令和3年度 東京大学総長賞受賞者の声(課外活動・社会活動編)

2022.05.31

学生表彰

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東大総長賞とは?

「本学の学生として、学業、課外活動、社会活動等において特に顕著な業績を挙げ、他の学生の範となり、本学の名誉を高めた者」(個人又は団体)に対して、東大の総長が直々に表彰を行う賞です。賞の授与は平成14年から始まり、年に1回、受賞者の表彰と活動(研究や課外活動、社会活動など)の内容に関するプレゼンテーションが行われています。令和3年度は13の学生・学生団体に対して総長賞が授与されました。
「キミの東大」では、受賞者の方々に活動/研究内容を教えてもらうとともに、高校生のみなさんへのメッセージもいただきました!
ぜひ、東京大学の学生の活動の幅の広さと学びの深さを体感してください。
今回は、課外活動・社会活動編をお届けいたします。

ツールの開発を通じて、オンライン授業での学生の意見交換をサポート

総長大賞
【受賞者名】中條 麟太郎さん(文学部3年、情報学環教育部研究生、東京都出身)
【受賞テーマ】東京大学におけるオンライン教育支援の経験から生まれた教育プラットフォーム「LearnWizOne」の開発とその評価としてのEdTech分野における世界最大の国際コンテスト部門優勝

 
私は、コロナ禍で急速に進行した授業のオンライン化において、教員や学生からの相談に対応する問い合わせ窓口の運営に尽力し、東京大学のオンライン授業を学生の立場から支援してきました。その経験から、オンライン授業では学生間の議論や意見交換が難しいという問題意識を持ち、本学・工学系研究科の吉田塁准教授と共に、オンライン授業に手軽に導入でき、学生の積極的な意見交換を促すことができるEdTech「LearnWiz One」を開発しました。開発したツールは誰でも使えるように一般に公開しており、10000人以上の教員・学生に活用していただいているだけでなく、世界最大のEdTechコンテスト「GESAwards」の研究開発部門において世界第1位を獲得しました。この取り組みは、自宅から一人で授業に参加していても、他の学生からの学びを得やすい新しい学習環境を実現するものであり、全世界が直面したコロナ禍における新たな学びの形を具現化した実践として評価していただきました。現在は法人を設立し、スタートアップ企業としてより良い教育の実現に向けて邁進しています。
 

  • 東京大学での学生生活は、入学前には想像もできないような豊かな体験の連続です。プログラミングもしたことがなかった入学前の自分に「4年後にWebサービスを開発して起業したよ」なんて伝えたらきっと驚くでしょう。これは、自分のやりたいことを見つけられる環境と、自分のやりたいことを実現できる環境の双方が東京大学に備わっているために実現したものであると確信しています。前期課程の二年間は自分のやりたいことを見つけることに大いに役に立つでしょうし、大学に集う好奇心にあふれた学友と先生方は自分のやりたいことを実現する助けとなってくれます。東京大学を目指している皆さんが、この豊かな環境の一員となることを願っています。

ベンチプレス競技で優れた成績をおさめ、コロナ禍の競技活動支援にも尽力

【受賞者名】藏下 隼人さん(教養学部統合自然科学科3年、大阪府出身)
【受賞テーマ】世界ベンチプレス選手権2021第3位入賞およびコロナ禍を克服する学生ボディビル・パワーリフティング連盟代表としての指導的活動

 
ベンチプレス競技者として2021年の世界選手権での3位入賞をはじめ、全日本大会で2度の優勝、さらに学生全日本大会では日本新記録を出して優勝という超大学級の成績を残しました。そして私は選手としての活動に加え2021年に学生ボディビル・パワーリフティング連盟の代表を務め、コロナ対策事業を行う医療機関と緊密に連携し、前年度は中止になってしまったボディビルとパワーリフティングそれぞれの全日本学生大会をともに開催することに成功させるなど、コロナ禍の逆境のなか国内全ての学生選手の活躍の場を作り出すことにも尽力しました。さらに2021年夏の東京パラリンピックではパラ=パワーリフティング競技における補助団代表として大会成功に貢献することで、現役スポーツマンとしてコロナ禍克服のモデルケースを示すことができたと感じております。
 

