令和5年度 東京大学総長賞受賞者の声(学業編)
学生表彰 2024.04.10
2022.05.31
東大総長賞とは?
「本学の学生として、学業、課外活動、社会活動等において特に顕著な業績を挙げ、他の学生の範となり、本学の名誉を高めた者」(個人又は団体)に対して、東大の総長が直々に表彰を行う賞です。賞の授与は平成14年から始まり、年に1回、受賞者の表彰と活動(研究や課外活動、社会活動など)の内容に関するプレゼンテーションが行われています。令和3年度は13の学生・学生団体に対して総長賞が授与されました。
「キミの東大」では、受賞者の方々に活動/研究内容を教えてもらうとともに、高校生のみなさんへのメッセージもいただきました!
ぜひ、東京大学の学生の活動の幅の広さと学びの深さを体感してください。今回は、課外活動・社会活動編をお届けいたします。
TABLE OF CONTENTS
【中條 麟太郎さん】 ツール開発を通じて、オンライン授業での学生の意見交換をサポート
【藏下 隼人さん】 ベンチプレス競技で優れた成績をおさめ、コロナ禍の競技活動支援にも尽力
【伊佐 碩恭さん、井上 卓哉さん、髙谷 悠太さん】 国際的なプログラミングコンテストで東大の代表チームとして優勝
【横山 果南さん】 「医療」と「教育」の懸け橋を目指した多様な社会活動
私は、コロナ禍で急速に進行した授業のオンライン化において、教員や学生からの相談に対応する問い合わせ窓口の運営に尽力し、東京大学のオンライン授業を学生の立場から支援してきました。その経験から、オンライン授業では学生間の議論や意見交換が難しいという問題意識を持ち、本学・工学系研究科の吉田塁准教授と共に、オンライン授業に手軽に導入でき、学生の積極的な意見交換を促すことができるEdTech「LearnWiz One」を開発しました。開発したツールは誰でも使えるように一般に公開しており、10000人以上の教員・学生に活用していただいているだけでなく、世界最大のEdTechコンテスト「GESAwards」の研究開発部門において世界第1位を獲得しました。この取り組みは、自宅から一人で授業に参加していても、他の学生からの学びを得やすい新しい学習環境を実現するものであり、全世界が直面したコロナ禍における新たな学びの形を具現化した実践として評価していただきました。現在は法人を設立し、スタートアップ企業としてより良い教育の実現に向けて邁進しています。
ベンチプレス競技者として2021年の世界選手権での3位入賞をはじめ、全日本大会で2度の優勝、さらに学生全日本大会では日本新記録を出して優勝という超大学級の成績を残しました。そして私は選手としての活動に加え2021年に学生ボディビル・パワーリフティング連盟の代表を務め、コロナ対策事業を行う医療機関と緊密に連携し、前年度は中止になってしまったボディビルとパワーリフティングそれぞれの全日本学生大会をともに開催することに成功させるなど、コロナ禍の逆境のなか国内全ての学生選手の活躍の場を作り出すことにも尽力しました。さらに2021年夏の東京パラリンピックではパラ=パワーリフティング競技における補助団代表として大会成功に貢献することで、現役スポーツマンとしてコロナ禍克服のモデルケースを示すことができたと感じております。
2021年9月30日に、我々3名からなる本学の代表チームが、ICPC 世界大会の invitational (オンライン参加) 部門で優勝という快挙を達成することができました。 ICPC は、同じ大学の3人の学生がチームを結成しプログラミングと問題解決の能力を競う国際大会です。私たちのチーム「UT a.k.a Is」を結成した2019年には30万人以上が参加し、最終的に174チームが地区予選を勝ち抜きました。1年延期された世界大会では、オンライン参加とモスクワに渡航し現地参加の2部門を選択する形で開催され、この大規模かつ国際的なコンテストで、全世界の名門大学を抑えて世界大会で優勝できたことは、非常に光栄なことだと実感しております。
途上国の教育環境の向上に強い関心を持ち文科三類に入学した私は、国際研修で国連本部を訪問し、途上国では本人、家族の健康問題により教育を受けられないという子どもたちの実態に着目しました。学業、様々なプログラムおよび学生団体「東京大学UNiTe」にて「EMPOWER Project」「ボイス・オブ・ユースJAPAN」に携わる中で、途上国における医療と教育の密接な相互依存性に注目し、文科三類から医学部医学科に進学しました。 “「医療」と「教育」という異分野の懸け橋となって、世界の子どもたちが質の高い教育を受けて夢を実現できる社会を実現する”という私自身の目標と、“多くの医療関係者が医療と「何か」をinnovativeに融合することがより良い世界の実現につながる”という提案をまとめ、2021年米国財団法人野口医学研究所主催「野口エッセイコンテスト」特別賞、東京都医師会主催「医学生懸賞論文 Student Doctor プラタナス大賞」大賞を受賞させていただきました。これらの一連の課外活動・社会活動および受賞は一つの領域にとらわれず多彩な分野で学際的に活躍するものであり、世界的リーダーの輩出をミッションとする東京大学の学生にふさわしいものと評価していただきました。
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