2020年東大推薦生インタビュー・全10学部まとめ
推薦生2020
2020.07.09
2020.07.09
PROFILE
道正 咲子さん(薬学部進学予定)
出身地 神奈川県
高校 フェリス女学院高等学校
―東大を目指したきっかけを教えてください。
小学生の頃から理科が好きだったのですが、中学校の生物の授業で出会った細胞の美しさに魅了され、将来は生物分野に関わる研究者になりたいと思い始めました。
そんな中、高校での講演会でALS患者の方の姿を目の当たりにしたことや、祖母が大病に罹患したことをきっかけに、創薬という方法で医療に貢献したいと思い、東大の理科二類を目指そうと決めました。
はじめは一般入試だけを受けるつもりでした。
―推薦入試に挑戦しようと決めたのは、いつ頃ですか?また、何がきっかけだったのですか?
推薦入試への挑戦を最終的に決意したのは高3の8月です。日本生物学オリンピックで受賞できたことが大きな自信になり、それが決め手となりました。
私は目の前の行事や課題、自分の興味も大切にしてきたのですが、募集要項で求められている人物像と私に重なるところが多いように感じ、両親も、推薦入試は私の良さを活かせるのではないかと背中を押してくれました。
―推薦入試を考え始めてから、準備はどのように進めましたか?
まず高校の先生と相談しながら、書類審査に向けた志望理由書の作成を始めました。
書類を作る際、自分が今まで何をしてきたのか、どうして薬学部に行きたいのか、将来は何をしたいか、など曖昧だった部分が明確になり、自分の中ですっきりしていったのを覚えています。
推薦入試への準備は、大学で学ぶことへのモチベーションを高めることができた良い機会だったと思っています。
―創薬という分野に特に関心を持った理由を教えてください。
医療への関心とともに、生物、特に細胞レベルの研究を行いたい、という気持ちをずっと持っていたので、その両者を併せて考えたときに創薬という分野が自ずと浮かび上がってきた、という感じです。
それに加え、祖母が大病の治療で使った薬の効果が劇的で、薬の存在の大きさを改めて実感し、創薬の道に進みたいという思いが強くなりました。
―大学で研究したいことは、具体的に決まっていますか?
大学で勉強するうちに変わっていくかもしれませんが、今のところは細胞の機構やシグナル伝達といった分子生物学に興味があります。
神経難病の原因を突き止めて、その治療薬を作りたい、というのが大きな目標です。
―将来はこんな社会になってほしいとの思いはありますか?
私は高校時代から社会と科学の関係に関心を持っていて、医療分野の発展がめざましい今、生命倫理を始めとする様々な問題が生じてきていると感じています。「できる」と「するべき」を混同せず、一人一人が技術のあり方や命についてよく考えるような社会であってほしいと思っています。
―高校生の頃は、学校の勉強以外の時間をどのように過ごしていましたか?
勉強以外で一番時間を割いていたのは、競技かるたでした。高3の7月に引退するまで練習や大会など積極的に参加していました。
他にはピアノを弾いたり本を読んだり、結構自由に過ごしていたと思います。
―最後に、推薦入学の先輩として、高校生たちにメッセージをお願いします。
私自身、高校時代何かすごいことをしてきたわけではなく、自分がやりたいことを見つけてそれを大切にしてきました。その姿勢を推薦入試で評価していただけたのは大きな自信となっています。
推薦入試は自らを振り返って将来何をしたいか考えるとても良い機会です。ぜひ多くの皆さんに挑戦してほしいと思っています。
―ありがとうございました。これからもチャレンジを続けてください。