  • 東大には、その気になれば学業の範疇を超え、研究活動や課外活動・社会活動など色々なものに挑戦できる素晴らしい環境が整っています。我が道を往き、唯一無二の境地を目指してみるのも面白いですよ。

国際的なプログラミングコンテストで東大の代表チームとして優勝

【受賞者名】伊佐 碩恭さん(医学部5年、群馬県出身)、井上 卓哉さん(数理科学研究科修士課程1年、埼玉県出身)、髙谷 悠太さん(理学部4年、神奈川県出身)
【受賞テーマ】第44回国際大学対抗プログラミングコンテスト(ICPC:International Collegiate Programming Contest)世界大会Invitational 優勝・金メダル受賞

 
2021年9月30日に、我々3名からなる本学の代表チームが、ICPC 世界大会の invitational (オンライン参加) 部門で優勝という快挙を達成することができました。 ICPC は、同じ大学の3人の学生がチームを結成しプログラミングと問題解決の能力を競う国際大会です。私たちのチーム「UT a.k.a Is」を結成した2019年には30万人以上が参加し、最終的に174チームが地区予選を勝ち抜きました。1年延期された世界大会では、オンライン参加とモスクワに渡航し現地参加の2部門を選択する形で開催され、この大規模かつ国際的なコンテストで、全世界の名門大学を抑えて世界大会で優勝できたことは、非常に光栄なことだと実感しております。


Gold Medalの証明書

コンテストの最終結果

 

  • 大学生になったらプログラミングをやってみたい!という方は多くいらっしゃると思いますが、特に数学・算数が好きな方はぜひ競技プログラミングに触れてみてください!

「医療」と「教育」の懸け橋を目指した多様な社会活動

【受賞者名】横山 果南さん(医学部5年、神奈川県出身)
【受賞テーマ】米国財団法人野口医学研究所主催「野口エッセイコンテスト」特別賞及び東京都医師会主催「医学生懸賞論文 Student Doctor プラタナス大賞」大賞受賞と多岐にわたる一連の社会活動

 
途上国の教育環境の向上に強い関心を持ち文科三類に入学した私は、国際研修で国連本部を訪問し、途上国では本人、家族の健康問題により教育を受けられないという子どもたちの実態に着目しました。学業、様々なプログラムおよび学生団体「東京大学UNiTe」にて「EMPOWER Project」「ボイス・オブ・ユースJAPAN」に携わる中で、途上国における医療と教育の密接な相互依存性に注目し、文科三類から医学部医学科に進学しました。 “「医療」と「教育」という異分野の懸け橋となって、世界の子どもたちが質の高い教育を受けて夢を実現できる社会を実現する”という私自身の目標と、“多くの医療関係者が医療と「何か」をinnovativeに融合することがより良い世界の実現につながる”という提案をまとめ、2021年米国財団法人野口医学研究所主催「野口エッセイコンテスト」特別賞、東京都医師会主催「医学生懸賞論文 Student Doctor プラタナス大賞」大賞を受賞させていただきました。これらの一連の課外活動・社会活動および受賞は一つの領域にとらわれず多彩な分野で学際的に活躍するものであり、世界的リーダーの輩出をミッションとする東京大学の学生にふさわしいものと評価していただきました。


ユニセフ親善大使マズーン・メレハン大使との対話

グローバルリーダー育成プログラム
フィリピン・セブ島での公衆衛生ボランティア

 

  • 東大の魅力の一つは、前期教養を経て進学先を選択できる「進学選択」です。文科三類から医学部医学科への進学は、入学時には全く思いもしなかった出来事でした。トライリンガルプログラム、グローバルリーダー育成プログラム、国際研修、体験活動プログラムなど、東大が学生に対し提供している様々なプログラムを経験する中で、多くの東大生と知り合い、幅広い視野を持つことができました。これらの学びをもとに一念発起して医学部医学科に進学するに至りました。プログラムで知り合った方々とは今でも連絡を取り合っていて、いつも良い刺激をいただいています。後輩の皆さんには、これからもいろいろな人と関わり、いろいろな分野に関心を持ってほしいです。皆さんの挑戦を応援しています!

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構成/「キミの東大」企画・編集チーム