• TOP >
  • 東大卒業生のいま >
  • 東大卒業生インタビュー・編集者―自分の本当にやりたいこと、やる前から諦めていませんか?

東大卒業生インタビュー・編集者―自分の本当にやりたいこと、やる前から諦めていませんか?

東大卒業生インタビュー・編集者―自分の本当にやりたいこと、やる前から諦めていませんか?

東大卒業生のいま

#編集者 #編集者 #東大卒業生 #東大卒業生 #文学部の人 #文学部の人 #文科3類 #文科3類

卒業生 山口真幸さん

東大卒業生インタビュー

東大生の卒業後のいろいろな進路をお伝えするインタビュー。東大卒業後に出版社の編集者として働く山口真幸さんをご紹介します。本が好きで出版社に就職と、一直線のキャリアを歩んでいるように見える山口さん。東大での学びは、山口さんにどんな影響を与えたのでしょうか。

PROFILE

山口 真幸さん

出身高校:埼玉県立浦和高校卒業
出身学部:文学部 行動文化学科 社会心理学専修課程(2014年卒業)
現在のお仕事:一般財団法人名古屋大学出版会にて編集者として勤務

アカペラバンドサークルではグループの友人に支えられた

 学生時代から本を読むことが好きだったという山口さん。当時好んで読んでいたジャンルは純文学や教養書で、特に好きな作家は村上春樹。デビュー作の『風の歌を聴け』は事あるごとに読み返すのだとか。現在は名古屋で編集者をしている。
 本が好きだったことをきっかけに、出版社に勤めたいと思うようになり、就職活動の結果、その夢がかなった。なんとも理想的な成功談のように思われてしまうが、ここに至るまでには紆余曲折があった。

 真面目にコツコツと勉強していた高校時代。バドミントン部を引退した高2の2月には、すでに受験勉強を始めていた。高校は全国でも有数の進学校。「勉強することがあまり苦にはなっていなかった」と当時の自分を振り返って語る。

 そうして文科三類に現役合格。クラスの先輩の勧めで、アカペラバンドサークルに入会した。もともと歌うことは好きだったが、友人とカラオケを楽しむ程度で、アカペラ自体は初心者だった。「率直に言って、入ったころの自分はそんなに歌がうまくありませんでした」。フラットな雰囲気が売りのサークルではあったものの、やはり歌唱力がある人ほど「一緒に歌おう!」と誘われやすいし、友達もできやすかった。だから、サークルの中での自分の居場所がわからなくなる時期もあったという。
 それでも最後まで続けることができたのは、一緒に活動していたグループのメンバーのおかげ。自分が上達していることはなかなか実感できなくても、グループでの成果は出せていたからこそ、自分も頑張らなきゃと思えた。当時のメンバーとの交流は、卒業して数年経った今でも続いているという。

卒業生 山口真幸さん
「ソラマチアカペラストリート」が開催されている押上駅のカフェにて

サークルの経験から社会心理学を専攻。「当たり前を疑う」姿勢を得た

 サークルに入ってから、人間同士のコミュニケーションや、コミュニティにおける人間の在り方に興味を持つようになった。社会心理学を専攻することに決めたのも、その影響があってのことだった。社会心理学とは、社会における人々の行動や心理、あるいは社会問題や社会現象などを研究する学問だ。卒業論文では、「街のイメージ」をテーマに、東京の女子大生にインタビュー調査を実施した。
 専攻分野の知識が、今の仕事に直結して役立っているわけではない。それでも、大学で学んだことは、しっかりと今に生きているという。「今まで言われてきたことに対して疑問を投げ掛けて、そこに対してちゃんとした根拠を持って批判して、塗り替えていくというのが学問の在り方なわけです」。何事にも批判的に向き合い、当たり前を疑う姿勢の大切さ。東大が山口さんに教えてくれたことだった。

少しだけ遠回りして編集者の道へ。やりたいことを諦めないで

 学部卒業後は、就職しようか大学院に進学しようか迷った。就活に失敗した4年生の時に大学院入試の願書を提出するも、結局受験せずにもう一年就活をやり直した。だから、大学には5年間在籍した。他の人よりも少しだけ遠回りをして、社会に出たのだった。

 そんな山口さんが高校生に伝えたいこと。それは、自分が本当にやりたいことや、やってみたいと思っているけれど挑戦できずにいることに、きちんと目を向けてほしいということだという。「やりたいことが見つからないって言った時に、実は本当はあるのだけれど、今の限界でそれが見えなくなってしまっている部分が多分あるはず」。
 高校生である今すぐには実現できそうにないからと言って諦めてしまうのではなく、少しでも面白そうに思えたら飛び込んでみることが大事なのだ。「自分がそれに気付けたのは社会に出てからなので、高校生のみなさんにはもっと早いうちから、自分がやりたいことに嗅覚を働かせて過ごしてほしいなと思います」。

2019.6.13
インタビュー・構成/学生ライター・伊達摩彦