【開催レポート!】2025年度 第2回 学校推薦型選抜オンライン説明会―現役推薦生と交流しよう!
学校推薦型選抜
2025.12.18
2025.12.18
【開催レポート!】2025年度 第2回 学校推薦型選抜オンライン説明会ー
東京大学では学部教育の総合的改革の一環として、学校推薦型選抜を導入しています。制度開始以来、特定の分野における卓越した能力やさまざまな学問領域に対する極めて強い関心・学ぶ意欲を持つ学生を募り、学生の多様性を促進して学部教育を活性化することをめざしています。
高大接続研究開発センターでは、11月8日に高校生を対象とした「学校推薦型選抜オンライン説明会」を開催しました。後日の映像視聴も含めると430名以上の参加申し込みがあり、現役の推薦生35名が交流をサポートしました。制度に対する理解を深めていただくためにも、まずは本選抜のねらいや概要についてお届けいたします。
冒頭の挨拶は、入試を担当する東京大学理事・副学長の藤垣裕子先生から、本選抜の受験を検討している中高生に向けてお言葉をいただきました。

藤垣先生「学校推薦型選抜は、受けるかどうか迷われている方も多いかと思います。しかし、迷っているならぜひ受けていただきたいと思っております。『数学オリンピックや留学体験などがないといけなのではないか』という不安を抱かれる高校生の方も毎年いらっしゃいますが、必ずしもそのような特別な経験がなくてはならないというわけではありません。学校からの推薦の言葉と、みなさんの特性を紹介していただき、面接で先生たちが見極めるという形で、毎年選抜を行っております。
本選抜は一種の体験活動と思ってください。受験生が早い段階で教員と接触できる貴重な機会です。単に合否にこだわるのではなくて、大きく次のステップに向かうチャンスであると捉えていただきたいと思います。受けたこと自体から得られるものもたくさんありますので、とにかくチャレンジしていただきたいと思います」
続いて、東京大学高大接続研究開発センター助教の服部恵典先生から、東京大学の教育システムと、その中での学校推薦型選抜の位置づけについて詳細な説明がありました。
服部先生「東京大学は、入学後1、2年生の前期課程で幅広い教養を身につけるリベラルアーツ(教養)教育を重視しています。専門教育の場となる学部・学科(後期課程)に進学するのは、3年生以降です。このシステムは、本当にやりたいことを入学後に見つけたい学生にとって、非常に柔軟性のあるものです。一般選抜生の場合は、2年生の夏に、前期課程の成績に基づいて『進学選択』で所属学部を決定します」

服部先生「しかし、中には高校生のうちから、この分野を深く学びたいという目標が明確に決まっている人もいます。そうした方を対象に、高校での活動実績や能力を評価するためにあるのが、学校推薦型選抜です。推薦生は、出願時に志望した学部・学科への進学が内定した状態で、前期課程をスタートさせます。進学選択なく後期課程の所属が決まっているため、『アーリーエクスポージャー(早期に専門に触れる)』が可能であるだけでなく、『前期課程の成績を気にせず好きな授業がとれた』という声も少なくありません。
その代わり、入試を受ける学部の選択を慎重に行う必要があるでしょう。例えば、生命科学の研究は医学部、工学部、理学部、農学部、教養学部、薬学部といった複数の学部にまたがっています。出願先の学部でどんな研究ができるのか、どんな先生がいるのかをよく調べてみるのは、楽しい経験になるはずです」
東京大学高大接続研究開発センター特任教授の高橋和久先生は、大学側が学校推薦型選抜を導入した目的について説明しました。

高橋先生「学校推薦型選抜のアドミッションポリシー、特に基本方針のところを熟読していただければ、学部学生の多様化によって学部教育の一層の活性化を図るという基本方針が明示されています。つまり、学校推薦型選抜は、単なる一般選抜の枠を広げるものではなく、異なる個性を持つ学生を受け入れること自体に意味があるのです。
中等教育の学びは主として、正解がある問題を解くことに習熟するものです。これはこれでとても重要なことですが、大学では、解が分からない問題に対してどう立ち向かうかが問われます。そのためには、正解が分からない大きな問題に対して、近似的な問いを立てる、その問いを見つけることが重要です。学校推薦型選抜は、中等教育段階で、そのような知的志向性、課題設定能力を持った方に、トライしていただきたいなと思います」
下記、参考リンクでは、学校推薦型選抜の概要等をまとめていますので、ぜひご活用ください。
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