めるときには、迷いがありました。これからいろいろな授業を受けたり、研究室を見学させていただいたりして、正直さらに迷っていくのかなという気はしています。
でも、研究はどの分野も面白そうですし、医学といっても結構、幅広い分野が見学できるかなと思っているので、特に将来の分野が狭いなと感じたことは、今のところないですね。

――生物という大きな括りの中から、医学部への進学へと進路をしぼった理由に関して、具体的なエピソードはありますか?
特にこれといったエピソードはないですけど、医学部では人に対する研究ができるわけで、自分が研究をすることが人の役に立つことに繋がるなら、医学部はアリかなと思って医学部にしました。

――医学の研究も幅広いですが、特にこの分野をというところはありますか?
今のところ、何か発生するだけの動物とかがいて、何か細胞が増えていくという…。その小さなところの過程を医学の基礎研究として解明したいなって漠然と思っています。

――推薦入試の入学者は、早期専門教育のコースを歩むというのは既に説明を受けていると思いますが、どんな印象がありますか?
1年生から専門の特別プログラムが始まるので、授業数は多くなりますね。毎週水曜日に本郷の医学部にも行っています。アドバイザーの先生が研究室を見せてくださったり、ちょっと実験の体験をさせていただいたり、あと企業の紹介をしていただいたり。

――実際に研究現場をみていかがですか?
最先端の研究に触れることができるのは本当にうれしいなと思っています。

――これから、どんな社会になってほしいとか、どういう社会に自分は貢献していきたいとか、最後に抱負を聞かせてください。
あまりそういうことは考えていませんでしたが、取りあえず自分が面白いなと思った分野を、諦めずに粘り強く追究していきたいなと考えています。それで発見できたことが、何らかの形で健康とか、そういったところに還元できればいいなと思います。

――これからの研究活動に期待しています。どうもありがとうございました。
 

取材/2018年4月
インタビュー/東京大学高大接続研究開発センター教授・濱中淳子(当時)
構成/大島七々三、「キミの東大」企画・編集チーム