「都市課題を解決するため、将来起業して藻類バイオマスの実用化に取り組みたい」―2025推薦生インタビュー 工学部

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西田優美奈さん

PROFILE

  • 氏名:  西田優美奈さん
  • 出身校: 横浜市立南高等学校(神奈川県)
  • 入学:  2025年 理科一類(工学部進学予定)

――東京大学の工学部を志望したきっかけを教えてください。
地球環境を改善したい思いがあり、アオミドロなど池に繁殖している身近な藻類からバイオ燃料を抽出し、残りカスを肥料として活用する研究を行ってきました。研究のブラッシュアップのためにたくさんのコンテストに出場したのですが、そこで、審査員の方から「東京大学の推薦をめざしているのですか?」と聞かれたことで、学校推薦型選抜を意識するようになりました。バイオ燃料のような、環境負荷を低減する先端技術を実用化するためには、藻類だけではなく実装先である都市や環境問題など幅広い学びが必要と感じたので、都市工学や環境工学を基礎から学べる、東京大学の都市工学科を志望しました。

――中高生のときに取り組んだ活動について教えてください。
中学2年から藻類の研究を始めて、今年で6年目になります。高校には科学部がなかったので、自分で実験計画を立て、家で必要な機材をそろえて実験をしていました。専門的な機械がないこともあり苦労しましたが、いろんなコンテストに参加したことで、新たな課題を発見することができ、次の実験へとつながっていきました。より専門的な研究を行いたいと考えていたときに、東大の先端科学技術研究センターが主催する「高校生研究員」の制度を知り、応募したことがきっかけで、先端研の研究者や大学院生から研究の支援を受けながら、肥料の成分分析など高度な実験を行うことができました。取り組んできた活動の中で、一番思い出に残っているのは、高校生最後の大会となったJSEC(日本科学技術チャレンジ)です。これまで積み重ねてきた研究成果を評価していただき日本代表に選ばれたことが、自分の努力が実を結んだと実感しとてもうれしかったです。

――推薦生が前期課程で受けることのできる早期専門教育について、どのようにお考えですか?
推薦生へのサポートがとても手厚いと感じています。アドバイザー教員の先生と相談しながら、1年のAセメスターか2年のSセメスターには都市工学科の授業や環境マテリアル工学概論など他学科の早期履修にも挑戦して教養を深めていきたいと考えています。また、私が取り組んできた藻類の研究やコンテストへの参加についても、これからも続けていくつもりなので、アドバイザー教員の先生には、そういった面もサポートしていただけたらうれしいです。工学部での新しい学びにわくわくしています。

――大学の授業が始まっている頃かと思いますが、興味のある授業はありましたか?
都市工学に関連することを深く学ぼうと思っています。今学期でも、「社会システム工学基礎」や「環境エネルギー工学基礎」を履修し、環境問題を改善する最先端の技術のことや実際に都市計画を行っていく上で気をつけなければいけないことなどを学んでいきたいです。

――勉強や研究以外に挑戦したいことはありますか?。
私が高校生研究員としてお世話になった先端科学技術研究センターで、研究室のアフィリエイトとして、小・中・高校生の研究活動や勉強の支援をお手伝いできたらと考えています。

――将来就きたい職業とか将来の夢は何かありますか。
環境問題を改善する最先端技術を社会実装していく都市プランナーとして、民間企業に入って活躍したいです。起業支援プログラムがある企業もあるので、そうした制度を活用して藻類バイオマスの実用化に取り組んでいけたらと考えています。

――最後に、このインタビューを読んでいる高校生に向けてメッセージをお願いします。
自分の知的好奇心とかやりたいと思っていることに対して、諦めずに全力で進んでいけば、きっと実現に近づくということを伝えたいです。私自身も、中学ではあった科学部が高校にはなく、ほぼ1人で研究を続けるという苦労もありましたが、それでも続けたことで自信につながりました。明確な目標があれば、まずはそれに向かって頑張ってください!

――逆境で育ってこられた中でのメッセージ、ありがとうございました!

 

取材/2025年4月
インタビュー・企画・構成/「キミの東大」編集チーム