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「留学先で経済格差を目の当たりにし金融学を志す。 世界を見渡した国際金融を学びたい」―2019推薦生インタビュー 経済学部

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2019推薦生井置さん

PROFILE

  • 氏名:   井置涼花さん
  • 出身校:  小林聖心女子学院高等学校(兵庫県)
  • 入学:   2019年 文科二類(経済学部進学予定)

――東京大学を志望したきっかけを教えてください。
高校のとき、アメリカ留学中にシリコンバレーを訪れたことがあったんですけど、シリコンバレーのすぐ隣にはホームレスの方が暮らしていて、すごく経済格差があることを目の当たりにしました。そこで経済問題に興味をもったことと、イエール大学のオンライン講座で金融学を学び、大学でも金融学を深めたいなと思ったことがきっかけとなって、金融学科がある東京大学に決めました。

――オンライン講座はどのようにして探されましたか?
経済問題に興味があるという話を担任の先生にしていたところ、「こういうプログラムがあるのでやってみないか」と勧められて、自分でWEBサイトで調べて講座を選びました。

――そうしたご自身の体験から推薦入試を受けるまでのことを教えてもらえますか?
経済問題について調べていたのが高校2年で、ちょうど進路選択の時期と重なったんです。大学はどこにしようかと考えたときに金融学科があるのが東京大学で、東京大学なら研究機関もしっかりしているだろうし、海外の大学とも連携がある。国内だけじゃなくて、国際金融をやろうと思ったときにもやりやすいかなと思って、受験を決めました。

――推薦入試のための準備は、どのようなことをしましたか?
提出書類としては志望理由書がありましたね。私は、内容を練る段階でまとめて、ほかの人にも見てもらいました。

――準備作業を通じて、気づきとか明確になったことはありましたか?
ぼんやりと自分の中で描いていた将来像が、明確になったなと思います。人に見てもらうと、自分が当たり前だと思っていたことに対して、「なんで?」と結構聞かれました。それで「なんでなんだろう」と考えたときに、自覚していなかった自分の思いが見えてきたりして、いろんな視点からアドバイスをいただいたことで、深められたかなと思います。

――それは具体的にどんなことでしょうか?
例えば、アメリカのシリコンバレーのことを書いた箇所があったんですけど、私としてはそこが世界の最先端の技術が集まってるところだと思っていたし、周りの人も基本、そうだと思うんです。でも考えてみれば、中国も技術が発達していて、アメリカ一強といえる状況ではないんだなと思いました。じゃあ、米中で考えたときどうかとか。
私、もともと中国に住んでいて、帰国子女なんですね。その頃、米中貿易摩擦のニュースが流れていたりしたこともあって、自分が住んでいた頃はどうだったかとか、アメリカが発達していく過程と、中国が発達していく過程に類似点があったかなとか、小さい頃に見たことを思い出して、その頃は何も考えずに見てたんですけど、実はこういうことが裏であったんだなとか。
自分の学びたい金融についても、アメリカをきっかけに私は金融をやりたいと思ったのですが、世界全体を見渡せば、アメリカ経済には及ばないアジアなどの国に対しても、金融で介入できる分野はあると思いますし、アフリカでも、インフラ整備以外に経済政策なども必要だなと。そういうことからもっと世界全体を見て、国際金融を学びたいと思うようになりました。

――国際金融を学んで何かやりたいことは具体的にありますか?
留学前は、大学を4年間で卒業したらニューヨークに行って金融業界に入り、日本銀行などで金融に関係したことをやろうかなと思っていたんですけど、東大に入学してから少し考えが変わりました。今、文科二類で文科一類の人たちとクラスが一緒なんですけど、文科一類の人の中には国連など国際機関を目指している人も多いんです。私は国連というわけではないですが、そういう人たちの話を聞いていると、すぐ就職しなくても、大学院に進学して、そこから就職するという道もあるかなと思うようになりました。

――入学してから出会った人の影響もあるのですね。
そうですね。まだ1カ月ほどですが、たくさんのつながりがあって、いろいろな人と話すうちに、新しい選択肢が見えました。

――そういう意味で、東大に入る前と後で、印象は違いましたか?
思ったよりグローバルな視点を持ってる人が多くて、将来は国内じゃなくて海外に出たいと思っている人が多いんじゃないかなと思います。例えば、法学部の人は、官僚か弁護士を目指す人がほとんどだと思っていて、実際にそういう人もいるんですけど、国際弁護士とか海外を目指す人が多いので、国内だけじゃなくて国外への志向も強いのかなと思います。

――最後に、推薦入試を受けてよかったと思うことを教えてください。
私は自分が将来、経済格差問題に対してどのようにアプローチしていきたいのか、書類作成を通じて考えを整理することができました。何かを調べたり、深めていくうちに、実はこういう分野に興味があったんじゃないかなとか、さまざまな物事のとらえ方ができると思うんです。書類作成などを通して、本当に進みたい方向が見えてくるというところが、推薦入試のいいところだと思います。

――ありがとうございます。

 

取材/2019年5月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム