「大学でも英語ディベートに打ち込み、将来は法律と社会の乖離を埋めていきたい」―2021推薦生インタビュー 法学部

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2021推薦生 梶谷さん

PROFILE

  • 氏名:   梶谷凜奈さん
  • 出身校:  渋谷教育学園幕張高等学校(東京都)
  • 入学:   2021年 文科一類(法学部進学予定)

――学校推薦型選抜に挑戦しようと思ったのはなぜですか?
高校1年の頃から、部活で行っていた英語ディベートで結果を出せるようになって、顧問から「学校推薦型選抜という道もあるんだよ」って教えていただいて知りました。でも、現実的に目指そうと決めたのは、高3の夏あたりのかなり遅い段階でした。

――志望理由書では、大学で何を学びたいと書いたのですか?
志望理由書でメインに書いたことはAIなどの科学技術と法についてです。まずテーマとして、法律や法律の想定している人や社会と、実際の現実とが乖離しているということを問題意識として書いて、その一つの例として、高校で調べ続けてきたAIについて書き、大学ではこの乖離について深く学びたいと書きました。

――AIについては、何を通じて関心をもったのですか?
私の学校は在校生全員が論文を書くことになっているのですが、私が論文に取り上げたテーマは、AIが漫画を書けるかというものでした。それで、1年生の頃からなんとなくAIについて調べてはいました。その中でも、課外活動の英語ディベートで特定の論題について深く調べる機会がたくさんあって、例えばGAFAの市場独占についてだとか、AIのアルゴリズムについてだとかについて学んだことが一番大きかったと思います。

――準備はいつ頃から始めたのですか?
高3の秋ですね。9月、10月ぐらいから本格的に志望理由書などを書き始めました。今までいろんな活動で調べたことを一つにまとめ上げるという作業が必要だったので、志望理由書を書くことよりも考えることにすごく時間を使いましたね。自分の伝えたいこととか大学に見てほしい部分は何だろうというのをずっと考えていて、そこが一番難しいところではありました。

――ディベートで培ってきたことと法の学びをどう結び付けて議論したのですか?
ディベートっていうのは、肯定派と否定派でケンカのようなイメージもつきがちなんですけど、競技ディベートの世界では相手の意見を取り入れた上で自分の主張を展開していかないとまず試合に勝てないので、相手の話を聞く対話の要素がすごく強いんです。今、相手が想定している社会はどんな社会で、どういう問題点があってみたいなことを聞きながら考えていく競技なんですね。これと同じように、法と社会が乖離していると思ったときには、社会は今こういう状態で、これについてこう思っている人がいて、それは自分の価値観にどう作用するかといったことを考えていくことで、法について考えていくことができます。この点で、ディベートと法の学びは類似しているなと感じました。

――前期教養課程で興味のある授業はありますか?
国際関係論に興味があります。高校3年間はほんとにディベートばっかりやっていたので、ディベート以外で社会を見る目を養いたいと思っていて。ディベートは割と人の動きを焦点に当てがちで、特定の人の人権とか幸福度とかがテーマに持ち上がることが多いんです。でも、いずれ社会全体に行き渡る法についての整備を考えると、特定の国が社会の流れの中で置かれている実情だとか、人類全体の課題とか、もっとマクロな視点を得たいなと思っていて、そういうために国際関係論は大事かなと思っています。

――勉強、研究以外でやりたいことはありますか?
やっぱり英語ディベートに大学でも打ち込んでいきたくて、すでにサークルにも参加しています。大学に上がると国際大会とかの選択肢がすごく増えるのですが、今はオンラインなので、渡航に時間とお金を取られないまま世界中の人とディベートができるっていう、ほんとに恵まれた環境にいるので、自分の実力をさらに伸ばしてどこまでいけるか挑戦したいところです。

――将来就きたい職業や夢はありますか?
法律と社会の乖離を埋めていきたくて。私は、生まれは東京なんですけど、幼稚園の年長から小学校2年生までアメリカのカリフォルニア州に、小学校4年から6年まで南米のチリに住んでいました。そういった経験もあり、あまり国に縛られたくはないとは思っています。
法律と社会の乖離が激しい地域って、法ができても人々がそれに従うとは限らなかったり、人々の社会全体の意思が、法学者や法曹界の考えている人権の保障や法整備への動きとは一致していない場合も多いと思っています。ただ法学に焦点を当てている人たちと、ただ日々の生活に焦点を当てている人たちとの間のつなぎが必要だと思っているので、うまくつなぎの立場に入れればと漠然と考えてはいます。

――最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。
私の場合は、本当に自分の好きなことに打ち込んでいたら周りのサポートやいろいろな巡り合わせでここまで来ることができました。何がどんなものにつながるかっていうのは高校の序盤の段階では予測ができないと思うので、まずは好きなことや関心のあることに少しでも打ち込んでいければ、それがほかの道につながったり、ほかのことを頑張れたりする理由にもなると思います。

――好きなことに熱中することが大事ということですね!ありがとうございました。

取材/2021年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム