「裁判官になってみて医学の重要性に気づき、退職して医学の道を志すことにしました」―2018新入生インタビュー(14)

2018.08.09

新入生2018

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PROFILE

  • 氏名:   小野航介
  • 出身校:  麻布高等学校/社会人学生
  • 入学:   2018年 理科3類

――東大を目指されたのはいつ頃ですか?

私は一度この大学を出て、裁判官として仕事をしていましたが、途中で退職し、理3を受験することにしました。それが2年前になります。

――なぜキャリアチェンジをしようと思われたのですか?

法律の世界で仕事をしていると、事故や事件の被害者の方とお話をすることがあるのですが、法律の世界で仕事をしているだけでは、その場だけで事件が終わってしまうということになってしまいます。例えば加害者の人の罪を判断する、賠償金の額を決めるといったことを法律にもとづいて行うわけです。でも実際には当事者の人生は裁判の後も長く続く。その後の精神的な問題や後遺障害の問題などに、直接に向き合いたいと思っていました。一人ひとりに向き合うためには、医学の知識が必要なのではないかと思い、キャリアチェンジを考えました。

――医師という世界にも身を置くことはできるし、また医学の知識を付けた法曹界の人間になることもできるかと思いますが、どちらを考えていらっしゃいますか?

私としては実際に医学の知識があっても、法律の世界にいては裁判が終わったら仕事が終わりになってしまうので、その後のことに医師として携わっていきたいなと思っています。

――そうすると研究医よりは臨床医として活躍される道を展望していらっしゃるわけですね。

まだ今の段階ではどんな選択をするかは確実に決まっていないのですが、例えば事故後のPTSDなど、まだ取り組んでおられる現場の方が少ない分野については臨床をやりつつ、研究もするということを考えています。できるだけ新しい分野で臨床をやりたいと思っています。

――まだ東京大学には社会人学生は少ないと思います。ぜひとも今後東大を目指される社会人の方へ向けてメッセージを残していただきたいのですが。

東大はいろいろな物の見方を重視してくれる大学だと思います。それは入学試験で自分の考えを書くことが多いことからもわかることで、東大は他の分野でやってきたことを受け入れてもらえる場所であるはずだ、と私は思っています。社会人の方がいらっしゃれば一緒に頑張っていきたいです。

――もう一度教養の2年間を経験されるわけですけれども、前回とは違ったことを学ばれるのですか?

前回は文科1類でしたので、必修科目はかなり異なっています。今回は数学や物理を頑張りたいと思います。

 

2018.08.09
取材/東京大学高大接続研究開発センター 教授・濱中淳子
構成/ライター・大島七々三