「推薦生の先輩から話を聞き受験を決意。世界を牽引する宇宙工学エンジニアを志す」―2020推薦生インタビュー 工学部

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2020推薦生末広さん

PROFILE

  • 氏名:   末広多聞さん
  • 出身校:  大阪星光学院高等学校(大阪府)
  • 入学:   2020年 理科一類(工学部進学予定)

――東大の推薦入試にチャレンジしたきっかけを教えてください。
きっかけは高校の先輩方です。僕の高校では何人か推薦入試で東大に行った先輩がいたのですが、その先輩方から聞いた話や、推薦生は前期課程から専門教育を受けられ、アドバイザー教員の支援も受けられるといった制度があることを知り、受験を決断しました。また、進学選択がなく、希望する進学先に進むことができることも魅力的に感じました。

――推薦入試を考え始めてから、どのように準備を進めましたか?
準備はまずどの学部に出願するのかということを決めることから始めました。
東大は一般入試で入学するときは学部や学科を指定しなくてもいいという利点があるのですが、推薦では具体的に決めないといけないのでそこからでした。これはすなわち将来どんなことをしたいのかを決定するようなものだと思うのですが、物理をするのか、工学(宇宙工学)に進むのかでかなり悩みました。
その後は書類を書くだけだったのですが、これも思ったよりも準備が大変でした。実際、自分の夢や個性を、硬い日本語で表現するのは僕にとっては難しいことでした。そこで僕は等身大の自分を自分の言葉で書くことにしました。結果的には合格できましたが、あれで良かったのか今でも疑問です。

――物理か宇宙工学かで悩んだとのことですが、なぜ宇宙工学を選んだのでしょうか?
宇宙工学系のエンジニアになることは子どもの頃の夢でしたが、物理も深く勉強してきた分野だったので悩みました。
ちょうど進路を物理か工学かで悩んでいた時に宇宙兄弟という漫画を読んで、その後すぐに宇宙工学に決めました。安直ですがやはり、かっこいいと思ったのがきっかけですね。こんなことを真面目なインタビューで言うのは自分でもどうかと思いますが、これが一番の理由ですね。
ただもちろん物理をしたくないというわけでは全くないですし、今でも物理を勉強することはやめていません。

――子どもの頃に宇宙工学エンジニアに憧れたきっかけは何ですか?
色々あるんですが、わかりやすいのは小惑星探査機はやぶさです。あのプロジェクトのメンバーがはやぶさが帰還した時に大歓声をあげて喜んでいたのを見て、あそこのメンバーにいつか入りたいなと思っていました。
あともう一個あげるとしたら、アポロ13という映画です。あれを初めて観た時、素直に管制官にいたエンジニアがかっこいいと思ったのを覚えています。

――中高時代はどのようなことに興味を持っていましたか?
物理に興味を持ち、物理オリンピックなどの機会を通じて深く勉強してきました。物理オリンピックに取り組んだのも中学高校の先輩がきっかけです。先輩方が物理オリンピックでメダルを獲得して校門に垂れ幕がかかっているのを中学時代見ていてかっこいいなと思い、そこから挑戦してみようと思いました。きっかけはそのようなことだったのですが、物理を勉強していくなかで、次第に物理の学問的な美しさや楽しさにハマっていき、その後も勉強を続けることができました。

――物理オリンピックではどのようなことを学びましたか?
国際物理オリンピックではたくさんの貴重な経験をさせていただいて色々学んだのですが、一番自分の心に刺さったのは、自分たちより賢い学生たちがこの世界には数え切れないほどいるのだということです。これは、僕が物理などを勉強する上で大きなモチベーションになりました。

――前期課程における早期専門教育として、受けたい授業や取り組みたい研究活動はありますか?
はい、あります。今まさに、プラズマ物理についての授業を早期履修しています。
少し前からプラズマ物理に興味を持っており、早期履修が可能な授業だったので受けています。このプラズマ物理は様々な応用分野があるのですが、僕が興味を持っている分野はやはり、ロケットの推進力としてのプラズマの応用です。はやぶさのエンジンであるイオンエンジンもプラズマ状のイオンで推力を生み出しているエンジンですね。この分野の研究はいつかやってみたいと思っています。

――東大に入学して、どのようなことを感じていますか?
やはり皆さん勉強の意欲があって、しかもとても優秀なので、自分の学習意欲を高めてくれています。ただ、新型コロナウイルスの影響で思い描いていたキャンパスライフは全くできていないですね。今は実家でzoomでの授業を受ける毎日です。早く元通りに戻ってほしいです。

――最後に、推薦入学の先輩として、高校生たちにメッセージをお願いします。
推薦入試はやはりハードルが高いと思われがちかと思います。僕も最初は高いハードルを感じていましたが、入学後には難しい挑戦に見合った権利を得られると思います。出願の書類の準備なども少し大変ですが、自分自身を見つめ、自分らしさというものを見つけることのできるいい機会だと思います。また、進学選択を意識せず、希望する進学先に進学できることは、かなり嬉しいことです。
もし意欲があって、少しでも挑戦しようと思っている人がいれば、ぜひ挑戦してください。

――ありがとうございました。これからもチャレンジを続けてください。

取材/2020年5月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム