令和元年度 東京大学総長賞受賞者の声(課外活動・社会活動編)

2020.05.07

学生表彰

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東大総長賞とは?

「本学の学生として、学業、課外活動、社会活動等において特に顕著な業績を挙げ、他の学生の範となり、本学の名誉を高めた者」(個人又は団体)に対して、東大の総長が直々に表彰を行う賞です。賞の授与は平成14年から始まり、年に1回、受賞者の表彰と活動(研究や課外活動、社会活動など)の内容に関するプレゼンテーションが行われています。令和4年度は10の学生・学生団体に対して総長賞が授与されました。
「キミの東大」では、受賞者の方々に活動/研究内容を教えてもらうとともに、高校生のみなさんへのメッセージもいただきました!
ぜひ、東京大学の学生の活動の幅の広さと学びの深さを体感してください。
今回は、課外活動・社会活動編をお届けいたします。

ピアニストとして活躍する

総長賞角野隼斗さん
総長大賞
【受賞者名】角野 隼斗さん(情報理工学系研究科修士課程2年、千葉県出身)
【受賞テーマ】日本最大のピアノコンクールで優勝、および国内外でのピアニストとしての活躍

 
大学院修士1年生時の2018年8月に、日本最大のピアノコンクールである第42回ピティナ・ピアノコンペティション特級部門において、東京藝術大学などトップの音楽大学の学生を差し置いてグランプリを獲得する快挙を成し遂げました。この受賞をきっかけに本格的に音楽活動を始め、2019年7月にはフランスで行われたリヨン国際ピアノコンクールにて第3位を受賞しました。パリ、ウィーンやポーランドにてリサイタルを行い、2019年12月に開催した全国5都市6公演でのツアーリサイタルでは全公演のチケットが完売するなど、名実ともに国内トップクラスの若手ピアニストとして活躍しています。
 

  • 総長賞角野隼斗さん2cmp
    東大には色んなタイプの優秀な方々がたくさんいます。受験の時は制度上「試験の点数」という指標で一元化されてしまいますが、それだけでは測れない魅力が沢山あるということに気付かされました。そんな中で大学生活を送れるということは、この上なく良い刺激になると思います。
    自分がやろうと思えば、色々なことにチャレンジしやすい環境が東大には整っています。僕自身も多様な授業、研究活動、留学、そしてサークル活動など、あらゆる経験が糧となり、そして今の自分の活動に繋がっています。
    受験は体力面だけでなく精神面でも大変なことがあるかと思いますが、ぜひ入学した後の楽しい生活を信じて頑張ってください。そして入学した暁には、ぜひ自分の好奇心に忠実に、全力で楽しんでください。応援しています。

ウガンダで国連ボランティア活動を行い、感染症対策に貢献

総長賞小杉穂高さん
【受賞者名】小杉 穂高さん(医学系研究科博士課程2年、宮城県出身)
【受賞テーマ】ウガンダにおけるエボラ出血熱対策と水・衛生分野での卓越した国連ボランティア活動

 
国連ボランティアとして2018年4月から2019年12月までUNICEFウガンダへ派遣され、エボラ対策やトイレの普及等の水・衛生分野の活動に従事しました。2018年8月にウガンダの隣国のコンゴ民主共和国でエボラが流行してからは、ウガンダ国内での感染拡大を防止するために、感染予防に関するトレーニングを立案し、国境沿いの病院や検疫所で働く1000名以上の医療従事者を対象にトレーニングを実施しました。また、学校やコミュニティでの手洗いの啓発等のプログラムも立案・実施を主導しました。ウガンダ国内で感染者が出た時には、県保健チームの対応を最前線でサポートし、感染拡大防止に貢献しました。
一方で、コミュニティが衛生改善を主導するというアプローチをウガンダで普及させる活動も行い、その結果、住民主導の衛生改善に向けた話し合いやトイレの建設が行われました。ウガンダでは、排泄物に汚染された飲食物や不衛生な環境に起因するコレラなどの下痢性疾患や肺炎が原因で、多くの子どもたちが命を落としています。この活動はこれらの疾患を予防し、ウガンダの人々の健康に大きく役立つものです。
小杉さんは、このボランティア活動を行いながら、博士論文執筆に向けて、ウガンダで研究のデータを集めたり、国際的な学術誌に論文を投稿したりしています。ボランティア活動と研究を両立していることが、東大生の模範になると高く評価されました。
 

  • 総長賞小杉穂高さん
    東大には様々なグローバル課題にチャレンジする学生やそれを支える先生がたくさんいます。ぜひ世界に目を向け、世界で困っている人々のために、自分にどんなことができるのかを考えてみてください。

「東京大学新聞」の報道活動

総長賞東大新聞
【受賞者名】東京大学新聞編集部
【受賞テーマ】一貫して学生が取材編集するメディアとして、創刊100周年を迎える報道活動

 
東京大学新聞社は東京大学の学部生、大学院生で構成される、学内最大のメディアです。1920年の創刊以来、100年にわたり、大学から独立して、東大内外の情報を伝え続けてきました。学生の視点から東大の「いま」を伝えるべく、さまざまな学術的、文化的な記事やスポーツや褒賞に加え、研究成果や時事性の高い出来事などのニュースを報道しています。週刊の紙面とウェブサイト『東大新聞オンライン』での情報発信だけでなく、主に受験生を対象とした情報冊子『東大生がつくる東大受験本』シリーズや新入生向けの入学記念アルバム『フレッシュブック』、1年間の紙面から主だったものをまとめた『東京大学新聞年鑑』書籍の発行、東大の女子学生対象のハッカソン『東大ガールズハッカソン』などイベントの主催も行っており、その活動は多岐にわたります。
 

  • 総長賞東大新聞
    東大はさまざまな人がさまざま活動を繰り広げる、とても自由な場所です。受験生活はつらいこともあるでしょうが、合格後には自由で楽しい世界が待っています。それでも疲れたときは、息抜きに東大新聞でも読んで、頑張ってください。

体験を語る患者や障がい者を養成し、講師として紹介する活動

総長賞香川由美さん
【受賞者名】香川 由美さん(医学系研究科博士課程4年、兵庫県出身)
【受賞テーマ】患者の語りを社会に活かす~NPO活動と医学教育の橋渡し~

 
病気や障害とともに生きる人が自身の体験した困難をどのように乗り越えたかを語る言葉には、経験した本人だからこそ伝えられる具体的なエピソードや、心に響くメッセージがあります。その言葉は、同じ病気や障害で悩む人を勇気づけるだけでなく、患者や障がい者を支援する仕事をする人、病気や障害のことをあまり知らない人にとっても新しい気づきや学びがあります。そのため、近年、医療系の大学や地域の小中学校の授業に患者や障がい者を招き、体験談を聴く教育活動が広がっています。
一方で、そのような教育が聴く人にとって有意義であるとはいえ、患者や障がい者の立場にある人が自身の病や障害といったとても個人的な体験をたくさんの知らない人の前で話すということは、大きな勇気がいります。また、準備のためにたくさんの時間や話す技術が必要です。そして、自分の話したことが聴いてくれた人にどのように伝わったのか、不安を感じることもあります。しかしながら、これまで、語る活動をする患者や障がい者のための自己研鑽の場やサポート体制はほとんどありませんでした。たとえ教育への貢献意欲の高い人であっても、これまで多くの人が、語ることの難しさ、伝えることの難しさに直面してきました。そのため、社会的に有意義な活動であるにも関わらず、活動できる人がなかなか増えないという課題がありました。
香川さんは、自分自身も1型糖尿病の患者として患者会活動の延長で体験談を講演するなかで、このような困難に直面しました。そこで、同じような問題意識を持つ学外の有志と共にNPO法人を立ち上げ、患者講師の養成と紹介の仕組みを構築しました。疾患や障害を越えたメンバーとの協働のもと、教育機関や製薬企業等において、これまでにがんや脳性麻痺等の100名を超える方の講演が実現しました。
また、東大医学部の教員の協力を得て、医学部における医師養成教育の一環として、香川さんのNPOで養成された患者講師の講演を聴く授業が実現しました。さらに、香川さんは患者の語りを活用した教育の効果検証に興味を抱き、博士課程において研究に取り組みました。在学中、医学教育雑誌等にNPO活動や研究について執筆するとともに、学会発表した研究成果は優秀演題賞を受賞しました。さらに、他大学や行政、製薬企業等からの講演依頼、メディアの取材も受け、積極的な情報発信を行っています。
 

  • 総長賞香川由美さん
    皆さんは、東大に来たらどんなことをしてみたいですか?
    私は、小さい頃から病気があり、たくさんの医療者の方々や患者仲間にお世話になってきたので、その恩送りができるような研究をしたいと思って東大を目指しました。
    東大には、さまざまな学問や知識とその社会との繋がりを学べる環境が豊富にあります。導いてくださる先生や、共に学ぶ仲間にたくさん出会えます。皆さんも、東大で大きな夢を見つけ、目標に向かって努力する楽しみや豊かな時間をぜひ味わってください。

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構成/「キミの東大」企画・編集チーム