【開催レポート!】2025年度 第2回 学校推薦型選抜オンライン説明会―現役推薦生と交流しよう!

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【開催レポート!】2025年度 第2回 学校推薦型選抜オンライン説明会

11月8日に高校生を対象とした「学校推薦型選抜オンライン説明会」を開催しました。概要説明に加えて、現役推薦生3名による話題提供や、研究テーマごとの交流会が行われ、中高生は関心の近い推薦生と直接話すことができました。推薦生の深い探究心や充実した学生生活が伝わる模様をダイジェストでレポートします!

「情熱」の先にあった合格 推薦生の声

説明会後半では、推薦生3名が登壇し、自らの体験や大学生活を語りました。進行役は、福田有佳さん(文科一類1年、法学部進学予定)と、栗秋健吾さん(理科一類2年、工学部進学予定)が務めました。

まずは、岐阜県の高校出身の徳田さんです。日本の教育制度への問題意識をきっかけに比較教育社会学を志望し、身近なところから活動を始めたそうです。

 

➀ 徳田有花さん(文科三類1年、教育学部進学予定)

 

  • まわりの人たちが受験勉強で精神的に苦しむ姿を見て、「教育機会は豊富なのに、勉強が嫌いなのはなぜだろう」という矛盾を感じました。さらに世界には学びたくても学べない人がいる現状を知り、勉強したい事柄への興味関心に関する調査を始めました。

この探求をするなかで教育社会学と比較教育学に興味をもった徳田さんは、比較教育社会学コースに入学後すぐに早期履修を行いました。

  • ずっと興味のあった比較教育社会学概論と、大学のシステムと社会のシステムを研究する大学論という授業を、計2コマ4単位分とっていました。教育学部の大学院生も一緒に受けているディスカッションベースの授業で、いろいろな人の意見を聞けました。

最後に、中高生に向けてメッセージを寄せてくれました。

  • 私は、好きとか情熱の先に志望大学があると思っています。自分の情熱を言語化していく、自分に向き合っていくということが大事だと思っています。

 
次は、高校時代は化学部に所属していた古城さんです。新しいアミノ酸の定量法を開発する研究に打ち込み、将来の夢は基礎医学の研究者です。

➁ 古城敬之さん(理科三類1年、医学部医学科進学予定)

 

  • 化学部に入ったときは知識ゼロでしたが、先輩の研究に憧れ、気づいたら研究に没頭していました。数々の挫折がありましたが、みんなで協力して解決する、研究の楽しさを存分に感じ、大学でも研究活動に取り組みたいなと思うようになりました。

家族の経験から精神疾患に関心を抱き、医学と社会課題の接点について考えるようになったといいます。そこから、分子・細胞レベルのミクロな視点で脳の高次機能のメカニズムを解明したいと強く志すようになったそうです。

  • 高校時代に聴講した学会で、興味に近い研究室を知ったことから、東大の受験を意識し始めました。学校推薦型選抜を受けようと決めたのは、高校3年の初めです。落ちると心理的な負担が大きいのではないかと思っていたとき、顧問の先生が「学校推薦型選抜は宝くじのようなものだよ」と言ってくださって、挑戦する勇気が出ました。研究が好きな気持ちだけは誰にも負けないという自信が、自分を支えてくれました。

古城さんは入学後、何度もアタックして憧れの研究室に入れてもらい、現在はシナプスの突起構造であるスパインの研究に携わっています。

  • 自分が本当にしたいことは何なのか、すでに考えたことがあるつもりでいても、真剣に考え直すと違う答えが出るものです。学校推薦型選抜に挑戦するメリットは、合否に関わらず自分を見つめ直すきっかけになることだと思います!

 
最後は、高校の授業で全国の高校生と交流した際、防災意識の差を感じたという伊関さんです。「防災を自分ごと化するには」という問いを立てて探求を始め、防災ゲームの制作や発表を通して、防災をより大きな社会課題として捉えるようになったそうです。

➂ 伊関佳純さん(理科一類2年、工学部進学予定)

 

  • 当初は文系寄りの活動をしていましたが、科学活動を通して理系分野にも関心が広がり、文理融合した領域に魅力を感じるようになりました。その結果「災害弱者が生じない社会の基盤をつくりたい」という目標から、都市計画や社会基盤学を専門的に学べる東大を志望しました。

高校生の頃は地元の福島で防災について考えていた伊関さんでしたが、ゼミを通して学ぶにつれ、防災がグローバルな課題であることに気づいたそうです。

  • 工学部の社会基盤学科国際プロジェクトコースに内定しました。今は物理や数学など座学中心ですが、3年生以降は実際に街に出て都市を分析する授業も始まるらしいので楽しみです。東大に入ってよかったと思うのは、何より勉強が楽しいと思えていることです!

さらに、学校推薦型選抜と一般受験をどう両立したのかについても話してくれました。

  • この時間は推薦の準備、この時間は一般の勉強と分けてメリハリをつけたことで、かえって効率が上がり、成績も伸びました。さまざまな活動に挑戦することも大事ですが、友達との時間や学校行事に力を入れた経験も自分にとって大きかったと感じています。今を大切にすることを意識してほしいです。

 

推薦生や受験を検討する中高生との対話から受ける刺激の数々

説明会終了後は、テーマ別交流の時間です。学部の推薦生と中高生が「情報・数学」、「法律・政治」など10以上の研究テーマごとに分かれ、推薦生の体験や東大での生活について質問したり、まわりの中高生の興味や関心を知ったりすることができます。ここではテーマ別交流での会話の一部をご紹介します。

高校生A「学校推薦型選抜の自分のアピールポイントは何でしたか?」

  • 当時は、表象文化論コースに進みたいという気持ちが強く、映画に対する自分の見解や情熱を表情や身振り、そして話す内容でしっかり伝えました。「入学後にいかにその研究を進めるか」を意欲的に話せたのが最大のアピールポイントになったかなと思います。

高校生B「高校の研究には限界があると感じます。大学や大学院での研究は、高校と比べて何がどう変わるのでしょうか?」

  • 大学の研究室には試薬や設備がそろっており、できることの幅は格段に広がります。さらに、先生のつながりを通して、海外の研究者とともに研究する機会もあります。つまり、うまくいけば世界中のあらゆる研究環境にアクセスできる可能性があり、「できないこと」は極端に少なくなります。高校生が抱える研究の限界は、大学に進めばほぼ解消されます。

高校生C「研究者があまり稼げないという話がある中で、何がモチベーションになるのかを教えてください」

  • 給与面や雇用面で不安定な場合が多いのが現実です。それでも続けられる理由は、研究そのものが楽しいからです。究極的には「研究が好き」という気持ちと、自分の技術が社会に役立つ瞬間を見たいという思いが、研究を続けていくための最大のエンジンになるのだと思います。

中高生にとって、東大生活を思いきり楽しむ現役推薦生との交流は、今後の進路を考えるきっかけとして有意義な時間となったに違いありません。今後のオンライン説明会の開催日程や学校推薦型選抜についての各種情報は下記参考リンクからご確認ください。

学校推薦型選抜の概要はこちら

文/R.D(説明会ファリシテーター)
構成/「キミの東大」編集チーム